Round.14 ベルギーグランプリ
29.Aug.2004 : スパ−フランコルシャン
◇予選グリッド
2年ぶりにカレンダーに復活したベルギーグランプリ。予選は典型的なスパ・ウエザーの下で行われました。ヘビーレイン、レイン、ヘビーレインと刻々変化する路面状況。この状況下、出走順にも恵まれた、ルノー・トゥルーリが今期2度目のポールポジションを獲得します。2位はフェラーリ・シューマッハー兄、3位はルノー・アロンソ。以下4位マクラーレン・クルサード、6位フェラーリ・バリチェロ、7位ジャガー・ウエーバー、8位ザウバー・マッサ、9位トヨタ・パニス、10位マクラーレン・ライコネンのオーダーとなります。
なおBAR・佐藤は15位からのスタートとなります。
◇決勝
スタートではルノー勢が見事なダッシュを決め、トゥルーリ、アロンソ、ついでクラーレン・クルサード、フェラーリ・シューマッハー兄の順で1コーナーを回って行きます。しかしその後方では多重クラッシュが発生します。1コーナーからオールジュにかけての多重クラッシュで、ジャガー・ウエーバー、BAR・佐藤、ジョーダン・パンターノ、ミナルディー・ブルーニがリタイヤ、BAR・バトン、フェラーリ・バリチェロ、ザウバー・マッサ、トヨタ・パニス、ミナルディー・バウムガルトナーらが緊急ピットインを余儀なくされます。そしてこの事故の処理が終わるまで、セフティーカーが入ります。
レースが再開されたのは4周目、このときのオーダーは、トゥルーリ、アロンソ、クルサード、シューマッハー兄、マクラーレン・ライコネン、ウィリアムズ・モントヤ、ザウバー・フィジケラ、ウィリアムズ・ピッツォニアとなります。しかしシューマッハー兄に伸びがなく、オールージュでライコネンに抜かれるや、バスストップ・シケインで、モントヤにアウトから抜かれ6位まで後退してしまいます。
5周目、ケメルストレートエンドでライコネンがクルサードをパスし、これでトゥルーリ、アロンソ、ライコネン、クルサード、モントヤ、シューマッハー兄のオーダーとなります。しかし11周目、1回目のピットストップのため戦列を離れたトゥルーリに代わり、トップを走っていたアロンソが、なんと単独スピン、ライコネンに抜かれてしまいます。その直後のにもう一度スピンを喫しコースアウト、グラベルにはまりそのままリタイヤとなります(原因はエンジンからのオイルリーク)。同時期に、クルサードがミリリアタイヤをバーストさせピットイン、最下位まで順位を落としてしまいます。
各車1回目のピットストップを終えた17周、オーダーはライコネン、バトン、トゥルーリ、シューマッハー兄、マッサ、モントヤ、ピッツォニア、フィジケラとなります。18周目、バスストップ・シケインのブレーキングで、シューマッハー兄がトゥルーリをパス、20周目には、モントヤが同じ場所でトゥルーリを抜きにかかります。しかしこのパッシングはやや強引で、トゥルーリとモントヤは接触、スピンしたトゥルーリは、大きく順位を落とす事となります。
29周目、ケメルストレートにて、4位を走行していたバトンが周回遅れのバウムガルトナーをオーバーテイクしようと並びかけたところ、突然右リアタイヤがバースト、バランスを失ったバトンのマシンは、バウムガルトナーの右サイドポンツーンにノーズを突っ込む形で接触し、両者リタイヤとなります。この事故の処理のため、今レース2回目のセフティーカーが入ります。
セフティーカーが入った直後の31周目、3位を走っていたピッツォニアがギアトラブルからスローダウン、オールージュを上りきれずリタイヤとなります。レースが再開されたのは34周目、この時点でのオーダーは、ライコネン、シューマッハー兄、モントヤ、バリチェロ、トヨタ・ゾンタ、マッサ、フィジケラとなります。しかしそれもつかの間、36周目には、このレース3例目となるミシュランタイヤの右リアタイヤバーストにより、モントヤが脱落、ピットにてリタイヤとなります。そして38周目、オールージュの出口でジャガー・クリエンにクルサードが追突、フロントウイングを失ったクルサードは、ピットへ向かいます。
この接触でコース上に散らばった破片を掃除するため、今レース3回目のセフティーカーが入ります。そしてリスタートの41周目、4位を走行していたゾンタのエンジンがブロー、波乱のベルギーグランプリ、最後のリタイヤとなります。
こうして完走11台(ゾンタは完走扱い)のサバイバルレースは、ライコネンの今期初優勝で波乱の幕を閉じ、2位シューマッハー兄、3位バリチェロ、4位マッサ、5位フィジケラ、6位クリエン、7位クルサード、8位パニス、9位トゥルーリ、10位ゾンタの結果となりました。
そして、シューマッハー兄が、5年連続7回目のドライバーズチャンピオンを獲得しました。
◇感想
マクラーレン復活を鮮烈に印象付けたレースとなりました。シューマッハー兄が近づくとセフティーカーが入ると言う幸運もありましたが、ライコネンが見事後続を押さえきり、自身2度目の優勝。クルサードも幾多のもらい事故を潜り抜け、ポイントを獲得しておりますし、終盤戦、そして来年へと、マクラーレン復活の予感を強く感じさせる結果となりました。打倒フェラーリを、なんとしてでも実行していただきたいところです。