Round.15 イタリアグランプリ
10.Sep.2004 : アウトードロモ・ナツィオナーレ・ディ・モンツァ


◇予選グリッド

 予選トップは今期2回目のポールとなる、フェラーリ・バリチェロ、2位には今期3回目のフロントローとなる、ウィリアムズ・モントヤが入ります。以下3位フェラーリ・シューマッハー兄、4位ルノー・アロンソ、5位BAR・佐藤、6位同バトン、7位マクラーレン・ライコネン、8位ウィリアムズ・ピッツォニア、9位ルノー・トゥルーリ、10位マクラーレン・クルサードとなります。


◇決勝

 セミウエットのコンディションで始まったイタリアグランプリ。スタートではスタンダード・ウエット(インターミディエイト)タイヤを履いたフェラーリ・バリチェロと、ルノー・アロンソがダッシュを決め、1-2で1コーナーを通過していきます。一方ドライタイヤを履いたフェラーリ・シューマッハー兄は、第2シケインでマシンを滑らせスピン、15位まで順位を落としてしまいます。
 スタートから数周は、スタンダード・ウエットタイヤを履いたバリチェロが素晴らしい走りを見せ、一時はアロンソを8秒以上引き離す展開となります。しかし路面状況の回復は急激で、4周目にはアロンソがバリチェロを捕らえ、一気に抜き去る事態となります。これをみたバリチェロはすばやくピットに入り、ドライタイヤへ切り替えます。同じくウエットで走っていた、ザウバー・マッサも同周回にピットへ入ります。
 こうして6周目を終わった段階で、アロンソがトップ、それをBAR・バトンが追い、以下ウィリアムズ・モントヤマクラーレン・ライコネン、BAR・佐藤、ジャガー・クリエン、ルノー・トゥルーリ、ジャガー・ウエーバー、フェラーリ・バリチェロが続くオーダーとなります。なおこの時点でシューマッハー兄は、11位まで順位を上げています。
 10周目からルーチンの1回目のピットワークが始まり、アロンソ、ウエバー、モントヤ、佐藤、ライコネンの順でピットストップを行います。しかしライコネンはピットに納まるやガレージへ戻され、リタイヤとなります。
 その後15周目シューマッハー兄、16周目ピッツォニアとピット作業を行います。こうして上位陣の1回目のピットストップが終了した17周目のオーダーは、バトン、アロンソ、モントヤ、バリチェロ、フィジケラ、佐藤、クルサード、ウエーバー、シューマッハー兄となります。
 29周目、バリチェロが2回目のピットイン。しかしここではわずか6.3秒のショートストップで済ませ、シューマッハー兄の後ろ、6位で周回に復帰します。その直後の31周目、ピットで火災が発生します。給油を終えたミナルディー・ブルーニのマシンが、突如炎に包まれたのです。幸いすぐに消し止められ、ブルーニとクルーは無事でした。
 34周目、トップのバトンがピットイン、バリチェロの後ろ3位で周回に復帰します。そして36周目、暫定トップのシューマッハー兄がピット作業を行い、アロンソの後ろ4位で周回に復帰します。しかし翌周、アロンソが痛恨のスピンオフ、グラベルにはまりリタイヤとなったため、シューマッハー兄は自動的に3位へ。42周目、トップのバリチェロがピットイン、前回に続き5.5秒のショートストップでピット作業を終えたバリチェロは、トップで周回に復帰します。その直後では、シューマッハー兄がバトンをストレートエンドでオーバテイクし、ここにフェラーリ1-2体勢となります。3位以下の順位は、バトン、佐藤、モントヤ、クルサード、ピッツォニア、フィジケラとなります。
 その後は順位の変動もなく、バリチェロが、シューマッハー兄を従えての今季初勝利を飾りました。



◇感想

 途中まではBAR初優勝か?と思わせる展開でした。事実バリチェロ最後のピットアウトの時、ストレートを駆け上ってくる車は、佐藤の車だと思っていたくらいです。それにしても、このレースのバリチェロは見事でした。タイヤの選択ミスで一時は大きく出遅れますが、それを文字通り腕で挽回したのですから。ロング−ショート−ショートとつないだピット作業、そしてシューマッハー兄ばりのインラップ、アウトラップのスピード。
   しかしそのバリチェロに、15位から追いつたシューマッハー兄は、もっとすごい・・・


[ Back ]