Round.17 日本グランプリ
10.Oct.2004 : 鈴鹿サーキット・インターナショナル・レーシングコース


◇予選グリッド

 台風22号の影響で、予選・決勝同日開催となった、日本グランプリ。ダスティーかつ水溜りが残るバッドコンディションのため、予選は荒れ模様となります。
 そんな中、トップはフェラーリ・シューマッハー兄、2位にはウィリアムズ・シューマッハー弟が入り、昨年サンマリノGP以来29戦ぶりのフロント・ロー兄弟対決となります。3位はジャガー・ウエーバー、4位は母国GPのBAR・佐藤、5位は同バトンとなります。6位は今シーズンの残り、トヨタから参戦することが決まったトゥルーリ、以下7位ザウバー・フィジケラ、8位マクラーレン・クルサード、9位ルノー・ビルヌーブ、10位トヨタ・パニスの結果となります。
 なお目下2連勝中と調子を上げているフェラーリ・バリチェロは、シケインで足元をすくわれコースオフ、痛恨の15位スタートとなります。


◇決勝

 スタートでは、ジャガー・ウエーバーが大きく出遅れますが、その他各車は混乱なく1コーナーへと飛び込みます。ここでBARバトンが同僚佐藤を抜いて3位へポジションアップ。こうしてオープニングは、フェラーリ・シューマッハー兄、ウィリアムズ・シューマッハー弟、バトン、佐藤、トヨタ・トゥルーリ、ウエーバー、マクラーレン・クルサード、ルノー・ビルヌーブ、ザウバー・フィジケラ、ルノー・アロンソのオーダーとなります。
 2周目、1コーナー入り口で、フィジケラが、ビルヌーブをパス。6周目にはアロンソもビルヌーブをパスしていきます。そして7周目、マクラーレン・ライコネン、ウィリアムズ・モントヤ、フェラーリ・バリチェロが一団となって1コーナーに侵入します。ここでモントヤがライコネンをオーバーテイク、順位を上げることに成功します。またこのころ、バトンと佐藤の位置が入れ替わり、佐藤が3位に浮上します。
 9周目、シューマッハー弟が先陣を切ってピットインし、1回目のピット作業が始まります。12周目には、佐藤とバリチェロ、13周目にはトップのシューマッハー兄がピットに入ります。ここでシューマッハー兄は2位バトンの前で周回に復帰します。そのバトンは15周目までピット作業を伸ばし、佐藤の後ろ4位で周回に復帰します。1回目のピット作業を終わっての順位は、シューマッハー兄、シューマッハー弟、佐藤、バトン、クルサード、ジャガー・クリエン、アロンソ、トゥルーリとなります。
 21周目、ウエーバーがピットに戻り、そのままガレージへ。リタイヤ第一号となってしまいます。22周〜23周のシケインから1コーナーにかけて、本レース屈指のオーバーテイクシーンが見られます。トゥルーリ、モントヤ、バリチェロ、フィジケラのオーダーで130Rを抜け、シケインへ。ここでモントヤがトゥルーリを抜きにかかりますが、オーバースピードでバランスを崩します。その隙をついてバリチェロがモントヤの前に出ます。そしてそのままストレートへ。ストレートエンドでは、バリチェロがトゥルーリを、フィジケラがモントヤを、それぞれ同時に抜き去ります。
 24周目、シューマッハー弟が2回目のピットイン、26周目シューマッハー兄、佐藤、28周目バリチェロと続きます。しかしバトン、クルサード、アロンソらはこのタイミングでは入らず、2ストップ作戦であることが判明します。こうして30周目過ぎから、ようやく2ストップ作戦の車がピットに納まり始めます。2ストップ勢の作業が終わった38周目、シケインでバリチェロとクルサードが接触、両者ともダメージを負いピットでリタイヤとなります。
 その直後の39周目、3ストップのシューマッハー兄弟が、41周目には佐藤がピット作業を行い、ほぼ全てのピット作業が完了します。この時点でのオーダーはシューマッハー兄、シューマッハー弟、バトン、佐藤、アロンソ、ライコネン、モントヤ、フィジケラ、ビルヌーブ、ザウバー・マッサとなります。ラスト10周あたりから、佐藤がしきりにヘルメットを手で押さえる仕草が流れ、佐藤のペースが安定しなくなります。しかしなんとかゴールまでたどり着きチェッカー。
 優勝シューマッハー兄、2位シューマッハー弟、3位バトン、4位佐藤、5位アロンソ、6位ライコネン、7位モントヤ、8位フィジケラ、9位マッサ、10位ビルヌーブの結果となります。


◇感想

 速い・・・。シューマッハー兄のことです。最後は周回遅れのマッサを先に行かせ、35秒台でクルージングする余裕。憎たらしいほど(笑)、堂々とした勝ちっぷりでした。ホンダは、バトン、佐藤と連続3-4フィニッシュ。ほぼコンストラクターズ2位を決めました。万歳なのですが、やはり母国と言うことで、バトンよりも佐藤に表彰台に登って欲しかった(笑)。しかしバリチェロとクルサードが接触リタイヤしなければ6位だったわけで、その点ではラッキーだったわけです。佐藤もトラブルフリーだったわけではなく(ドリンク供給装置が、はじめの10周程度で壊れ、またHANSのトラブルで、肩を痛めていた)、その点ではがんばったといえるでしょうか。
 最後に、このレースが最後となるパニスに、ご苦労さま、そしてお疲れさまと言わせていただきます。


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