Round.18 ブラジルグランプリ
24.Oct.2004 : アウトードロモ・ホセ・カルロス・パーチェ


◇予選グリッド

 今年の最終戦、トップはフェラーリ・バリチェロ。悲願の母国GP初優勝を狙います。2位はウィリアムズ・モントヤ、3位はマクラーレン・ライコネン。4位はザウバー・マッサ。今期予選最高位を獲得します。5位6位はBAR・バトン、佐藤が続きます。7位はウィリアムズ・シューマッハー弟、8位はフェラーリ・シューマッハー兄となりますが、シューマッハー兄は、土曜日のフリー走行でクラッシュし、エンジンを乗せ換えて予選に挑んだため、10グリッド降格、18番スターとなります。9位はルノ・アロンソ、10位はトヨタ・トゥルーリとなります。
 なおトヨタはパニスに代えて、ゾンタをエントリー、そのゾンタは15番からのスタートとなります。


◇決勝

 スタート30分前、雨がコースを濡らし、コンディションはウエットになります。しかし雨はすぐに止むとの予報通り、スタート直前に雨は小降りとなります。しかしまだ水たまりが随所に残り、大半のマシンはウエットタイヤを装着し、グリッドに並びます。
 そしてスタート。フェラーリ・バリチェロがトップで1コーナーに入り、マクラーレン・ライコネン、BAR・バトン、ウィリアムズ・モントヤが続きます。3コーナー、ライコネンがバリチェロに並び、そのままバックストレッチに突入、ストレッチエンドで前に出ます。こうして1周目、ライコネン、バリチェロ、バトン、ザウバー・マッサ、モントヤ、BAR・佐藤、ウィリアムズ・シューマッハー弟、トヨタ・トゥルーリのオーダーとなります。
 2周目、モントヤがマッサそしてバトンを相次いでパス、瞬く間に3位へ上がります。なおバトンは続くマッサにも抜かれ、3周目、ついに白煙を吹いてストップしてしまいます。その3周目、シューマッハー兄が単独スピン、18位スタートから10位まで追い上げていましたが、12位へ後退してしまいます。
 4周目、雨は完全に上がり、一部の路面は乾燥してきます。それに時を合わせ、ドライタイヤをチョイスしていたルノー・アロンソがファステストラップを記録し、ここれを見た他チームは相次いでタイヤ交換を始めます。
 5周目、ライコネンとモントヤが同時ピットイン、早く動いたのはモントヤでしたが、マクラーレンも負けじとライコネンを送り出し、ピットロードを2台が併走するという一幕が生じます。そのままコースに出た2台でしたが、1コーナーで先手を取ったのはインをキープしたライコネン。しかし4コーナーでモントヤがやや強引にライコネンの前に出ます。そしてウエット→ドライのタイヤ交換がほぼ終わった10周目、この時点でのオーダーは、アロンソ、モントヤ、ライコネン、シューマッハー弟、佐藤、バリチェロ、ルノー・ビルヌーブ、マクラーレン・クルサードとなります。
 18周目、トップのアロンソがピットインを行い、ルーチンのピット作業が始まります。その一方、24周目にはジャガーのクリエンとウェーバーが接触、ウェーバーはウイングを失いリタイヤ、クリエンも入賞圏内から大きく脱落してしまいます。
 上位陣のピットストップが完了したのは30周目、この時点でのオーダーは、モントヤ、ライコネン、アロンソ、シューマッハー弟、佐藤、バリチェロ、マッサ、ザウバー・フィジケラとなります。またこの時点で、シューマッハー兄は、9位まで順位を戻しています。
 33周目、佐藤が痛恨のコースオフ、その間にバリチェロが前に出ます。
 41周目、クルサードがピットインし、ここから55周にかけて、最後のピット作業が行われます。この結果、モントヤ、ライコネン、バリチェロ、アロンソ、佐藤、シューマッハー弟、シューマッハー兄、マッサの順位となります。しかしモントヤとライコネンのタイム差はわずか1秒あまり、アロンソからシューマッハー兄までのタイム差はわずか2秒足らずと接近しています。
 このままレースは接近戦のまま10周以上を経過します。しかし69周目、1コーナーでアロンソに仕掛けた佐藤が、勢い余ってコースを一瞬外れてしまします。そうしてダストを拾った佐藤のタイヤはグリップを失い、その隙をシューマッハー弟に突かれます。そして4コーナーの加速でシューマッハー弟が前に出、激しかった4位−7位争いに決着がつきます。
 こうして最終戦は、モントヤが優勝、ライコネンが2位、バリチェロが3位となります。以下4位アロンソ、5位シューマッハー弟、6位佐藤、7位シューマッハー兄、8位マッサの結果となります。



◇感想

 3月から始まった04年シーズン、7ヶ月以上をかけて、全18戦のレースを終えました。序盤〜中盤はフェラーリの強さが一際目立ちましたが、タイトルが決まってからは混戦模様。このまま来期にこの混乱が続いてほしいものです。今年はバーレーンGP、中国GPが新たに加わり、05年シーズンはこれにトルコが加わり、いよいよ地球規模の国際レースの感を強くします。
 しかしタバコ広告禁止やメーカー撤退の噂、FIA会長のマックス・モズレー氏とチームオーナーの確執、それに伴う新シリーズ立ち上げの計画・・・・。F1を取り巻く環境は、以前にまして厳しいものとなっています。さて、来期のそして来期以降のF1は、果たしてどこに向かうのでしょうか。


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