Round.5 スペイングランプリ
08.May.2005 : サーキット・デ・カタルニア
◇予選グリッド
スペイングランプリを直前に、パドックは大激震に見舞われます。ことの発端はサンマリノグランプリ終了時の車検で、BAR・バトン車が最低重量を満たしていないとの疑惑。レギュレーションでは「レース中のいかなる瞬間においても、最低重量を満たしていなければならない」と記してあるのみで、「乾燥重量で最低重量を満たさなくてはならない」とは記しておらず、BARとスチュアートの間で見解の相違が発生したことでした。数時間に及ぶ討議の後、一度は問題ないと判断された重量問題ですが、FIAはこれを違反と判定、BARに対しサンマリノグランプリの記録抹消に加え、2戦出場停止の裁定を下します。これでBARはスペイン、モナコの両グランプリに出走することができなくなります。
こうしてBARを除く9チーム18台で始まった予選、ポールを奪ったのはマクラーレン・ライコネン、2位にはウィリアムズ・ウエーバー、3位には母国グランプリで優勝に燃えるルノー・アロンソが入ります。以下4位トヨタ・シューマッハー弟、5位同トゥルーリ、6位ルノー・フィジケラ、7位マクラーレン・モントヤ、8位フェラーリ・シューマッハー兄、9位レッドブル・クルサード、10位ザウバー・マッサとなります。
なおウィリアムズ・ハイドフェルド、フェラーリ・バリチェロは、エンジン交換+予選アタック中止のため、16位、17位スタートとなります。
◇決勝
スタートではウィリアムズ・ウエーバーが出遅れ、ルノー・アロンソが前に出ます。その後ウエーバーは、トヨタ・シューマッハー弟にも抜かれ4位にドロップしてしまいます。しかしその後方ではミナルディーの2台がスタート切ることができず、車の移動のために早くもセフティーカーが入ります。
2周目、レースがリスタート。この時点でのオーダーは、ライコネン、アロンソ、シューマッハー弟、ウエーバー、トヨタ・トゥルーリ、ルノー・フィジケラ、フェラーリ・シューマッハー兄、マクラーレン・モントヤ。そのモントヤですが、ストレートでシューマッハー兄に並び、1コーナーで見事パスすることに成功します。しかし休養明けでマシンになじんでいないモントヤ、7周目、今度は単独スピンを喫します。幸い360度一回りのスピンであったため、そのまま周回に復帰でき、順位のダウンはありませんでした。
レースは序盤から、トップのライコネンが飛ばす展開。8周目には4秒だったアロンソとの差は、15周目には12秒、そしてライコネンがピットに入る25周目には26秒もの差が開きます。こうしてライコネンはアロンソの前で周回に復帰、1位を守ります。
32周目、2位を走行していたシューマッハー兄がピットイン。上位陣ではもっとも遅く給油する作戦で、給油後は4位に、そのポジションを上げることになります。
40周目、2位を走行してたフィジケラが、フロントノーズを交換するためピットイン、このトラブルにより11位へ後退します。44周目、今度はシューマッハー兄がピットイン、パンクのため左リアタイヤを交換します。そして46周目、シューマッハー兄が再度ピットイン。今度は左フロントタイヤがパンク。このトラブルで、シューマッハー兄はリタイヤとなります。
トップのライコネンは、49周目の2回目のピットストップも無難にこなし、トップでチェッカーを受けます。2位はアロンソ、母国グランプリで2003年の以来の表彰台となります。3-4位はトゥルーリとシューマッハー弟のトヨタ勢が占め、5位はレース終盤、ウエーバーから見事なオーバーテイクを決めたフィジケラが入ります。以下6位ウエーバー、7位モントヤ、8位レッドブル・クルサード、9位フェラーリ・バリチェロ、10位ウィリアムズ・ハイドフェルドの結果となります。
◇感想
ライコネンが自身初となるポール・トゥー・フィニッシュを、完璧な内容で演じ切ったスペイン。表彰台もアロンソ、トゥルーリと、今年元気な3人が占めました。
それにしても、見ていて気の毒なのはシューマッハー兄。調子が上がってきたところで、タイヤトラブルからリタイヤ。チャンピオンの苦悩は、まだまだ続きそうです。
それとBAR。一度は確定した順位が抹消されるのは仕方がないとして、2戦出場停止とは・・・。これは厳し過ぎませんか、FIAさん??(怒)