Round.6 モナコグランプリ
22.May.2005 : モンテカルロ市街地コース


◇予選グリッド

 予選ポールは、3戦連続となるマクラーレン・ライコネン、2位はルノー・アロンソとなります。3位はウィリアムズ・ウエーバー、4位はルノー・フィジケラと、ここ数戦元気のなかった2人がつけます。以下5位トヨタ・トゥルーリ、6位ウィリアムズ・ハイドフェルド、7位レッドブル・クルサード、8位フェラーリ・シューマッハー兄、9位ザウバー・ビルヌーブ、10位フェラーリ・バリチェロとなります。
 なおトヨタ・シューマッハー弟は、予選中のクラッシュによりタイムなしとなり17位から、マクラーレン・モントヤは金曜日のフリー走行での危険行為(ボー・リバージュでの多重クラッシュの原因)により最後尾18位からのスタートとなります。


◇決勝

 スタートでは、ルノー・アロンソが鋭いダッシュを決めますが、マクラーレン・ライコネンがブロック、アロンソを前に行かせません。一方3位のウィリアムズ・ウエーバーは出遅れ、ルノー・フィジケラ、トヨタ・トゥルーリに先行されてしまいます。こうしてオープニングラップはライコネンが制し、以下アロンソ、フィジケラ、トゥルーリ、ウエーバー、ウィリアムズ・ハイドフェルド、レッドブル・クルサード、フェラーリ・シューマッハー兄、ザウバー・マッサ、同ビルヌーブのオーダーとなります。
 トップに立ったライコネンは、アロンソに対し、2周目で1.2秒、4周目で2.1秒と、徐々に引き離しにかかります。しかしアロンソ、フィジケラも粘り、これ以降は2〜3秒間隔で周回を重ねます。一方トゥルーリはやや遅れはじめ、16周目には15秒以上離されてしまいます。
 こうして迎えた24周目、ミナルディー・アルバースが、ミラボーで単独スピンを起こし、コースを完全にふさぐかたちで止まってしまいます。これで割を食ったのがクルサード以下の7位集団。何とか止まったクルサードに、シューマッハー兄が追突。これが原因となり、クルサードはピットに戻ってリタイヤ、シューマッハー兄もフロントウイングを失いピットへと戻ります。
 この事故により、28周目までセフティーカー先導でレースが進みます。リスターを時点でのオーダーはライコネン、トゥルーリ、アロンソ、ウエーバー、ハイドフェルド、マッサ、ビルヌーブ、フィジケラ、フェラーリ・バリチェロ、マクラーレン・モントヤとなります。なお子の時点でライコネン、トゥルーリ、ビルヌーブは給油をすませておらず、1ストップ作戦の可能性が出てきます。39周目トゥルーリがピットイン、しかしコースに戻ったときには、7位集団の大渋滞の一番後ろ、12位になってしまいます。一方トップのライコネンは、45周目にピット作業を行い、そのままトップで周回に戻ります。
 このあたりから、ルノーのアロンソとフィジケラが、極端に遅くなります。それでも抜けないモナコだけに、2〜4位、5位〜10位までが渋滞となります。この状況において、ウィリアムズはピット時期を繰り上げ、57周目にハイドフェルド、58周目にウエーバーをピットに入れます。ここでウエーバーとハイドフェルドの位置が入れ替わり、ハイドフェルドが前に出ます。アロンソに1周余分に頭を抑えられることとなったウエーバーが、損をした勘定となります。
 64周目、5位以下の渋滞の原因となっていたフィジケラに、トゥルーリがローズヘアピンで仕掛けます。インに強引に入り込んだトゥルーリは、完全に縁石に乗り上げる状態で強引にパス、ここで接触を恐れたフィジケラがインを開いた瞬間に、モントヤ、トヨタ・シューマッハー弟、バリチェロ、シューマッハー兄が続けざまにフィジケラをパスしていきます。しかし縁石に乗り上げた時に、アンダートレイを大きくヒットさせたトゥルーリは、ヌーベルシケインの入り口で挙動を未だしシケインをショートカット、そのままシューマッハー兄の後ろまで順位を落としてしまいます。
 これで一旦順位は落ち着いたかに見えましたが、ラスト10周を切った71周目、ヌーベルシケインの飛び込みで、ハイドフェルドがアロンソを捕らえ、見事パスします。続く72周目、同じヌーベルシケインで、今度はウエーバーがアロンソに仕掛けます。シケインをショートカットし、ここでは順位を守ったアロンソでしたが、翌73周目、同じヌーベルシケインで、ついにウエーバーに抜かれてしまいます。
 こうしてライコネンが2連勝を飾り、ハイドフェルド、ウエーバーのウィリアムズ勢が2-3フィニッシュを決めます。4位は6戦連続表彰台を逃したアロンソが入り、以下5位モントヤ、6位シューマッハー弟、7位シューマッハー兄、8位バリチェロ、9位マッサ、10位トゥルーリの結果となります。


◇感想

 ライコネン、速いです。モントヤも復帰後初ポイント、しかも最後尾スタートからのリカバーですから、やはりマクラーレンは速い。一方のルノーは、タイヤの影響か中盤以降伸びを欠き、惨敗に近い状態でした。
 しかしこのモナコで、3度にわたり上位陣のオーバーテイクが見れるとは思いませんでした。ローズでのトゥルーリ、ヌーベルでのハイドフェルド。この二人のオーバーテイクは見事でした。まあトゥルーリの方は車を傷めてしまい、残念な結果になりましたが。でもTVに映ったトヨタメカニックのオーバーテイクの瞬間の画像、これが全てを物語っています。サンマリノ同様、ベストレースのモナコでした。


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