Round.7 ヨーロッパグランプリ
29.May.2005 : ニュルブルクリンク
◇予選グリッド
あまりに不評だった土曜予選と日曜予選の合算タイム方式が、第7戦ヨーロッパグランプリから変更となりました。昨年同様、土曜日のスーパーラップ方式の予選方法に改定となったのです。しかし昨年と違うのは、予選の出走順を決める予選1回目がなくなったこと。前戦のレース結果から逆順に、予選を戦うこととなります。この変更により、今まで以上に完走が重要となることでしょう。
さてその新予選、ポールはウィリアムズ・ハイドフェルド。初ポールを見事地元グランプリで達成しました。2位はマクラーレン・ライコネン。連続ポールは3で途切れることになりました。以下3位ウィリアムズ・ウエーバー、4位トヨタ・トゥルーリ、5位マクラーレン・モントヤ、6位ルノー・アロンソ、7位フェラーリ・バリチェロ、8位トヨタ・シューマッハー弟、9位ルノー・フィジケラ、10位フェラーリ・シューマッハー兄となります。
なお出場停止が解けたBAR勢は、1番目アタッカーの佐藤が16位、2番目アタッカーのバトンが13位と、出走順の不利をもろにかぶった結果となりました。
◇決勝
スタート直前に、ルノー・フィジケラがエンジンストール。再度のフォーメーションラップの後、1周減算の59周で、レースが争われることとなります。なおリスタートの原因を作ったフィジケラは、ピットからのスタートとなります。
仕切りなおしのスタート2回目、マクラーレン・ライコネンが見事なスタートを見せ、1コーナーへ。次いでウィリアムズ・ハイドフェルド、マクラーレン・モントヤが続きます。しかし後続ではアクシデント発生。そのモントヤにウィリアムズ・ウエーバーが接触、ウエーバーはスピンしてグラベルへ。ここでレースを終えます。一方このアクシデントに巻き込まれたのはトヨタ・シューマッハー弟、フェラーリ・バリチェロとシューマッハー兄、BAR佐藤ら。バリチェロ&シューマッハー兄はランオフエリアに逃げてダメージを負うことはありませんでしたが、シューマッハー弟と佐藤は、ノーズを壊し早々にピットへ戻ることとなります。
オープニングラップ、トップはライコネン、次いでハイドフェルド、トヨタ・トゥルーリ、レッドブル・クルサード、ルノー・アロンソ、ザウバー・マッサ、レッドブル・リウッツィ、BAR・バトン、フェラーリ・バリチェロ、ジョーダン・モンテイロのオーダーとなります。
5周目、バリチェロがストレートエンドでバトンに並び、1〜3コーナーにかけて並走する状態になります。最後はバリチェロが競り勝って8位へ。続くフォードコーナーでは、今度はモントヤとバトンが並走状態となり、ダンロップでモントヤが前に出ます。8周目にはまたバリチェロが、今度はリウッツィを最終コーナー手前でパス、勢いに乗ります。同時期、トゥルーリがピットスルー・ペナルティーを受けます。これはスタート15秒を過ぎても、メカニックが車の調整をしていたためで、これにより3位から10位へ順位を落とすこととなります。
11周目、先陣を切ってバリチェロがピットイン、7秒程度の短い給油でレースに復帰します。翌12周目、ハイドフェルドもピットに入ります。どうやらこの2人は、3ストップ作戦を選択した模様です。
18周目、トップのライコネンがピットイン、3位で周回に復帰します。19周目、リウッツィとモントヤが同時ピットイン、この作業でモントヤがリウッツィを逆転します。23周目、暫定トップのアロンソがピットインします。その後クルサードがピットイン。クルサードは20周目に給油を済ませていますが、その際にピットレーン速度違反があり、ピットスルーペナルティーを科せられたのです。これでクルサードは表彰台圏内から脱落します。
各車1回目のピット作業を終えた24周時点での順位は、ライコネン、ハイドフェルド、アロンソ、バリチェロ、クルサード、マッサ、シューマッハー兄、モントヤ、リウッツィ、トゥルーリとなります。
30周目、それまで快調にトップを独走していたライコネンが単独スピン、マシンに大きなダメージはなかったものの、ハイドフェルドに先行されてしまいます。しかしそのハイドフェルドも翌31周目に2回目のピットストップを行い、ライコネンが再びトップに上がります。
その後40周から50周にかけて、各車2回目〜3回目のピット作業を行います。51周目の順位は、ライコネン、アロンソ、ハイドフェルド、バリチェロ、クルサード、シューマッハー兄、モントヤ、マッサ、トゥルーリ、リウッツィとなります。しかしトップのライコネンは、右フロントタイヤの異常磨耗により、激しい振動に悩まされながらのトップ走行となります。タイヤトラブルはライコネン以外にも発生しており、55周目には、マッサが左フロントをパンクさせスローダウン。そのゴムの切れカスが、シューマッハー兄のフロントウイング翼端板を破壊するおまけもつきます。マッサはタイヤ交換のためにピットに戻り、入賞圏内から脱落します。
ファイナルラップ。異常振動に耐え、トップを守っていたライコネンでしたが、ここでサスペンションが悲鳴を上げます。1コーナー進入のブレーキングで、右フロントのウイッシュボーンが破断、ライコネンはスピンしながらグラベルに突っ込み、そこでリタイヤとなります。
ファイナルラップのアクシデント、劇的な幕切れでアロンソが今期4勝目を上げ、ハイドフェルドは連続の2位、そしてバリチェロが開幕戦以来の3位でフィニッシュします。以下4位クルサード、5位シューマッハー兄、6位フィジケラ、7位モントヤ、8位トゥルーリ、9位リウッツィ、10位バトンの結果となります。
◇感想
シーズン途中の予選方式変更。変更前が酷かったから、変更後がよく見える罠(笑)。しかしなぁ、スーパーラップは良いとして、やはりパルクフェルメ規定(予選終了から決勝まで、セットアップの変更や給油ができないルール)が諸悪の根源のような・・・。
レースを振り返ってみると、ライコネンの無念のリタイヤに尽きますね。10ポイントを目前にしてのノーポイント。これは選手権を戦う上で非常に厳しい。一方嬉しいのはハイドフェルドの活躍。ザウバー時代から応援していただけに、連続表彰台は嬉しいです。エースドライバーのウエーバーを、完全に食う勢い。今シーズン中の初優勝を、期待しても良いかな?