Round.12 ドイツグランプリ
24.Jul.2005 :ホッケンハイムリンク
◇予選グリッド
予選ポールはマクラーレン・ライコネン。2位にはBAR・バトンが来ます。3位はルノー・アロンソ、4位は同フィジケラとなります。以下5位フェラーリ・シューマッハー兄、6位ウィリアムズ・ウエーバー、7位同ハイドフェルド、8位BAR・佐藤、9位トヨタ・トゥルーリ、10位レッドブル・クリエンとなります。なお最終アタッカーのマクラーレン・モントヤは、トップタイムを刻みながらも最終コーナーでスピンしタイヤバリアに激突、スタートは最後尾からとなります。
◇決勝
スタートではBAR・バトン、ルノー・フィジケラら、ダスティーな偶数列スタートのマシンが軒並み順位を下げてしまいます。このためマクラーレン・ライコネン、ルノー・アロンソ、フェラーリ・シューマッハー兄が先行することとなります。そしてパラボリカを過ぎたヘアピンで、フィジケラにBAR・佐藤が追突、またウィリアムズ・ウエーバーやトヨタ・トゥルーリも接触などでダメージを負い、これら3人は早々にピットインを余儀なくされます。
波乱含みのオープニングラップは、ライコネンが制し、アロンソ、シューマッハー兄、バトン、ウィリアムズ・ハイドフェルド、レッドブル・クルサード、ザウバー・マッサ、フィジケラがこれに続きます。なおこの時点で、最後尾スタートのマクラーレン・モントヤは、11位まで順位を上げてきます。
レースはライコネンがアロンソを、じわりじわりと引き離していく展開となります。この差は3周目には2秒、12周目には5秒、18周目には8秒と、ゆっくりと、ですが確実に開いていきます。22周目にアロンソ、25周目にライコネンがそれそれピット作業を行い、27周目に上位陣では最後となるモントヤがピット作業を終え、この時点での順位はライコネン、アロンソ、シューマッハー兄、バトン、モントヤ、フィジケラ、クルサード、トヨタ・シューマッハー弟となります。順調に後続を引き離していたライコネンですが、35周目のパラボリカで突然スローダウン、そのままコース上にマシンを止めてしまいます。ライコネンの痛恨のリタイヤで、アロンソが難なくトップに立ちます。順位交代は、この後も続きます。30周あたりからシューマッハー兄とバトンの差が1秒を切るようになり、44周目のパラボリカのエンドで、バトンがシューマッハー兄のインに飛びこみ、見事これをパス、順位を2位に上げます。しかしバトンの2位もつかの間でした。46周目、バトンがピットに入り、49周目、シューマッハー兄もこれに続きます。しかしこの時点で4位にまで順位を上げていたモントヤは、56周まで周回を引っ張り、ピット作業が終わった時点で、シューマッハー兄だけでなく、バトンまでもかわすことに成功したのです。こうして56周目のオーダーは、アロンソ、モントヤ、バトン、シューマッハー兄、フィジケラ、シューマッハー弟、クルサード、マッサとなります。しかし今年のドイツはまだ終わりません。58周目、シューマッハー兄とフィジケラの差は1秒まで縮まり、62周目にはパラボリカエンドで一瞬並びかけます。このバトルは最終ラップ67周目まで続き、ついにパラボリカエンドでフィジケラがシューマッハー兄を捕らえ、オーバーテイクに成功します。こうしてアロンソが今期6回目の優勝を飾り、鬼神の追い上げを見せたモントヤが2位に、そしてバトンが今期初の3位表彰台をBARにもたらします。以下4位フィジケラ、5位シューマッハー兄、6位シューマッハー弟、7位クルサード、8位マッサ、9位レッドブル・クリエン、10位フェラーリ・バリチェロの結果となります。
◇感想
勝てるレースをみすみす失ったマクラーレン。モントヤの予選での失敗は、スーパーラップ方式の予選では仕方がないとしても、マシントラブルで戦列を去ったライコネンは実にもったいない。あるいはルノーとの差を一気に詰める1-2フィニッシュも可能だった速さだけに、残念でなりません。
ホッケンハイムの森には魔物が住む。かつて言われた悲劇は、今年6年ぶりにその牙をむきました。1999年の相手は、同じシルバーアローを駆るハッキネンでした・・・・