Round.13 ハンガリーグランプリ
31.Jul.2005 :ハンガロリンク
◇予選グリッド
予選は、フェラーリ・シューマッハー兄が今期初ポールを、圧倒的速さで勝ち取ります。2位はマクラーレン・モントヤ、3位はトヨタ・トゥルーリとなります。4位は前戦リタイヤにより1番手出走だったライコネンが入ります。5位にはトヨタ・シューマッハー弟が入り、6位にはルノー・アロンソが入ります。予選最終コーナーの立ち上がりで、タイヤをダートに落とすという痛恨のミスが響きました。以下7位フェラーリ・バリチェロ、8位BAR・バトン、9位ルノー・フィジケラ、10位BAR・佐藤となります。
◇決勝
スタート、1コーナー進入でアクシデントが多発します。こともあろうにポイントリーダーのルノー・アロンソが、トヨタ・シューマッハー弟と接触してしまいます。この接触で、アロンソはフロントウイングを引きずる形となます。またザウバーに接触したレッドブル・クリエンは、タイヤに乗り上げるかたちで弾かれ、横転してグラベルに止まるという事故に見舞われます。一方同僚のクルサードも、思わぬところでアクシデントに見舞われます。アロンソが引きずっていたフロントウイングが、コース中央に脱落、こともあろうにクルサードがこれを踏んでしまったのです。一瞬にして左フロントサスペンションが破壊され、スピンしながらコースを横断、そのままリタイヤとなります。幸いクリエンにもクルサードにも怪我はなく、不幸中の幸いだったといえますが、レッドブルのレースは、わずか1周で終了してしまいます。
レース序盤は、フェラーリ・シューマッハー兄にマクラーレン・ライコネンが1秒差で続き、やや離れてマクラーレン・モントヤがこれを追う展開となります。以下トヨタ・トゥルーリ、同シューマッハー弟、BAR・バトン、同佐藤、ウィリアムズ・ハイドフェルド、ルノー・フィジケラ、ザウバー・マッサのオーダーで、10周まで周回が重ねられます。
11周目、まずライコネンがピットに入り、15周目にシューマッハー兄がピットに入ります。ここではシューマッハー兄が順位を守りモントヤ、シューマッハー兄、ライコネンのオーダーになります。一方のモントヤは22周目にピットイン、これによりシューマッハー兄、ライコネン、モントヤとオーダーが入れ替わります。そして36周目、今度はシューマッハー兄が先にピットに入り、翌37周目にライコネンがピットに入ります。ここでマクラーレンはショートストップに切り替え、5.7秒の給油時間でライコネンを送り出します。この采配が見事あたり、シューマッハー兄の前でコースに復帰することに成功します。ここからライコネンは鬼神の走りを見せ、見る見るシューマッハー兄との差を広げにかかります。モントヤも快調に飛ばし、マクラーレンの1-2がほぼ確実になったと思わせた矢先の40周目、トップのモントヤがスローダウン、ピットにたどり着いた後リタイヤとなります。この時点での順位は、ライコネン、シューマッハー兄、シューマッハー弟、トゥルーリ、バトン、ハイドフェルド、佐藤、ルノー・フィジケラ、ウィリアムズ・ウエーバー、フェラーリ・バリチェロとなります。
47周目、ライコネンが3回目のピットストップを行います。しかしこの時点で2位シューマッハー兄とのタイム差は27秒もの大差となっており、1位で周回に復帰します。
レース終盤は、シューマッハー兄とシューマッハー弟の2位争いが熾烈となります。57周目、最後のピット作業を終えたシューマッハー兄は、すでに54周目にピット作業を終えていたシューマッハー弟の前で周回に復帰します。しかしリアタイヤの磨耗が激しいシューマッハー兄に対し、シューマッハー弟が急接近、ラスト10周の間、1秒を切るタイム差での周回となります。しかしシューマッハー兄は、最後まで付け入る隙を与えず、このまま終幕となります。こうしてライコネンが、タイトル争いに希望をつなぐ優勝を果たし、2位にはシューマッハー兄、3位にはシューマッハー弟が入り、兄弟ポディウムを達成します。以下4位トゥルーリ、5位バトン、6位ハイドフェルド、7位ウエーバー、8位佐藤、9位フィジケラ、10位マッサの結果となります。なおポイントリーダーのアロンソはまさかの11位、完走はしたもののノーポイントに終わります。
◇感想
ライコネンの10ポイント、アロンソの0ポイントで、ドライバーズポイントの差は26ポイントに縮まりました。逆の結果であれば、次戦トルコでタイトルが決定する可能性もあっただけに、ライコネンは土俵際残ったという感じ。一方マクラーレンの信頼性不足は相変わらず。コンストラクターズを一気につめるチャンスだったのにもったいない。
マッサのフェラーリ入りが発表となり、バリチェロが放出決定。そのバリチェロはBARに入るとのもっぱらの噂。バトンのサインがどうなるかによりますが、佐藤のポジションが危ういことになりそうです。そういう意味では、佐藤がようやく今期初ポイントを上げたことに安堵。