Round.14 トルコグランプリ
21.Aug.2005 :イスタンブールパーク


◇予選グリッド

 予選は、マクラーレン・ライコネンが今期5回目のポールを決め、2位にはルノー・フィジケラが開幕戦以来となるフロントローを獲得します。3位は同・アロンソ、4位にはマクラーレン・モントヤと、マクラーレンvsルノーの直接対決の様相となります。5位にはトヨタ・トゥルーリが入り、6位7位にはウィリアムズ勢、ハイドフェルドとウエーバーが入ります。以下8位ザウバー・マッサ、9位トヨタ・シューマッハー弟、10位レッドブル・クリエンの結果となります。
 なおBAR・バトンと佐藤は、ターン8でコースオフのため順位を落とし、バトン13位、佐藤14位となります。なお佐藤は、アタック後の周回においてウエーバーの進路を妨害したとのことで、予選タイム抹消のペナルティーを受け、最後尾からのスタートとなります。なお佐藤の前には、フェラーリ・シューマッハー兄という、異色のスターティンググリッドとなります(シューマッハー兄は、ターン8でスピン、タイムなしに加えエンジン交換のため19位スタート)。


◇決勝

 スタートでは、ルノー・フィジケラがダッシュを見せ、僅差で1コーナーをトップで通過します。2位はマクラーレン・ライコネン、そして3位は、ややライコネンにブロックされる形で出遅れた、ルノー・アロンソが続きます。しかし後方ではいつもの混乱が発生します。ザウバー・マッサとウィリアム・ハイドフェルドが接触、マッサはフロントウイングを失い、またハイドフェルドもスピンを喫します。この混乱に巻き込まれたトヨタ・シューマッハー弟もコースオフ、順位を大きく下げてしまいます。そしてターン8。トップのフィジケラがコーナーで膨らみ、ダートにタイヤを落とした隙を、ライコネンが見事捕らえ、続くバックストレッチでパス、トップでコントロールに戻ってきます。2周目、同じくバックストレッチエンドで、今度はアロンソがフィジケラをパス、こうしてライコネン、アロンソ、フィジケラ、モントヤ、トゥルーリ、ハイドフェルド、レッドブル・クリエン、同クルサード、ウエーバー、フェラーリ・バリチェロのオーダーとなります。
 レース序盤、もっともパフォーマンスを示したのは、BAR・バトンとなります。バトンはまず3周目にフェラーリ・シューマッハー兄をパスし、翌周にはフェラーリ・バリチェロもパスします。そして5周目、右リアタイヤをバーストさせたウエーバーを攻略し、9周目にはレッドブル・クルサードを、さらにその翌周にはレッドブル・クリエンもパスします。こうしてわずか10周の間に、7台を抜き去り7位まで順位を上げます。
 13周目、アロンソがピットイン、翌14周目、フィジケラもこれに続きます。同じ14周目、バックストレッチエンドでウエーバーがシューマッハー兄に仕掛け、横に並びます。しかしここで両者接触しスピンアウト。仲良くピットへと向かいます。しかし16周目、再びシューマッハー兄がピットイン。ここで車をガレージに入れてしまいます(その後33周目にリスタート)。
 マクラーレン勢が給油を行ったのは、ルノー勢に遅れること7周後となります。まず21周目にモントヤが入り、22周目にはライコネンが入ります。なおモントヤは、給油リグが抜ける前にスタートをしてしまい、メカニックをはねてしまうアクシデントが発生します。
 29周目、ピットスタートを選択し、レース開始直後に給油を行っていた佐藤が、ピットに入ります。ここまで順位を7位にまで上げてた佐藤でしたが、ここで残りレースを走り切れるだけの燃料を補給し、10位でレースに復帰します。
 34周目から2回目のピット作業がはじまり、34周アロンソ、36周フィジケラ、41周モントヤ、44周ライコネンと、それぞれ給油を行います。47周目、最後にバトンが給油を行い、この時点でのオーダーは、ライコネン、モントヤ、アロンソ、フィジケラ、トゥルーリ、バトン、クルサード、クリエン、佐藤、バリチェロとなります。
 マクラーレンの1-2が磐石と思われた55周目、バックストレッチエンドのブレーキングで、ジョーダン・モンテイロがモントヤに追突、モントヤはスピンを喫し、かろうじて2位をキープしたものの、12秒程度あったアロンソとの差がほぼなくなってしまいます。そして56周目、モントヤが今度はターン8で痛恨のコースオフ、アロンソを前に出してしまいます。こうして58周のレースは幕を閉じ、優勝ライコネン、2位アロンソ、3位モントヤのポディウムとなります。以下4位フィジケラ、5位バトン、6位トゥルーリ、7位クルサード、8位クリエン、9位佐藤、10位バリチェロとなります。



◇感想

 ライコネン2連勝。これでタイトルに望みをつなぐ結果となりました。しかしモントヤのスピンが痛い。最小得点差に抑えたアロンソのタイトル獲得は、これでまた近づいたといえるでしょう。
 一方無残はフェラーリ。なんというか、98年のウィリアムズを見ているようで、涙すら誘います(96年デイモン・ヒル、97年ジャック・ビルヌーブと2年連続でタイトルを獲得したウィリアムズは、98年はなんと1勝もできずにシーズンを終わりました)。
 佐藤はね、がんばったんだけど結果が伴わず。バリチェロのBAR移籍が決定したため、佐藤の来期のシートはより厳しくなりました。がんばれ佐藤!!


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