Round.16 ベルギーグランプリ
11.Sep.2005 :スパ・フランコルシャン


◇予選グリッド

 予選トップは、マクラーレン・モントヤ。2位には同ライコネンが入り、マクラーレンの1-2となります。3位にはルノー・フィジケラが入りますが、予選前にエンジン交換をしているため、13位スタートとなります。以下4位トヨタ・トゥルーリ、5位ルノー・アロンソ、6位トヨタ・シューマッハー弟、7位フェラーリ・シューマッハー兄、8位ザウバー・マッサ、9位BAR・バトン、10位ウィリアムズ・ウエーバーとなります。
 BAR・佐藤は予選11位、決勝は10番グリッドよりの出走となります。


◇決勝

 天候は曇り、路面はウエットというコンディションで迎えた決勝、ピットスタートを選んだミナルディーの2台を除き、各車一斉のスタートとなります。名物となった1コーナーでのクラッシュもなく、大きな混乱がないままオープニングラップを終わり、トップはマクラーレン・モントヤ、次いで同ライコネンが続き、以下トヨタ・トゥルーリ、ルノー・アロンソ、フェラーリ・シューマッハー兄、BAR・佐藤、同バトン、トヨタ・シューマッハー弟、ザウバー・マッサ、ウィリアムズ・ウエーバーのオーダーとなります。
 序盤、モントヤ、ライコネンが3位以下を引き離す一方、ルノー・フィジケラの躍進が目立ちます。2周目のスタブロでウィリアムズ・ウエーバーをパス、5周目にはオー・ルージュ手前でレッドブル・クルサードをパスし、その後も7周目マッサ、9周目バトンを相次いでパス、13位スタートから7位まで順位を上げます。しかし好事魔多し、10周目にオー・ルージュでバランスを崩しハーフスピン、そのままの体勢でコースを滑り路外のタイヤバリアへ激突、あっけなくリタイヤとなります。
 この事故によりセフティーカー導入となり、各車一斉にピットへと向かいます。この結果、トップ・モントヤ、次いでピット作業を行わなかったザウバー・ビルヌーブ、シューマッハー弟、ライコネン、アロンソ、トゥルーリ、シューマッハー兄、佐藤、マッサ、クルサードのオーダーとなります。しかし翌周、BARの佐藤とバトンは再度ピットイン。1回目はドライに履き替えたタイヤを、もう一度ウエットに戻します。こうして13周目の再スタートとなりますが、1コーナーで佐藤がシューマッハー兄に追突、両者リタイヤとなります。なおこのアクシデントの原因を作ったとして、佐藤は次戦ブラジルで、10グリッド降格のペナルティーとなります。
 序盤の主役がフィジケラならば、中盤の主役はシューマッハー弟でした。リスタートにてビルヌーブをかわし2位に上がったシューマッハー弟は、そのままモントヤに急接近、1秒を切るタイムで追走します。このまま10周近く、モントヤをシューマッハー弟が追う展開が続きますが、オーバーテイクには至りません。そして24周目、トヨタが賭けに出ます。シューマッハー弟をピットに戻し、給油とドライタイヤへの交換を行ったのです。しかしこの判断は早きに失しました。メインストレートあたりのレコードラインは乾いていても、まだマウンテンセクションではドライは無理だったのです。こうしてスピンオフを喫したシューマッハー弟は、1周してピットイン、再度ウエットに履き替えてコースに出て行きます。
 これで楽になったモントヤとライコネンは、後続を大きく引き離し、周回を続けます。29周目から35周目にかけて、多くのチームが2回目のピット作業を行います。ここでドライを選ぶチームと、引き続きウエットを選ぶチームと判断が分かれますが、結局正解はウエット。ウエットを選択したチームが上位に入ります。
 レース終盤、ここからはバトンの活躍が光ります。まず36周目、バスストップシケインでウエーバーをパス、38周目には同じくバスストップでフェラーリ・バリチェロをパスします。40周目、そのバリチェロがピットイン、タイヤ交換により順位を一つ落とします。そして同じ周、なんとモントヤにウィリアムズ・ピッツォニアが追突、両者リタイヤとなります。モントヤはウエットタイヤ、ピッツォニアはドライタイヤ。この時点になるとドライタイヤのほうが路面にあっていたが故のアクシデントでした。
 こうしてライコネンが優勝を飾り、アロンソがタナボタともいえる2位を獲得、3位はアロンソまで数秒まで詰めながら、わずかにとどかなかったバトンが入ります。以下4位ウエーバー、5位バリチェロ、6位ビルヌーブ、7位シューマッハー弟、そしてジョーダン・モンテイロが8位に入り、荒れたベルギーグランプリは幕を閉じます。



◇感想

 琢磨ぁ〜〜〜〜。結構ショックな内容でした。琢磨がシューマッハー兄にぶつからなければ、あるいはセフティーカー直後のピット作業でチームがウエットタイヤを選択していれば・・・佐藤2位、バトン3位もあったかも知れません。
 そしてもう一つ、シューマッハー弟。これも惜しかった。チームは果敢にもドライを選び、結局それが失敗したわけですが、そのままウエットを履かせていたら、トヨタ初優勝もありだったかもしれません。
 タラレバ言ってもしょうがないですが、ほんとに惜しかったベルギーでした。


[ Back ]