Round.17 ブラジルグランプリ
25.Sep.2005 : アウトードロモ・ホセ・カルロス・パーチェ


◇予選グリッド

 予選トップは、チャンピオンに王手をかけているルノー・アロンソ、2位はマクラーレン・モントヤが入ります。しかし3位にはルノー・フィジケラが入り、アロンソを支援する絶好のポジションを獲得します。4位はBAR・バトン、ライコネンは痛恨のタイヤロックにより、予選5位と出遅れてしまいます。以下6位レッドブル・クリエン、7位フェラーリ・シューマッハー兄、8位トヨタ・トゥルーリ、9位ザウバー・マッサ、10位フェラーリ・バリチェロとなります。
 なお予選8位のトゥルーリは、エンジン交換のため10グリッド降格となります。また前戦ベルギーでのペナルティーにより、10グリッド降格が決まっていたBAR・佐藤は、アッタックをせずに最後尾スタートとなります。


◇決勝

 予選後にセッティングを変更したため、ザウバー・ビルヌーブがピットスタートとなった決勝、まずはルノー・アロンソ、マクラーレン・モントヤが順当なスタートを切り、ついでルノー・フィジケラ、マクラーレン・ライコネン、フェラーリ・シューマッハー兄と1コーナーに続きます。しかし伸びを欠くフィジケラは、続くバックストレッチでライコネンにパスされ、次いでシューマッハー兄にも先行されてしまいます。しかし1コーナーでウィリアムズ・ピッツォニアがクラッシュ、この処理のためにセフティーカーが入ります。なおこの事故で、レッドブル・クルサードがピッツォニアとともにリタイヤ、ウィリアムズ・ウエーバーも深刻なダメージを負い、ガレージで長い修理を受けることとなります。
 2周目、レースがリスタートとなり、1コーナーの侵入でフィジケラがシューマッハー兄をパス、4位へ再浮上します。またバックストレッチでは、モントヤがアロンソとサイド・バイ・サイドになり、4コーナー入り口で見事パス、こうしてモントヤ、アロンソ、ライコネン、フィジケラ、シューマッハー兄、BAR・バトン、レッドブル・クリエン、フェラーリ・バリチェロ、トヨタ・シューマッハー弟、ザウバー・マッサのオーダーとなります。
 その後レースは小康状態となり、17周目、マッサのピットインから1回目の給油が始まります。上位では22周目にアロンソが、23周目にはフィジケラがピットに入ります。一方、シューマッハー兄は26周目、モントヤは28周目、ライコネンは31周目に給油を行います。このロングスティント戦略がズバリはまり、ライコネンはアロンソをかわして2位へ、シューマッハー兄はフィジケラをかわして4位へ、それぞれ順位を上げることに成功します。
 その後もレースは淡々と続き、44周目の1コーナーで、バリチェロがバトンをかわし6位へ上がった以外、大きな変化は生じません。そして48周目のアロンソを皮切りに、2回目のピットストップが始まります。しかしここでも順位の変動はなく、ライコネン、モントヤ、アロンソ、シューマッハー兄、フィジケラ、バリチェロ、バトン、シューマッハー弟、クリエン、そして1ストップのBAR・佐藤というオーダーで固まりつつあります。
 58周目、それまで新人の開幕戦からの連続感想記録を塗り替えていた、ジョーダン・モンテイロがスロー、そのままリタイヤとなります。記録は16戦で途絶えてしまいますが、大記録には違いありません。その翌周、それまでトップのライコネンがピットイン、モントヤの直後2位で周回に復帰します。この後マクラーレンの2台によるランデブー走行が続き、このままチェッカー。3位にはアロンソが入り、ここにF1史上最年少のワールドチャンピオンが誕生したのです。以下4位シューマッハー兄、5位フィジケラ、6位バリチェロ、7位バトン、8位シューマッハー弟、9位クリエン、10位佐藤の結果となります。


◇感想

 アロンソが危なげないレース運びで3位に入り、ドライバーズタイトルを見事獲得しました。エマーソン・フィッティバルディーの最年少チャンピオン記録を33年ぶりに更新する、見事な新チャンピオン誕生の瞬間です。フィッティバルディーの25歳273日を2年近く縮める24歳58日は、大記録としてF1史上に燦然と輝くことでしょう。
 そして記録といえばもう一人。ジョーダンのモンテイロが、新人連続感想記録を16まで伸ばし、記録保持者となりました。普段は日に当たらないチームでの、見事な記録に乾杯。でも4、5年前は今のBARみたいなポジションにいたチームだったのに・・・・。


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