Round.19 中国グランプリ
16.Oct.2005 : 上海・インターナショナル・サーキット


◇予選グリッド

 予選トップはルノー勢、アロンソ、フィジケラでフロントローを固め、コンストラクターズ獲得に万全の体制を築きます。3位はマクラーレン・ライコネン、4位はBAR・バトン、5位はマクラーレン・モントヤとなり、マクラーレンもタイトル逆転に望みをつなぎます。以下6位フェラーリ・シューマッハー兄、7位レッドブル・クルサード、8位フェラーリ・バリチェロ、9位トヨタ・シューマッハー弟、10位ウィリアムズ・ウエーバーとなります。
 なおBAR・佐藤は、前戦失格により不利な一番手アタッカーとなり、17位に沈んでいます。


◇決勝

 スタート直前、ダミーグリッドに付く周回で、なんとフェラーリ・シューマッハー兄とミナルディー・アルバースが接触、シューマッハー兄はT-カーに乗り換え、ピットからのスタートとなります。
 スタートでは、ルノー勢が好ダッシュを決め、アロンソが逃げを、フィジケラが後続を押さえ込む、理想的な展開に持ち込みます。3位以下はマクラーレン・ライコネン、同モントヤ、BAR・バトン、レッドブル・クルサード、フェラーリ・バリチェロ、トヨタ・シューマッハー弟、ウィリアムズ・ウエーバー、トヨタ・トゥルーリというオーダーでオープニングラップを終えます。なおBAR・佐藤はスタートで12位まで順位を上げますが、ジャンプスタートの判定を受け、4周目にドライブするーペナルティーを受けます
 レースはアロンソが逃げ、フィジケラが後続を抑える展開で進みます。そして2周目には早くも2秒、10周目には10秒ものアドバンテージを、アロンソは築きます。しかし17周目、モントヤが縁石脇の排水溝のフタを踏みバースト、これが原因でセフティーカーが入り、アロンソのマージンはなくなります。セフティーカーは22周までレースを先導しますが、この間各車給油を行い、リスタートに備えます。しかしここで前車に近づきすぎたシューマッハー兄が急ブレーキ、単独スピンを喫しリタイヤするという事態が発生します。
 23周目のレースが再開、この時点でのオーダーは、アロンソ、フィジケラ、ライコネン、バリチェロ、シューマッハー弟、ザウバー・マッサ、ウエーバー、バトン、クルサード、レッドブル・クリエンとなります。ここでモントヤがピットに戻りリタイヤ。排水溝のフタにヒットした際、タイヤだけでなく、サスペンションとラジエターも痛めていた模様です。
 しかしこのオーダーでの周回も、長くは続きません。29周目、今度はバックストレート入り口で、ジョーダン・カーティケヤンがバランスを崩し、アウト側のタイヤバリアに激しく激突、マシンはリバウンドでコース中央まで戻されます。この処理のため、再度セフティーカーが入ります。ここでも各車一斉にピットに入り、レースはスプリントレースの様相を呈してきます。
 33周目、アロンソ、シューマッハー弟、マッサ、クリエン、ライコネン、フィジケラ、バリチェロ、佐藤、ウエーバー、ジョーダン・モンテイロのオーダーで、レースが再開されます。しかしここで佐藤がスローダウン、リタイヤとなります。
 40周目、ウエーバーが最終コーナーでバリチェロに仕掛け、サイド・バイ・サイドでコーナーへ突入します。ここはバリチェロがキープしますが、その後44周目まで、激しいバトルが続きます。そして44周目のバックストレートエンド、ここでバリチェロが痛恨のオーバーラン、ウエーバーとバトンに先行されてしまいます。バリチェロはこのオーバーランがたたって、45周目にはクルサードにも抜かれ、直後ピットへ入ったこともあり、ポイント圏外へ後退してしまいます。
 44周目、マッサが給油を行い、次いで45周目にはクリエン、47周目にはシューマッハー弟と、2回目のセフティーカー導入時に、ピットに入らなかったマシンの給油が続きます。この結果オーダーは、アロンソ、ライコネン、フィジケラ、シューマッハー弟、クリエン、マッサ、ウエーバー、バトン、クルサード、ザウバー・ビルヌーブとなります。しかしここで、フィジケラにペナルティーが科せられます。ピットレーン入り口で、ライコネンをブロックしたため、ドライブスルーペナルティーを受けたのです。このため52周目にピットに入ったフィジケラでしたが、ペナルティー確定直後からの猛アタックが功を奏し、シューマッハー弟の後ろ、4位で周回に復帰します。その後シューマッハー弟の差を詰めますが、残り4周では如何ともし難く、結局このままチェッカーを迎えます。
 こうして56周のレースを終え、アロンソが優勝、ライコネンが2位、シューマッハー弟が3位というポディウムになりました。以下4位フィジケラ、5位クリエン、6位マッサ、7位ウエーバー、8位バトン、9位クルサード、10位ビルヌーブの順位となり、ここにルノーのドライバーズ・コンストラクターズのダブルタイトルが確定しました。


◇感想

 長かった2005年F1も、このレースで終わりです。アロンソが最年少ワールドチャンピオンとなり、ルノーがオールルノーとしては初のタイトルを獲得。一方のマクラーレンは、最後までトラブルに泣き、両タイトルを失うこととなりました。
 しかし・・・年間19戦はやっぱりに多いですね。おかげでレビューを書くのも遅れがちになり、最後の3戦は仕事の忙しさとあいまって、なんか駆け足状態に(笑)。ともあれ、お付き合いくださいました皆様、ありがとうございます。
 来年はV8エンジン規制という、大きなレギュレーション変更があります。巷では、インディーやカートでV8エンジンの実績を持つトヨタやホンダが有利との見方もあります。これにより、再び大きな勢力変更があるかもしれませんね。
 では、また来年!


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