Round.1 バーレーングランプリ
12.Mar.2006 : バーレーン・インターナショナル・サーキット
◇予選グリッド
昨年に引き続き、今年も大きなレギュレーション変更がありました。
大きな変更点は三つ。一つ、エンジン。今期よりエンジンは、8気筒2.4L/バンク角90度のみとなりました(特例としてV10エンジンにレブリミッターをつける暫定処置が、資金力に乏しい下位チームに認められています)。
一つ、予選。昨年までは予選は1台づつ順番にアタックするスーパーラップ方式としていましたが、今期からは各車入り乱れての時間制予選が復活しました。しかし時間を15分/15分/20分と3つのピリオドに区切り、遅い順に6台が、次のピリオドに進めなくなる、ノックアウト方式となりました。
一つタイヤ。パルクフェルメルールが変更となり、予選後タイヤ交換が許されるようになりました。またレース中のタイヤ交換も復活しました。使えるタイヤ本数は、フリー走行・予選・決勝を通して7セットまでとなり、タイヤを決めるリミットが、金曜日フリー走行後から、土曜日予選前に変更となりました。
こうして迎えた新シーズン。予選トップはフェラーリ・シューマッハー兄。セナと並ぶ65回目のポールポジションを奪い、復活を大きく印象付けました。2位はフェラーリ・マッサ。初のフロント・ローから初表彰台を狙います。3位はホンダ・バトン、以下4位ルノー・マッサ、5位マクラーレン・モントヤ、6位ホンダ・バリチェロ、7位ウィリアムズ・ウエーバー、8位レッドブル・クリエン、9位ルノー・フィジケラ、10位ザウバーBMB・ハイドフェルドとなります。
なおマクラーレン・ライコネンは、予選第1ピリオドに、右リアサスペンションアームが破談、そのままクラッシュしノータイムとなりました。また話題のスーパーアグリ、佐藤、井出両選手は予選20位、21位となりました。
◇決勝
スタートでは、フェラーリ・マッサが大きく車線を変更し、ルノー・アロンソを牽制、その隙にフェラーリ・シューマッハー兄が1コーナーに飛び込みます。しかしそこは王者アロンソ、ショートストレートのエンド・ターン4でマッサを攻略、こうしてオープニングラップは、シューマッハー、アロンソ、マッサ、マクラーレン・モントヤ、ホンダ・バリチェロ、同バトン、ルノー・フィジケラ、ウィリアムズ・ウエーバーとなります。
7周目、ストレートエンドで、マッサがアロンソのインをつきますが、これはさすがにオーバースピードで、コーナーで止まりきれずにアロンソの目前でスピンオフ。アロンソは減速して難を逃れますが、マッサはモントヤ、バトンに先行され5位にドロップしてしまいます。そしてダメージを受けたタイヤを交換するため、ルーチンより早めのピットに向かったマッサでしたが、そこで右リアタイヤが外れないトラブルが発生し、50秒余りの時間を費やすこととなり、入賞圏内から脱落します。
10周目、ストレートエンドでバトンがモントヤに並び、ターン1で前に出ます。モントヤもターン2、3でクロスラインを取り粘りますが、ホンダのストレートスピードにかなわず後退します。
21周目、フィジケラがスローダウン、ミッドランド・アルバースに次ぐ2台目のリタイヤとなります。そして30周目、ザウバーBMW・ビルヌーブのエンジンがブロー、車体後部から炎を上げてストップします。
36周目、シューマッハー兄が2回目のピットストップを行い、39周目、アロンソがこれに続きます。そしてピット出口でサイド・バイ・サイドになり、そのままターン1へ。しかし勝ったのはアロンソ。ピット出口がイン側にあったのが幸いした結果となりました。
レース終盤、残り10周前後で、ウィリアムズ・ロズベルグが、見事な追い上げを見せます。48周目、レッドブル・クルサードをパスし、入賞圏の8位へ、また55周目、レッドブル・クリエンをパスし7位へ順位を上げます。
こうしてアロンソが優勝、2位シューマッハー兄となり、3位には最後尾から1ストップ作戦で追い上げたマクラーレン・ライコネンが入ります。以下4位ホンダ・バトン、5位モントヤ、6位ウエーバー、7位ロズベルグ、8位クリエン、9位マッサ、10位クルサードの順位となります。
なおスーパーアグリの佐藤は18位完走、井出は20周目にトラブルでガレージに入ったものの、修理して戦線に復帰しますが、46周目にリタイヤとなりました。
◇感想
エンジンがV10からV8に変わり、また排気量も300ccから2400ccに減少し、F1本来のスピード感が損なわれるか心配でした。タイム的に言うと、昨年のファステスト1'31"447に対し、今年は1'32"408と、ちょうど1秒落ち。最高速度は昨年の337.7km/hに対し、今年は311.6km/hと25km/hの減少。これを見るに確かにストレート速度は遅くなっているのですが、コーナーリング速度はほとんど変わっておらず、コーナー飛び込みの迫力は損なわれていませんでした。 まだまだF1ファンでいられそうです。