Round.4 サンマリノグランプリ
23.Apr.2006 : アウトードロモ・エンツォ・エ・ディノ・フェラーリ
◇予選グリッド
予選ポールは、フェラーリ・シューマッハー兄。セナの65回ポールを上回る66回目のポールを奪います。2位はバトン、3位はバリチェロとホンダ勢が後に続きます。以下4位フェラーリ・マッサ、5位ルノー・アロンソ、6位トヨタ・シューマッハー弟、7位マクラーレン・モントヤ、8位同ライコネン、9位トヨタ・トゥルーリ、10位ウィリアムズ・ウエーバーとなります。
スーパーアグリ・佐藤、井出は21位、22位と定位置脱出はなりませんでした。
◇決勝
スタートではフェラーリ・シューマッハー兄、ホンダ・バトンが無難にスタートを決めますが、ホンダ・バリチェロが遅れ、最終的にビルヌーブコーナーで、フェラーリ・マッサ、ルノー・アロンソにパスされてしまいます。しかしその直後、後方でアクシデントが発生します。最後位のスーパーアグリ・井出とミッドランド・アルバースが接触、大きく弾き飛ばされたアルバースはグラベルを横転し、逆さになってストップ、リタイヤとなります。幸いアルバースには怪我もなく、井出もチェックのためにピットインしたのちレースを続けます。しかし井出は、ダメージからサスペンションが破断、結局リタイヤとなります。
アルバースの事故処理のために入ったセフティーカーが抜け、レースが再開された3周目、オーダーはシューマッハー兄、バトン、マッサ、アロンソ、バリチェロ、トヨタ・シューマッハー弟、マクラーレン・モントヤ、トヨタ・トゥルーリとなります。しかしトゥルーリは、6周目にステアリングの異常からピットに戻り、リタイヤとなります。
1回目のピットイン、口火を切ったのはバリチェロでした。しかし給油機のトラブルから15秒以上のストップを強いられます。また翌周ピットインしたバトンも、タイヤ交換でミスが出てタイムロス。その後もホンダのピット作業はドタバタし、30周目に2回目のピットストップをしたバトンに対し、給油リグを引き抜く前にスタート指示をしてしまい、給油リグが給油口に残ったままレーンを数m走るという失態を演じます。
20周目シューマッハー兄、25周目アロンソと、それぞれピット作業を行ってからの第2スティント、一時13秒あったシューマッハー兄とアロンソの差は、みるみるうちに縮まり、32周目には3.1秒、34周目には1.5秒、そして35周目には0.4秒と、1秒を切るまでになります。こうなったらアロンソが抜くのは時間の問題、36周目トサでシューマッハー兄のインをアロンソが一気に突き、これで勝負ありかと思わせますが、ここではシューマッハー兄が踏ん張り、順位をキープします。その後ひたすらテール・トゥー・ノーズの状態が続きますが、シューマッハー兄は要所要所でアロンソを封じ込め、パスする隙を与えません。こうした状態にじれたルノーは、41周目、シューマッハー兄よりも先にアロンソをピットに入れます。それを見たフェラーリは、翌周すかさずシューマッハー兄もピットへ戻します。そしてトップでシューマッハー兄をコースに復帰させます。こうして第2スティント後半の再現が、これからレース終盤まで続くことになります。
給油をはさみ20周以上もテール・トゥー・ノーズのバトルを繰り返していたシューマッハー兄とアロンソでしたが、レース終盤50周を超えたあたりから、コーナーでアロンソのラインが膨らむようになります。そして58周目、アロンソはビルヌーブの飛び込みで挙動を乱し、ダートに片輪を落とし、大きくタイムロス。結局これがレースの行方を決定付け、シューマッハー兄が62周のレースを制しました。
3位はモントヤ、4位はマッサ、以下5位マクラーレン・ライコネン、6位ウエーバー、8位バトン、9位シューマッハー弟、10位バリチェロの結果となります。
なお目下3戦連続完走中のスーパーアグリ・佐藤は、52周目にスピン、リタイヤとなります。
◇感想
シューマッハー兄が、唯一残ったタイトル、最多ポールポジションを獲得しました。これで最多ワールドチャンピオン、最多勝利、最多ポール、最多ファステストラップの4大タイトルすべて獲得し、そのほか最多獲得ポイント、年間最多勝利、最多連続表彰台、最多連続完走等々、数多のタイトルホルダーとなりました。残るは最多連続優勝(アルベルト・アスカリ/9連勝)と最多連続ポール(アイルトン・セナ/8回)、年間最多ポール(ナイジェル・マンセル/14回)、そして最多出場(リカルド・パトレーゼ/256回 これは今年引退しなければ達成できる)くらいでしょうか。
悔しいけど、嫌いだけど、やっぱりシューミィって、グレートドライバーなんだなぁ・・・。