Round.7 モナコグランプリ
28.May.2006 : サーキット・デ・モナコ
◇予選グリッド
フェラーリ・マッサのクラッシュ、ノータイムにより幕を開けた予選、大波乱は第3ピリオドに待っていました。前の周回で最高タイムをマークしたフェラーリ・シューマッハー兄が、ラスカスでまさかのコントロールミス、マシンにダメージはなかったものの、コース上でストップしてしまいます。これで割を食ったのがルノー・アロンソ。途中までベストタイムで刻んでいたセクタータイムでしたが、シューマッハー兄のストップによりスローダウンを余儀なくされ、2位止まりとなります。
しかしその夜、シューマッハー兄のコース上ストップが、危険行為にあたるとの判定が下り、シューマッハー兄は予選タイム抹消となります。これによりポールはアロンソ、2位ウィリアムズ・ウエーバー、3位マクラーレン・ライコネン、4位同モントヤ、5位ホンダ・バリチェロ、6位トヨタ・トゥルーリ、7位レッドブル・クルサード、8位BMWザウバー・ハイドフェルド、9位ウィリアムズ・ロズベルグ、10位トヨタ・シューマッハー弟となります。フェラーリは21位マッサ、22位シューマッハー兄となり、最後尾からの追い上げとなります。
◇決勝
スタートでは、ルノー・アロンソ、ウィリアムズ・ウエーバー、マクラーレン・ライコネンと順位をキープして1コーナーに入ります。中団ではウィリアムズ・ロズベルグが2つ順位を上げ6位へあがり、一方トヨタ・トゥルーリが3つ順位を落とし9位へ下がります。こうしてオープニングラップは、アロンソ、ウェーバー、ライコネン、マクラーレン・モントヤ、ホンダ・バリチェロ、ロズベルグ、レッドブル・クルサード、ルノー・フィジケラとなります。なおフェラーリ・シューマッハー兄はピットスタートを選択し、最後方からの追い上げとなりますが、オープニングですでに18位まで順位を上げています。
第1スティントは、トップのアロンソを2位のライコネンが追いかける展開となります。ファステストを塗り替えながら、22周目にライコネンが1回目の給油にピットに入るまで、実に20周以上にわたり、0.5秒前後のタイム差で周回を続けることとなります。
24周目、アロンソが給油を行い、ライコネンの前で周回に復帰します。しかし数周でタイム差はなくなり、再び0.5秒差のバトルとなります。しかし第2スティントでは、ややアロンソに伸びがなく、いつしか3位ウェーバーまでが2秒以内に連なる状態となります。しかしその状況も長くは続かず、ウェーバーがやや遅れ始めます。そして48周目、ウェーバーのエンジンがブロー、ピットレーン出口のすぐ先に車を止めます。これによりセフティーカーの導入となります。このタイミングでアロンソ、ライコネンが同時ピットイン、アロンソがトップをキープして周回に復帰します。その直後の50周目、今度はライコネンのエンジンがブローし、リタイヤとなります。こうして51周目、リスタート時点での順位は、アロンソ、モントヤ、バリチェロ、トゥルーリ、レッドブル・クリエン、クルサード、シューマッハー兄、フィジケラ、BMWザウバー・ハイドフェルド、トヨタ・シューマッハ弟となります。
しかし今年のモナコはこれだけでは終わりません。63周目、ピットレーンでの速度違反のため、バリチェロがピットスルーのペナルティーを受け3位から5位へ後退、こうして3位に上がったトゥルーリも、ラスト5周を残す73周目にスローダウン、リタイヤとなります。
こうして78周のレースは、アロンソがモナコ初優勝、モントヤが第4戦サンマリノ以来の2位表彰台、そして3位にはクルサードがしぶとく入り、レッドブルに初表彰台をプレゼントしました(自身は2002年日本GP以来3年シーズンぶりの表彰台)。以下4位バリチェロ、5位シューマッハー兄、6位フィジケラ、7位ハイドフェルド、8位トヨタ・シューマッハー弟、9位フェラーリ・マッサ、10位トロロッソ・リウッツィの結果となりました。
◇感想
ライバル自滅により、アロンソが今期4勝目、自身初のモナコウィナーとなりました。
しかし今回は、シューマッハー兄の予選タイム抹消に始まり、ライコネンのエンジンブローと、ライバル不在の感が強かったレースの印象が拭い去れません。特に中盤までは、アロンソとライコネンが僅差で周回を続ける緊迫した内容だっただけに残念です。まあトラブルやペナルティーにより、最後まで3位がわからなかったことは面白かったですが。
しかしここでクルサードかよ!って気分ではありました(笑)