Round.9 カナダグランプリ
25.Jun.2006 : ジル・ビルヌーブ・サーキット


◇予選グリッド

 予選ポールは、5戦連続となるルノー・アロンソ。2位には同僚のフィジケラが入り、ルノーが第6戦に続き、今季2度目のフロントロー独占となります。3位はマクラーレン・ライコネン、4位はトヨタ・トゥルーリが入ります。トゥルーリは今季ベストグリッドから、今季初ポイントを目指します。以下5位フェラーリ・シューマッハー兄、6位ウィリアムズ・ロズベルグ、7位マクラーレン・モントヤ、8位ホンダ・バトン、9位同バリチェロ、10位フェラーリ・マッサの順となります。なお予選16位のレッドブル・クルサードは、エンジン交換のため最後尾スタートとなります。


◇決勝

 スタートでは、ルノー・フィジケラが痛恨のフライング、レッドシグナル消灯の前に、車がほんの少し前進してしまいます。あわててブレーキを踏むも、そのときにはすでにシグナルは消灯、一瞬の出遅れのため、3位にドロップしてしまいます。こうしてルノー・アロンソ、マクラーレン・ライコネン、フィジケラ、ウィリアムズ・ロズベルグ、マクラーレン・モントヤ、フェラーリ・シューマッハー兄、ホンダ・バトン、BMWザウバー・ビルヌーブ、フェラーリ・マッサの順で、オープニングラップを終えます。2周目、ターン4でロズベルグのインを、やや強引にモントヤがこじあけ両者接触、モントヤはフロントウイングを痛めピットへ向かいますが、哀れなのはロズベルグ、押し出された拍子にスピンに陥り、そのままウォールに激突、リタイヤとなってしまいます。
 ロズベルグ車の処理のため、ここでセフティーカーが入り、翌3周目にリスタート、直後スーパーアグリ・モンタニーのエンジンがブロー、ロズベルグに次いでリタイヤとなり、早くもサバイバルレースの体を相してきます。なお6周目、スタートでのフライングに対して、フィジケラがピットスルーのペナルティーを受け、上位争いから脱落します。
 一方トップのアロンソとライコネンは、1秒前後の差で周回を続けます。10周目のタイム差はわずか0.6秒、そして11周目、ヘアピン立ち上がりで膨らんだアロンソのスリップにライコネンが入り、ストレート半ばでサイド・バイ・サイドとなります。しかしノーズ一個分アロンソが前をキープしシケインへ突入、アロンソが辛くもトップをキープします。13周目、ホンダ・バリチェロがピットにもどりそのままガレージに車を入れリタイヤ、前後してモントヤが最終コーナーでウォールにヒット、ピットレーン出口まで車を持ってくるも、そこで力尽きリタイヤとなります。
 23周目、トップアロンソがピット作業を行います。その翌周の24周目、ストレートにてシューマッハー兄がトゥルーリのスリップに入り、そのままシケイン入り口で前に出ます。こうしてシューマッハー兄が3位にあがり、アロンソ、ライコネンを猛追し始めます。そのライコネンは25周目、そしてシューマッハー兄は32周目にピットに入ります。しかしここでライコネンの作業にミスがでて、10秒以上の静止を強いられてしまいます。こうしてアロンソは抗せずしてライコネンとのマージンを15秒まで開くことに成功します。一方上位陣で最も遅い時期にピット作業を行ったのはマッサで、レースを半分過ぎた36周でのピット作業に、1ストップの可能性が出てきます。
 一通りのピット作業が終わった36周目、オーダーはアロンソ、ライコネン、シューマッハー兄、フィジケラ、トゥルーリ、マッサ、ビルヌーブ、BMWザウバー・ハイドフェルド、バトン、レッドブル・クリエンとなります。
 第2スティントは大きな順位変動も無く、淡々とレースが進み、50周目にトップアロンソが2回目のピット作業を行い、53周目にライコネンが続きます。しかし今日のライコネンはピット運に見放されていました。7秒台で給油を終えた直後、痛恨のエンジンストールを演じてしまい万事休す。かろうじてシューマッハー兄の前で周回に戻ることは出来ましたが、トップアロンソとの差は絶望的となります。しかし59周目、ビルヌーブがターン7でコントロールを失いウォールにヒット、これでセフティーカーが入り、各車のタイム差は一気に詰まります。しかしライコネンもシューマッハ兄も、直前には複数台のバックマーカーを抱える状態で、63周目のリスタート直後は前を追う状況ではありません。それでも一台一台バックマーカーを処理し、68周目、ついにシューマッハー兄がライコネンを捕らえます。ヘアピンで膨らんだライコネンが減速した隙をついて、シューマッハー兄が2位へ浮上、前後してクルサードがバトンを捉え、こちらもストレートで並んで一気にパスしていきます。
 こうして70周のレースが終了し、1位アロンソ、2位シューマッハ兄、3位ライコネン、4位フィジケラ、5位マッサ、6位トゥルーリ、7位ハイドフェルド、8位クルサード、9位バトン、10位トロロッソ・スピードの結果となります。


◇感想

 ビルヌーブ、そのまま走っていれば、入賞目前だったのですが・・・・。どうもビルヌーブといいバリチェロといい、母国GPで涙を飲むドライバーが多いです。シューマッハー兄やアロンソが例外なのか(笑)。
 さてアロンソが4連勝を飾り、ドライバーズポイントを84点に伸ばします。2位シューマッハーとの差は25点。残り10戦なので、普通であれば十分逆転のチャンスは残っているのですが、壊れないルノーを見るに、逆転はかなり厳しそうです。なんといっても、昨年トルコGP以来15戦、アロンソが表彰台を逃したレースはないのですから・・・・。


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