Round.11 フランスグランプリ
16.Jul.2006 : サーキット・デ・ヌーベル−マニ−クール


◇予選グリッド

 予選ポールは、フェラーリ・シューマッハー兄、2位には僚友マッサが入り、前戦アメリカGPに続き、フェラーリのフロントロー独占となります。3位にはルノー・アロンソが続き、4位にはトヨタ・トゥルーリ、5位には同シューマッハー弟が入ります。以下6位マクラーレン・ライコネン、7位ルノー・フィジケラとなり、8位にはNASCARに転向したモントヤに代わり、マクラーレンのレギュラーシートを獲得したデ・ラ・ロサが入ります。そして9位BMWザウバー・ハイドフェルド、10位レッドブル・クルサードのトップ10となります。


◇決勝

 フォーメーションラップにおいて、スーパーアグリの佐藤がスタートできないトラブルが発生します。その後かろうじて動き出すことができますが、結局スタート直後にリタイヤとなります。
 スタートでは、ルノー・アロンソが飛び出し、1コーナーでフェラーリ・マッサに並びます。しかしここではマッサが順位をキープします。その後もアデレードやニュルブルク・シケインでマッサとアロンソがサイド・バイ・サイドを演じますが、マッサが粘り、オープニングはフェラーリ・シューマッハー兄、マッサ、アロンソ、トヨタ・トゥルーリ、同シューマッハー弟、マクラーレン・ライコネン、ルノー・フィジケラ、ウィリアムズ・ウエーバーのオーダーとなります。
 序盤は、シューマッハー兄がやや抜け出す格好で前方を走り、マッサとアロンソがほぼ同じタイムで周回するという状況が続きます。6周目、アデレードで膨らんだマッサに対し、続くシケインでアロンソがしかけます。しかしここでもマッサが順位をキープし、勝負は1回目のピット作業へと持ち越されます。
 12周目、トロロッソ・モンテイロが縁石に乗り上げ大きくジャンプ、コースを縦断してコース外に着地するというクラッシュを演じます。かろうじてコースに戻ることはできましたが、そのままピットに戻りリタイヤとなります。
 16周目、トップ勢の先陣を切ってマッサがピットイン、翌17周目アロンソとライコネン、18周目シューマッハー兄とフィジケラ、やや引っ張って、20周目にトゥルーリ、22周目にシューマッハー弟とピット作業を行います。ここでシューマッハー弟にトラブル、左リアタイヤが外れずに、17秒もの静止を強いられます。この結果23周目のオーダーは、シューマッハー兄、マッサ、アロンソ、トゥルーリ、ライコネン、フィジケラ、シューマッハー弟、BMWザウバー・ハイドフェルドの順となります。
 26周目、アデレードでライコネンがトゥルーリにしかけます。ブレーキングで並び、そのままクロスラインをとったライコネンは、続くシケインでトゥルーリを見事パス、4位に順位を上げます。
 34周目、マッサが2回目のピット作業を行い、38周目、シューマッハー兄が続きます。39周目、ウエーバーの左リアタイヤがバースト、ピットまでたどり着いたところでリタイヤとなります。翌40周目、今度はトゥルーリがガレージに戻されリタイヤと、中盤にかけて戦線を離脱するマシンが目につき始めます。
 42周目、アロンソがピットイン、給油時間がやや長く、3ストップから2ストップへ作戦を変更した可能性が出てきます。この時点での順位は、シューマッハー兄、マッサ、アロンソ、ライコネン、シューマッハー弟、フィジケラ、マクラーレン・デ・ラ・ロサ、レッドブル・クルサードとなります。
 53周目にマッサ、55周目にシューマッハー兄が3回目のピット作業を行いますが、ルノー勢に動きはなし。こうして大勢が決し、シューマッハー兄がアメリカGPに続き2連勝を飾り、2位にはアロンソ、3位にはマッサが入ります。以下4位シューマッハー弟、5位ライコネン、6位フィジケラ、7位デ・ラ・ロサ、8位ハイドフェルド、9位クルサード、10位トロロッソ・スピードの結果で、70周のレースを終えます。


◇感想

 シューマッハー兄の連勝で、アロンソとのポイント差が17点に詰まりました。ここに来てブリヂストンタイヤの出来がすばらしく、流れはフェラーリに傾いた?とも言えそうです。次戦ドイツはシューマッハ兄の母国GP。ここドイツでは、シューマッハー兄は過去10年間で2回しか勝っていないサーキット(2002年と2004年)。とはいえ、1996年から2005年の10年間でポイントを獲得回数は7回と、決して苦手なサーキットではありません。ここを獲るか落とすかで、今年のシーズンの行方が大きく変わるように思えます。
 さて、ここ数戦元気のなかったモントヤですが、来期からNASCARに転向することとなりました。CARTチャンピオンの看板を引っさげ2001年にウィリアムズからデビュー、その年のうちに初優勝を飾り、2年目はフェラーリの圧倒的なパフォーマンスの下、5戦連続ポールポジションを獲得するなど、大器の片鱗を見せつけましたが、結局優勝7回、通算獲得ポイント307ポイント、最高ランキング3位でグランプリを去ることとなりました。


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