Round.12 ドイツグランプリ
30.Jul.2006 : ホッケンハイムリンク
◇予選グリッド
予選ポールは、昨年トルコ以来ほぼ1年ぶりとなるマクラーレン・ライコネンが獲得、目下2連勝と逆転王座を目指すフェラーリ・シューマッハー兄が2位、3位には同マッサが入り、万全の援護体制を組みます。4位は久しぶりの2列目スタートとなるホンダ・バトン。ホンダ勢は6位にバリチェロも入り、第6戦スペイン以来のダブル入賞をねらいます。一方不調だったのはルノー勢。5位のフィジケラ、7位のアロンソと、3列目・4列目からのスタートとなります。以下8位トヨタ・シューマッハー弟、9位マクラーレン・デ・ラ・ロサ、10位レッドブル・クルサードとなります。
さて新車SA06投入で話題を呼んだスーパーアグリですが、グランプリデビューの山本が予選前のフリー走行でクラッシュしたため、予選はSA05に乗り換えて走行し21位だったものの、佐藤は見事ミッドランドの一台をかわし19位となりました。
なおトヨタ・トゥルーリはエンジン交換により10グリッド降格の21位スタートとなります。
◇決勝
スタートではルノー勢がいつものダッシュを見せ、1コーナーは、マクラーレン・ライコネン、フェラーリ・シューマッハー兄、同マッサ、ルノー・フィジケラ、同マッサ、ホンダ・バトン、マクラーレン・デ・ラ・ロサとなります。しかしヘアピンでバトンがアロンソをパス、順位を一つ上げます。しかし後方ではトヨタ・シューマッハー弟とレッドブル・クルサードが接触、シューマッハー弟はピットインを強いられたほか、ターン12でウィリアムズ・ロズベルグがバランスを崩しコースオフ、グラベルを突っ切ってタイヤバリアへ激突し、リタイヤとなります。
2周目、バトンがフィジケラをパスし、スタート前の順位に戻します。翌3周目、デ・ラ・ロサがスローダウン、そのままリタイヤとなります。
10周目、トップのライコネンが早くもピットインしますが、給油でミスがあり15秒もの静止を強いられ、8位へ後退してしまいます。16周目、ホンダ・バリチェロがウィリアムズ・ウエーバーをパス、次いでアロンソに迫ります。しかし18周目、ピットインの直後にエンジントラブルでスピン、そのままリタイヤとなります。
20周目、シューマッハー兄とアロンソが相次いでピットに入り、上位陣の1回目のピット作業が終わります。この時点でのオーダーは、シューマッハー兄、マッサ、ウエーバー、バトン、ライコネン、フィジケラ、トヨタ・トゥルーリ、アロンソ。その後28周目にウエーバー、ライコネン、トゥルーリがピット作業を行い、シューマッハー兄、マッサ、バトン、フィジケラ、ウエーバー、アロンソ、ライコネン、レッドブル・クリエン、トゥルーリの順位に変わります。
32周目、BMWザウバー・ビルヌーブが最終コーナーでクラッシュ、リタイヤとなります。1周目に僚友ハイドフェルドに追突したことで出遅れたのが響き、終始後方で我慢のレース、結局良いところを見せることなく戦列を去ります。36周目、シューマッハー弟がピットレーンの速度違反により、ドライブスルーペナルティーを受けます。シューマッハー弟も、1周目のアクシデントと今回のペナルティーで思うようにレースができず、結局ポイント目前の9位でレースを終えることとなります。
40周目前後から、上位陣の2回目のピット作業が始まります。41周目フィジケラ、44周目マッサとアロンソ、45周目シューマッハー兄、48周目ウエーバーとピット作業を終え、51周目、唯一3ストップ作戦となったライコネンがピットに入ります。ピット出口では、バトンにこそ先に行かれますが、直後のウエーバーとはサイド・バイ・サイドとなり1コーナーへ。ここで粘ったライコネンが僅差で前を取り、4位で周回に戻ります。そして57周目、バトンを抜いて3位に順位を上げます。一方のウエーバーは、59周目、エンジントラブルからスローダウン、ピットに戻りリタイヤと、ライコネンと対称を極めます。
結局10周目にトップを奪ってから一度もトップを譲ることなく、盤石のレースを行ったシューマッハー兄が優勝を飾り、これにマッサが続き、フェラーリ今期2度目の1−2を決めます。3位は終盤の逆転で表彰台をつかんだライコネン、以下4位バトン、5位アロンソ、6位フィジケラ、7位トゥルーリ、8位クリエン、9位シューマッハー弟、10位トロロッソ・リウッツィーの順位で67周のレースを終えます。
◇感想
シューマッハー兄の3連勝で、アロンソとのポイント差が11点にまで縮まりました。マシンのパッケージ、タイヤマネジメント、すべてフェラーリがルノーを圧倒しており、ポイント差はありますが、シューマッハーに有利な状況となってきました。次戦ハンガリーは低速コーナーが連続するドライバーズサーキット。ルノーが得意とするサーキットですが、フェラーリに死角はあるのか。タイトルの行方が、俄然面白くなってきました。