Round.14 トルコグランプリ
25.Aug.2006 :イスタンブール・サーキット


◇予選グリッド

 予選トップはフェラーリ・マッサ。67戦目にして初のポールポジションを獲得します。2位にはきっちりシューマッハー兄が入り、フェラーリがフロントローを独占する結果となります。対するルノー勢は、3位アロンソ、4位フィジケラが入り、フェラーリと真っ向勝負できるポジションを得ます。
 以下5位トヨタ・シューマッハー弟、6位BMWザウバー・ハイドフェルド、7位ホンダ・バトン、8位マクラーレン・ライコネン、9位BMWザウバー・クビカ、10位ウィリアムズ・ウエーバーとなります。
 なおスーパーアグリの山本は21位、佐藤は22位の結果でした。またシューマッハー弟は、エンジン交換のため、決勝スタートは10グリッド降格となります。


◇決勝

 スタートでは、フェラーリ・マッサが好スタートを決め、トップで1コーナーに飛び込んだ反面、僚友シューマッハー兄はやや遅れ、ルノー・アロンソに並びかけられます。しかし1コーナー飛び込みで、強引にアロンソを抑え2位をキープします。これで割を食ったのがルノー・フィジケラで、アロンソとの接触を避けるため急ブレーキを余儀なくされ、これが引き金となって体制を崩しスピン、多重クラッシュの原因となってしまいます。この多重クラッシュで、マクラーレン・ライコネンがリアタイヤをバーストさせ、またフィジケラを始め、トヨタ・シューマッハー弟、スーパーアグリ・佐藤、トロロッソ・スピード、BMWザウバー・ハイドフェルドらがマシン修理のため早々のピットインを強いられます。
 こうして波乱のオープニングラップはマッサが制し、シューマッハー兄、アロンソ、ホンダ・バトン、ウィリアムズ・ウエーバー、BMWザウバー・クビカ、ウィリアムズ・ロズベルグ、レッドブル・クリエン、マクラーレン・デ・ラ・ロサ、トロロッソ・リウッツィのオーダーとなります。
 12周目、リウッツィが1コーナー出口で単独スピン、この処理のためにセフティーカーが入ります。ここでマッサとシューマッハー兄、次いでアロンソがピットイン、マッサは順当にトップで周回に復帰できますが、マッサの作業を待っていたシューマッハー兄は、僅差でアロンソに先行されてしまいます。こうして16周目にレースが再開されたとき、マッサ、アロンソ、シューマッハー兄、バトン、ロズベルグ、クリエン、デ・ラ・ロサ、トヨタ・トゥルーリ、ホンダ・バリチェロ、レッドブル・クルサードのオーダーに変わります。
 25周目、それまで5位を走行していたロズベルグがスローダウン、ピットに戻りリタイヤとなります。この際、ピットレーンでクルサードに抜かれるというハプニングがありましたが、明らかにロズベルグ車が異常を起こしていたことからおとがめなしとなります。もっともクルサードも、あと2周を残すところでマシントラブルに見舞われ、チェッカーを受けることは出来ませんでした(完走扱い)。
 1回目のピット作業で、アロンソに抜かれたシューマッハー兄でしたが、第2スティントの走りには精彩を欠きます。なんとかアロンソには着いていくものの、第1スティントのような圧倒的な速さを見せることができず、その差は4秒程度で膠着します。そして28周目、ターン8でまさかのコースオフ、アロンソとの差は8秒まで広がってしまいます。
 39周目、マッサとアロンソがピットイン、一方のシューマッハー兄は、43周目までピットを遅らせますが、わずかに1秒及ばず、アロンソに再び先行を許してしまいます。その後アロンソとシューマッハ兄の差は、0.5秒を切る差となりますが、コーナー出口での加速に勝るルノーがフェラーリを抑え続け、最終ラップまでの15周に渡り、テール・トゥ・ノーズ状態を続けます。そしてファイナルラップ。最終コーナーの飛び出しで、シューマッハー兄が強引にアロンソに並び、サイド・バイ・サイドでチェッカー。しかし僅か0.08秒の差でアロンソが2位を死守し、白熱のレースは幕を閉じます。
 優勝は初ポールを初優勝につなげたマッサ、2位は白熱のレースを守りきったアロンソ、3位は僅差に泣いたシューマッハー兄となり、以下4位バトン、5位デ・ラ・ロサ、6位フィジケラ、7位シューマッハー弟、8位バリチェロ、9位トゥルーリ、10位ウエーバーとなります。
 なおスーパ^アグリ・佐藤は1周目のクラッシュでの破損箇所を修理してからのレースとなったため、規定周回を満足することが出来ず未完走、同山本は23周目に単独スピンでコースオフ、リタイヤとなっています。


◇感想

 僅差でアロンソがシューマッハー兄を抑え、ここのところシューマッハー兄に傾き始めた流れを、自分で引き戻した感があるレースでした。残るレースは、イタリア、中国、日本、ブラジルの4レース。ポイント差は12とまだまだ予断を許さぬ状況ですが、ここに来て引き離しに成功したアロンソが、やや有利でしょうか?
 しかしマッサの初優勝が功を奏し、ルノーとフェラーリのコンストラクターズポイントの差は僅か2に縮まり、コンストラクターズはフェラーリが有利と思える展開になりつつあります。
 この流れが、アロンソとシューマッハ兄、どちらに傾くのか、次戦イタリアが楽しみです。


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