Round.17 日本グランプリ
08.Oct.2006 : 鈴鹿サーキット・インターナショナル・コース
◇予選グリッド
予選トップは、今期2度目(通算2度目)のポールとなる、フェラーリ・マッサ。2位には同シューマッハー兄が入り、フェラーリの強さをアピールすることに成功します。セカンドローはトヨタ勢、3位にシューマッハー弟、4位にトゥルーリが入ります。一方のルノー勢はサードロー、5位アロンソ、6位フィジケラと、やや苦しい位置からのスタートとなります。以下7位ホンダ・バトン、8位同バリチェロ、9位ザウバーBMW・ハイドフェルド、10位ウィリアムズ・ロズベルグとなります。
なおスーパーアグリ・佐藤は20位、山本は22位からのスタートとなります。
◇決勝
スタートではルノー・フィジケラが遅れ、ホンダ・バトンに先行を許す一方、同アロンソは鋭いスタートを見せ、1コーナーから2コーナーにかけて、トヨタ・トゥルーリに並び、一気に抜き去ります。またホンダ・バリチェロはBMWザウバー・ハイドフェルドと接触、フロントウイングにダメージを受け、翌周早くもピットインを強いられます。これで漁夫の利を得たのがマクラーレン・ライコネン、労せずして11位から9位に順位を上げることに成功します。
2周目の1コーナー手前、フェラーリ・シューマッハー兄が、僚友のマッサをかわし、早くもトップに立ちます。この結果、シューマッハー兄、マッサ、トヨタ・シューマッハー弟、アロンソ、トゥルーリ、ホンダ・バトン、フィジケラ、ハイドフェルド、ライコネン、ザウバーBMW・クビカとなります。
序盤アロンソは、自分よりもペースの遅いシューマッハー弟を抜きあぐね、8周目にはデグナーでオーバーランするという、らしくないミスをしてしまいます。しかし後続のトゥルーリの前でコースに復帰するや、瞬く間にシューマッハー弟に追いついてしまいます。そして12周目、1コーナーの飛び込みでシューマッハー弟をパス、ようやく3位に順位を上げます。
13周目、マッサとシューマッハー弟がピットイン、14周目フィジケラ、15周目アロンソとピット作業が続きます。ここでアロンソはマッサを逆転し、3位(実質2位)に順位を上げることに成功します。16周目バトン、18周目シューマッハー兄がピット作業を終え、この時点でのオーダーは、シューマッハー兄、アロンソ、ハイドフェルド、マッサ、ライコネン、トゥルーリ、シューマッハー弟、フィジケラ、クビカ、バトンとなります。オーダーが落ち着いた20周目、シケイン入り口で、ミッドランド・アルバースの右リアサスペンションが破談、脱落したタイヤがリアウイングをもぎ取る事故が発生します。しかし場所が高速コーナーでなかったこと幸いし、アルバースのリタイヤ以外、レースに影響はありませんでした。
22周目、ライコネンが上位陣では最後となる1回目のピット作業を行います。そして29周目、トゥルーリが早くも2回目のピットストップを行います。以降30周目シューマッハー弟、33周目フィジケラ、35周目アロンソ、36周目シューマッハー兄と、順調に2回目のピット作業を行います。しかしシューマッハー兄のアウトラップでまさかのアクシデント、デグナー出口でなんとエンジンブローしてしまうのです。このためシューマッハー兄はリタイヤ、5秒後方にいたアロンソが、難なくトップに立ちます。40周目、バトンがピット作業を行い、ここでトヨタ2台を逆転し、5位に順位を上げます。また41周目にライコネンがピット作業をおこない、同じくトヨタ2台を逆転、5位で周回に復帰します。この時点でアロンソ、マッサ、フィジケラ、バトン、ライコネン、トゥルーリ、シューマッハー弟、ハイドフェルド、クビカ、ロズベルグのオーダーとなります。そしてそのまま順位変動なく、53周目を迎えチェッカーとなりました。
◇感想
10-0でアロンソ王手。だれがこの展開を予想したでしょうか。二人の差は僅差、従ってポイント差は2点〜4点だと思っていたのに・・・・。チャンピオン争いをする上で、トラブルによるリタイヤが、いかにダメージが大きいか、改めて実感しました。
しかしリタイヤ後、ピットクルーに挨拶して回るシューマッハー兄の姿は、そのまま引退してしまうのではないか?と思わせるくらい穏やかなものでした。まだコンストラクターズも、そしてドライバーズも可能性があるのですから、最終戦に出走しないというオプションはないでしょうが、ちょっと気になる姿でした。
最後の1戦、どんなドラマが待ち受けるのでしょうか。