Round.2 マレーシアグランプリ
08.Mar.2007 : セパン・インターナショナル・サーキット


◇予選グリッド

 第2戦、予選ポールはフェラーリ・マッサ。エンジントラブルにより表彰台争いに食い込めなかった前戦から一転、存在感を示します。2位にはマクラーレン・アロンソが入り、続く3位はフェラーリ・ライコネン、4位はマクラーレン・ハミルトンと、フェラーリとマクラーレン勢が交互にならび、実力伯仲を印象づけます。以下、5位BMWザウバー・ハイドフェルド、6位ウィリアムズ・ロズベルグ、7位BMWザウバー・クビカ、8位トヨタ・トゥルーリ、9位同シューマッハー、10位レッドブル・ウエーバーとなります。
 なおスパーアグリ・佐藤は14位に入り、開幕戦のトップ10入りがフロックでないことを示します。しかしホンダは、バトンが15位、バリチェロが19位と大きく沈んでしまいます。


◇決勝

 ホンダ・バリチェロがエンジン交換を行いピットスタートとなり、グリッド上には21台のマシンが並びます。
 スタートでは、ポールのフェラーリ・マッサが順当に滑り出したように見えましたが、ホームストレートエンドでマクラーレン・アロンソがマッサに並び、続く1コーナーの飛び込みで前を奪います。またマクラーレン・ハミルトンも、アウトからライコネンをパス、続く1コーナーのアウトでマッサに並び、返す刀の2コーナーでインを奪うや、鮮やかにマッサを抜き去ります。こうしてオープニングは、アロンソ、ハミルトン、マッサ、ライコネン、BMWザウバー・ハイドフェルド、同クビカ、ウィリアムズ・ロズベルグ、ルノー・フィジケラ、トヨタ・トゥルーリ、ルノー・コバライネンのオーダーとなります。
 レースは序盤で動きを見せます。アロンソの独走を許さないためにも、早急にハミルトンを攻略したいマッサは、3周目のストレートエンドで仕掛けます。ここはハミルトンが粘ったものの、続くコーナーでマッサがハミルトンの前に出ます。しかし直後のコーナーで、再びハミルトンがマッサを抜き返し、オーダーは変わらず。4周目もストレートエンドでマッサが仕掛けるも、これは不発となります。そして5周目、マッサは4コーナーのブレーキングを遅らせ、ハミルトンをオーバーテイクしようと試みます。しかしここはオーバーランでコースアウトを喫し、後続のライコネンはともかく、ハイドフェルドにまで先行される結果となり、トップ奪還は絶望的となります。この後レースは小康状態となり、16周目、トップのアロンソと2位のハミルトンのタイム差が15秒まで広がった時点で、一回目のピット作業を迎えます。17周目マッサ、18周目アロンソとライコネン、20周目ハミルトンと順次ピット作業を行い、23周目フィジケラがトップ勢で最後に給油を行います。この時点でのオーダーは、アロンソ、ハミルトン、ライコネン、ハイドフェルド、マッサ、ロズベルグ、フィジケラ、トゥルーリ、コバライネンとなります。
 レース中盤は、12位以降の中団で激しい順位争いが繰り広げられるも、トップ勢は淡々と周回を重ね、38周目にハミルトンがピットインしたのを皮切りに、2回目のピット作業が始まります。しかしここでも順位変動はなく、依然アロンソがトップを独走する展開となります。
 レース終盤の43周目、ロズベルグがエンジントラブルにより戦線離脱します。この直後から、ハミルトンのペースが落ち始め、ライコネンの猛追が始まります。毎周0.5秒〜0.7秒ものハイペースで差を縮め、48周目には8秒あった差を5秒に、51周目には2.8秒、53周には1.6秒とハミルトンを追い詰めます。しかし最後はハミルトンが0.8秒の差でライコネンを押さえきり、マクレーンが2005年ブラジルグランプリ以来の1-2を決め、チェッカーとなります。
 こうして1位アロンソ、2位ハミルトン、3位ライコネン、4位ハイドフェルド、5位マッサ、6位フィジケラ、7位トゥルーリ、8位コバライネン、9位ウィリアムズ・ブルツ、10位レッドブル・ウエーバーのオーダーで、第2戦は終了します。
 なおホンダはバリチェロが11位、バトンが12位となり、スーパーアグリ・佐藤は13位でチェッカとなりました。


◇感想

 ハミルトンが開幕戦に続き表彰台、しかも順位を一つ上げての2位を獲得しました。正直ここまでの活躍は想像していなかったわけで、新鮮な驚きがあります。しかしレース内容はクレバーで、スタートのオーバーテイクや、序盤のマッサとライコネンを押さえ込んだライン取りは見事でした。そしてレース終盤は、水筒の水を使い切ってしまうというトラブル(?)からペースを落としてしまいますが、僅差でライコネンを抑えてしまうあたり、新人離れした能力を見せつけられたという感じです。
 一方マッサは、序盤のドタバタで、マクラーレンに独走を許す結果となってしまいました。予選で見せたように、速さは十分あるので、あとはレースマネジメントが問題という所でしょうか。今後の汚名返上に期待です。


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