Round.3 バーレーングランプリ
15.Apr.2007 : バーレーン・インターナショナル・サーキット


◇予選グリッド

 予選ポールは、前戦に引き続きフェラーリ・マッサ。前戦はポールスタートながら不味い攻めで5位に終わっているだけに、ここは名誉挽回が期待されます。2位は、キャリア3戦目で初フロントローを得た、マクラーレン・ハミルトン。セカンドローには、3位にフェラーリ・ライコネン、4位にマクラーレン・アロンソがつけ、前戦同様、赤のマシンと銀のマシンが交互に並ぶグリッドとなります。
 サードローはBMWザウバー勢、5位ハイドフェルド、6位クビカが入り、以下7位ルノー・フィジケラ、8位レッドブル・ウエーバー、9位トヨタ・トゥルーリ、10位ウィリアムズ・ロズベルグとなります。
 なおスーパーアグリ・デビットソンは13位、同佐藤は17位、ホンダ・バリチェロは15位、同バトンは16位となります。


◇決勝

 スタートではフェラーリ・マッサと、マクラーレン・ハミルトンがポジションをキープ、一方のフェラーリ・ライコネンは、1コーナーでマクラーレン・アロンソに並ばれるも、辛くもポジションをキープします。しかし続く第2ストレートのエンドで、アロンソがライコネンをオーバーテイク、3位に浮上します。しかし後方では多重クラッシュが発生、スピンしたホンダ・バトンとトロロッソ・スピードがコースをふさぎ、この処理のため、今期初となるセフティーカーの出動となりました。
 レース再会は3周目、この時点でのオーダーは、マッサ、ハミルトン、アロンソ、ライコネン、BMWザウバー・ハイドフェルド、同クビカ、ルノー・フィジケラ、レッドブル・ウエーバー、ルノー・コバライネン、トヨタ・トゥルーリとなります。レース序盤は、逃げるマッサを0.5秒差でハミルトンが追い、やや差を開けて、アロンソをライコネンが1秒弱の差で追うという展開になります。ペース的にはハミルトンの方が、マッサよりも良いものの、マッサは隙を見せず、オーバーテイクの機会を与えません。一方のアロンソも、追いすがるライコネンを抑え続けます。レースが動いたのは17周、1回目のピット作業が始まってからとなります。上位陣では19周目、ハミルトンがピットに入り、21周目マッサ、22周目アロンソ、23周目ライコネンとハイドフェルドと続きます。このピット作業で、ライコネンがアロンソをかわし3位に浮上しています。4位に落ちたアロンソは、今度はハイドフェルドとのバトルとなります。アロンソとハイドフェルドは、ピットアウト直後から、ほぼテール・トゥ・ノーズの状態で周回を続けます。そして31周目、第2ストレートでアロンソのスリップに入ったハイドフェルドは、続くターン4のアウトからアロンソをオーバーテイク、4位に浮上します。
 34周目、ホームストレートでスーパーアグリ・佐藤がエンジンブロー、激しく白煙を噴き上げてストップします。また37周目、21位スタートながら7位まで順位を上げていたレッドブル・クルサードが、ガレージに戻りリタイヤ。ドライブシャフトのトラブルでした。
 40周目、マッサとが2回目のピット作業を行い、41周目ライコネン、43周目アロンソ、44周目ハミルトンと続きます。この時点でのオーダーは、マッサ、ハミルトン、ライコネン、ハイドフェルド、アロンソ、クビカ、フィジケラ、トゥルーリ、コバライネン、ロズベルグ。なお42周目、10位を走行していたウエーバーがストップ、リタイヤとなります。
 レース終盤の52周目、13位走行中のスーパーアグリ・デビッドソンのエンジンがブロー、オイルの白煙を吐きながらストップします。一方ハイドフェルドとアロンソの差がじりじりとつまり、56周目には0.6秒差まで詰め寄ります。しかし残る周回数は1。結局アロンソはハイドフェルドを捉えることができず、レース終了。
 こうしてマッサが汚名返上となる1勝を上げ、2位にはデビュー3戦連続表彰台の新記録を樹立したハミルトン、3位にはライコネンが入りました。また4位には、3戦連続4位のハイドフェルド、5位には、今期初めて表彰台を逃したアロンソが入ります。以下6位クビカ、7位トゥルーリ、8位フィジケラ、9位コバライネン、10位ロズベルグの結果となりました。


◇感想

 マッサが汚名返上の勝利を上げ、タイトル争いにようやく名乗りを上げることが出来ました。一方アロンソは屈辱の5位。こうして序盤3ラウンドを終わって、アロンソ、ライコネン、ハミルトンが22ポイントで横に並び、これを5ポイント差でマッサが追い、7ポイント差でハイドフェルドが続くという、近年希に見る大混戦となります。まあ優勝出来るパッケージという点では、BMWザウバーはフェラーリとマクラーレンには及ばないので、実質上位4人によるタイトル争いと考えて良いでしょう。
 約1ヶ月のインターバルをはさみ、いよいよ始まるヨーロッパラウンド。赤と銀の戦いは、いよいよ激しくなる予感です。


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