Round.4 スペイングランプリ
13.May.2007 : サーキット・デ・カタルニア


◇予選グリッド

 予選ポールは、3戦連続でフェラーリ・マッサ。2位にはマクラーレン・アロンソが入り、3位フェラーリ・ライコネン、4位マクラーレン・ハミルトンと、第2戦マレーシアと同じグリッドとなります。以下5位BMWザウバー・クビカ、6位トヨタ・トゥルーリ、7位BMWザウバー・ハイドフェルド、8位ルノー・コバライネン、9位レッドブル・クルサード、10位ルノー・フィジケラとなります。
 ホンダ勢は、12位バリチェロ、14位バトンと依然として不調をきわめており、トラブルで1アタックしか出来なかったにもかかわらず、13位に割って入ったスーパーアグリ・佐藤の活躍が、なおさら浮き出る結果となりました。


◇決勝

 スタート直前、トヨタ・トゥルーリがストール。そのためフォーメーション・ラップからやりお直しとなり、1周減の65周レースとなります。こうしてトゥルーリはピットスタートとなり、残る21台がグリッドからスタートとなります。
 スタートではフェラーリ・マッサ、マクラーレン・アロンソともミスすることなく飛び出しますが、アロンソの加速がやや上まわり、1コーナーアウトから、マッサに並びかけます。しかしここでインを守ったマッサと軽く接触、アロンソはグラベルに押し出され、マクラーレン・ハミルトン、フェラーリ・ライコネンに次ぐ4位に転落してしまいます。後方では12位争いをしていたルノー・フィジケラ、スーパーアグリ・佐藤、トヨタ・シューマッハー、ウィリアムズ・ブルツの一団でアクシデントが発生します。ターン10ヘアピンで減速したフィジケラと佐藤を避けるため、シューマッハーがやや早めにブレーキング、これにブルツが追突したのです。これによりシューマッハーはピットへ、ブルツは左フロントサスを痛め、ピットにたどり着いたところでリタイヤとなります。
 こうしてオープニングは、マッサ、ハミルトン、ライコネン、アロンソ、BMWザウバー・クビカ、同ハイドフェルド、レッドブル・クルサード、ルノー・コバライネン、ウィリアムズ・ロズベルグ、ホンダ・バトンのオーダーとなります。
 しかし今回のスペインは、序盤に荒れ気味の展開となります。7周目ウィリアムズ・ウエーバーがピットイン、そのままガレージに入りリタイヤすると、8周目にはトゥルーリが同じくガレージに戻りリタイヤします。またコース上ではライコネンが突然スローダウン、ピットに戻る途中、レーン半ばで力尽き、クルーに押されてガレージに戻りリタイヤとなります。次いで9周目には、トロロッソ・スピードのタイヤが、ストレート半ばでバースト、そのままリタイヤとなります。
 19周目、マッサが給油のためピットイン、ここで漏れたガソリンが排気口にかかり引火、一瞬車体後部が炎に包まれますが、こちらは事なきを得ます。24周目、入賞圏争いをしていたバトンとフィジケラが同時ピットイン、先行していたバトンが先にピットを後にしますが、出口で同僚のバリチェロとサイド・バイ・サイドを演じ、結局1コーナーの進入で同士討ち、バトンはフロントウイングを失って、再度のピットインとなります。24周目、順調に周回を続けていたハイドフェルドでしたが、ピットアウトの際にロリーポップマンが、右フロントのナットが締まらぬうちにポップを上げてしまうミスを起こします。このため途中でナットが脱落、翌周再びピットに入らねばならず、入賞圏内から脱落してしまいます。
 1回目のピットストップが終わった31周目、オーダーはマッサ、ハミルトン、アロンソ、クビカ、クルサード、ロズベルグ、コバライネン、バリチェロ、フィジケラ、佐藤となります。この後2回目のピットストップまで、レースは落ち着きを取り戻します。42周目、マッサとクルサードが2回目のピットストップを行い、47周目ハミルトン、48周目アロンソと続きます。なお45周目にはシューマッハーが、47周目にはハイドフェルドが、ピットに戻りリタイヤとなります。
 各車2回目のピットストップを終えた48周目、マッサ、ハミルトン、アロンソ、クビカ、クルサード、ロズベルグ、コバライネン、フィジケラ、佐藤、バリチェロのオーダーとなります。しかし順位が固まったと思われた52周目、フィジケラがピットイン、4.9秒のスプラッシュ・ゴーでレースに復帰しますが、僅かに佐藤に先行を許してしまいます。結局これが最後の順位変動となりチェッカーを迎え、マッサが連勝し、ハミルトンが2位、アロンソが3位、以下4位クビカ、5位クルサード、6位ロズベルグ、7位コバライネン、8位佐藤の結果となりました。


◇感想

 スーパーアグリが、待望の1ポイントを獲得。ホンダのワークスエンジンを積むとはいえ、完全なプライベーターチームが、僅か1年でポイントを獲得した快挙に拍手です。
 一方ドライバーズポイントでは、マッサが連勝でポイント差を詰めた一方、リタイヤしたライコネンが一歩後退、そして連続表彰台を4に伸ばしたハミルトンがトップという大波乱。しかもその差は僅差ということもあり、次戦モナコが一つのターニングポイントとなる気がします。ここでマッサが勝てば、そのまま選手権をリードしそうな勢いですし、ハミルトンが勝てば大きな自信となり勝ち星を伸ばしていく予感がします。アロンソが勝てば、ハミルトンに対し優位を保てる結果となるでしょうし、ライコネンが勝てば、選手権争いに再び絡んでくるでしょう。逆をにここでポイントを逃した場合、そのドライバーは選手権争いから脱落する可能性が高いと言えます。これら4人とも、フレッシュエンジンでモナコに挑むわけで、そうなると怖いのはレースアクシデントと、ギヤボックスやハイドロリック系のトラブル。フェラーリもマクラーレンも信頼性が高いとはいえ、何が起こるか分からないのがモナコ。今年初めてのウエットコンディションがモナコだったりすると、ドラマチックなのですが(笑)



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