Round.7 アメリカグランプリ
10.Jun.2007 : インディアナポリス・モータースピードウェイ


◇予選グリッド

 予選は、マクラーレンが2戦連続でフロントローを独占、ハミルトンが2戦連続のポール、アロンソが2位となります。セカンドローはフェラーリ。3位マッサ、4位ライコネンと、第4戦スペイングランプリ以来となる、2強直接対決となります。
 5位はBMWザウバー・ハイドフェルド、6位は北米ラウンドに入ってから好調のルノー・コバライネン、7位はグランプリ初出場のBMWザウバー・ベッテル。前戦でクラッシュを演じたクビカの代役として出場です。以下8位トヨタ・トゥルーリ、9位レッドブル・ウエーバー、10位ルノー・フィジケラの予選結果となります。
 なおホンダ勢はバトンの13位が最高で、スーパーアグリは16位デビッドソン、18位佐藤となります。


◇決勝

 スタート直後の1コーナーで、中団以下の多重クラッシュが発生します。このクラッシュによりトヨタ・シューマッハーがリタイヤ、レッドブル・クルサード、ホンダ・バリチェロもピットに戻ったところでリタイヤとなります。
 こうした波乱のオープニングを制したのは、ポールからスタートを決めたマクラーレン・ハミルトンで、以下、同アロンソ、フェラーリ・マッサ、BMWザウバー・ハイドフェルド、ルノー・コバライネン、フェラーリ・ライコネン、トヨタ・トゥルーリ、ルノー・フィジケラ、レッドブル・ウエーバー、ウィリアムズ・ロズベルグとなります。
 2周目、フィジケラがターン4で単独スピン、これにより最後位に順位をおとしてしまいます。そのフィジケラでしたが、5周目にはスパイカー・アルバースを、7周目にはスーパーアグリ・デビッドソンを攻略し、8周目にはホンダ・バトンと、インフィールドでサイド・バイ・サイドを演じます。ターン13の立ち上がりではバトンが前に出たものの、ストレートでスリップストリームから抜け出たフィジケラが、ここでバトンをオーバーテイク、順位を16位に上げます。さらにフィジケラは、12周目にトロロッソ・スピード、14周にスパイカー・スティール、22周にウィリアムズ・ブルツと立て続けにパスし、順位を回復していきます。また14周目、スーパーアグリ・佐藤がターン4でオーバーラン、グラベルにつかまりリタイヤとなってしまいます。佐藤は2周目に黄旗区間でバトンを追い抜いたため、ペナルティーの対象となっていましたが、リタイヤのため履行ができず、そのため次戦フランスグランプリにおいてペナルティーが科せられることとなりました。
 21周目、トップを走るハミルトン、次いでマッサ、ハイドフェルドがピットインし、1回目のピット作業が始まります。翌22周目、アロンソもピット作業を行います。そのアロンソは、トゥルーリの後ろで周回に復帰しますが、23周目にストレートエンドでトゥルーリをパスし、ハミルトンとの差を詰めていきます。また24周目にはライコネン、26周目にはコバライネンがピット作業を行い、こうして1回目のピット作業が落ち着いた32周目、ハミルトン、アロンソ、マッサ、ロズベルグ、ライコネン、ハイドフェルド、コバライネン、トゥルーリ、ウエーバー、BMWザウバー・ベッテルのオーダーとなります。
 38周目、このレースでの最大のハイライトシーンを迎えます。ハミルトンがバックマーカーにつかまり、そこをアロンソが猛追。ターン13の立ち上がりで、完全にハミルトンのスリップに入ったアロンソは、ストレートエンドでサイド・バイ・サイドに持ち込みます。しかしターン1の進入では、僅差でハミルトンがアロンソを抑えきり、順位は変わりませんでした。
 47周目、コバライネンがピットに入り、2回目のピット作業が始まります。48周目ハイドフェルド、50周目アロンソ、51周目ハミルトンとライコネン、52周目マッサとピット作業が続きます。55周目、5位を走行していたハイドフェルドが、ギヤトラブルでリタイヤします。またレース終盤の68周目、ロズベルグがエンジンブローでリタイヤします。こうして73周のレースは、ハミルトンの連勝で幕を閉じ、2位アロンソ、3位マッサの表彰台となります。以下4位ライコネン、5位コバライネン、6位トゥルーリ、7位ウエーバー、8位ベッテル、9位フィジケラ、10位ブルツの結果となります。


◇感想

 ハミルトンが連勝し、アロンソとのポイント差を10ポイントに広げました。また優勝回数でもアロンソに並び、速さと強さを印象づける結果となりました。しかしアロンソも、完全にハミルトンに押さえ込まれているわけではなく、ちょっとした不運の積み重ねがポイント差になっているように思えます。
 北米ラウンドが終わり、舞台は再びヨーロッパへ。アロンソの復活はあるのか、そしてフェラーリの反撃は? 新人にタイトルを簡単に渡すほどF1は甘くない、そんなレースを見せて欲しいです。



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