Round.9 イギリスグランプリ
08.Jul.2007 : シルバーストン・サーキット


◇予選グリッド

 予選ポールは、マクラーレン・ハミルトン。2位は、フェラーリ・ライコネン。ライコネンは最終コーナーでタイヤを芝に落としたタイムロスが響きました。3位はマクラーレン・アロンソ、4位はフェラーリ・マッサと、0.3秒の差で上位4人がひしめく結果となります。
 5位はBMWザウバー・クビカ、6位はトヨタ・シューマッハーが入り、今シーズンのベストグリッドを獲得します。以下7位ルノー・コバライネン、8位同フィジケラ、9位BMWザウバー・ハイドフェルド、10位トヨタ・トゥルーリとなります。
 なおスーパーアグリ・佐藤は予選21位、決勝はスペアカーに乗り換えて、ピットスタートとなります。


◇決勝

 フォーメーションラップが終わり、各車グリッドに付いたそのとき、フェラーリ・マッサがまさかのエンジンストール。そのためマッサを除く20台によるエキストラ・フォーメーションラップが行われ、1周減の59周レースとなります。またマッサはピットに戻され、ピットスタートとなります。
 スタートではトヨタ・シューマッハーが順位を下げ、マクラーレン・ハミルトン、フェラーリ・ライコネン、マクラーレン・アロンソ、BMWザウバー・クビカ、ルノー・コバライネン、BMWザウバー・ハイドフェルド、ルノー・フィジケラ、シューマッハーの順で1コーナーを駆け抜けていきます。その後フィジケラがハイドフェルドをかわし、オープニングラップは、ハミルトン、ライコネン、アロンソ、クビカ、コバライネン、フィジケラ、ハイドフェルド、シューマッハーのオーダーとなります。
 序盤見事なオーバーテイクを見せたのは、ピットスタートのフェラーリ・マッサでした。マッサは1周目18位、2周目16位、3周目15位、4周目13位と、順調に順位を上げていきます。6周目、ミドルストレートエンドのアビーコーナーで、ウィリアムズ・ロズベルグがレッドブル・クルサードに仕掛けます。しかしここはクルサードがラインを守り、押し出される形になったロズベルグは、ダートにタイヤを落としてしまいタイムロスしてしまいます。そしてこの隙をマッサが突いて、ロズベルグを攻略、マッサは11位に順位を上げます。続く7周目、クラブコーナーで、今度はマッサがクルサードに仕掛けます。サイド・バイ・サイドでクラブを立ち上がり、続くミドルストレートでオーバーテイク、これでマッサはトップ10に返り咲きます。
 13周目、トップを快走していたハミルトンでしたが、急にタイムが1秒以上落ち、2位ライコネンとの差がほとんどなくなります。しかしオーバーテイクに至る前に、1回目のピット作業が始まります。先頭を切ったのはコバライネンで、15周目にピットに入ります。次いで17周目にハミルトンとクビカがピット作業を行います。しかしここで、ハミルトンに珍しくミスが出ます。タイヤ交換完了を意味するロリーポップ反転のタイミングで、スタートを切ってしまったのです。このあおりで給油マンが体勢を崩してしまい、リグを抜き取るまでに数秒のタイムロスを喫します。こうしてライコネンは、18周目のピット作業でハミルトンを逆転、暫定2位に順位を上げます。一方暫定トップのアロンソは、20周目にピットインするや、6秒台のショートストップを敢行、ライコネン、ハミルトンを逆転し、一気にトップに躍り出ます。同じ周回、マッサもピット作業を行い、アロンソ、ライコネン、ハミルトン、クビカ、ハイドフェルド、フィジケラ、マッサ、クルサードのオーダーとなります。
 中盤、レースは小康状態となり、上位に順位変動がないまま、2回目のピット作業を迎えます。 35周目フィジケラ、37周目アロンソとコバライネン、38周目ハミルトン、40周目クビカ、42周目ハイドフェルドと、順調にピット作業を行います。そして43周目、ライコネンがピットイン。アロンソがピットインしてからの6周、アロンソよりも1秒以上速いタイムを刻み続けたライコネンは、ここで見事トップに立ちます。
 46周目、マッサがピットに入り、全車ピット作業を終えます。この時点での順位は、ライコネン、アロンソ、ハミルトン、クビカ、マッサ、ハイドフェルド、コバライネン、フィジケラとなります。
 レース終盤、クビカとマッサの差が縮まり、48周目にはその差0.35秒となります。マッサはミドルストレートエンドやストレートで何度も仕掛けますが、クビカは自分のラインを堅守して、オーバーテイクを許しません。クビカとマッサのバトルは、これから10周に渡り続きますが、結局クビカが順位を守り抜き、チェッカーとなります。
 こうしてライコネンが2連勝を上げ、アロンソが2位、ハミルトンが3位となります。以下4位クビカ、5位マッサ、6位ハイドフェルド、7位コバライネン、8位フィジケラ、9位ホンダ・バリチェロ、10位同バトンとなります。なおスーパーアグリ・佐藤は、14位の結果でした。

◇感想

 ライコネンが2連勝を飾り、流れを引き寄せた感じです。マッサはピットスタートからのリカバリーで、5位フィニッシュ。クビカを攻略して4位の5ポイントが欲しかったところですが、前戦フランスで、10位スタートのマッサが2点しか取れなかったことを考えると、及第点でしょうか。
 選手権序盤に生じた風洞の故障により、出遅れた感のフェラーリでしたが、風洞の稼働開始とともに、マクラーレンとの差を一気に詰めて、そして逆転した感じです。
 選手権はハミルトンがまだ優位ではありますが、タイトル争いは終盤までもつれ込む予感がします。



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