Round.12 トルコグランプリ
26.Aug.2007 : イスタンブールパーク
◇予選グリッド
予選ポールはフェラーリ・マッサ、2位にはマクラーレン・ハミルトンが入ります。3位はフェラーリ・ライコネン、4位はマクラーレン・アロンソと、2強ががっぷり4つに組み合う状態は、ここトルコでも健在でした。サードローはBMWザウバー勢が占めるものいつもの通り。5位クビカ、6位ハイドフェルドと続きます。以下7位ルノー・コバライネン、8位ウィリアムズ・ロズベルグ、9位トヨタ・トゥルーリ、10位フィジケラとなります。
今回大健闘を見せたのは、スパーアグリ・デビッドソン。念願の第3ピリオド進出はなりませんでしたが、ホンダ勢のトップ、11番グリッドを獲得します。一方、同僚の佐藤は19位、スパイカー山本は22位と、後方に沈みます。
なお15位のホンダ・バトンは、エンジンにトラブルが見つかり、予選後にエンジンを交換しています。また14位の同バリチェロも、同じ不具合が見つかりエンジン交換。そのためスターティンググリッドは、21位バトン、22位バリチェロとなります。
◇決勝
スタートでは、マクラーレンの2台、ハミルトンとアロンソが遅れ、フェラーリ・マッサ、同ライコネン、ハミルトン、BMWザウバー・クビカ、同ハイドフェルド、アロンソの順で1コーナーを抜けています。一方中断では、トヨタ・トゥルーリにルノー・フィジケラが追突、トゥルーリはハーフスピンをおこしコース中央にストップ。そのため中団以下は大混乱となります。
こうしてオープニングラップは、マッサ、ライコネン、ハミルトン、クビカ、ハイドフェルド、アロンソ、ルノー・コバライネン、ウィリアムズ・ロズベルグ、レッドブル・クルサード、同ウエーバーのオーダーとなります。
レース序盤は、マッサとライコネンが1秒程度、やや遅れてハミルトンが3〜5秒程度の差を保った状態で進んでいきます。一方、BMWザウバー勢の後に入ったアロンソは、ハイドフェルドを攻略する糸口がつかめぬまま周回を空費し、10周目にはトップから10秒の差がついてしまいます。12周目、早くもクビカが、1回目のピットストップを行います。次いで動きがあったのは17周目、ハイドフェルド、ロズベルグ、クルサードらがピット作業を行い、翌18周目にはライコネンとアロンソがピット作業を行います。ここでアロンソは、ハイドフェルドの前で周回に復帰することに成功します。19周目マッサ、20周目ハミルトンとピット作業を行い、この結果、マッサ、ライコネン、ハミルトン、アロンソ、ハイドフェルド、コバライネン、クビカ、ロズベルグのオーダーとなります。
レースはここまで、大きな変化が起きることなく淡々と周回が進み、2回目のピット作業の時期を迎えます。37周目、先頭を切ってクビカがピットに入ると、41周目にはライコネン、42周目にはマッサとピット作業を行います。しかしマッサがピットに入った直後、コース上では今レース最大のアクシデントが発生します。3位ハミルトンの右フロントタイヤに、突然デラミネーション(トレッド剥離)が発生したのです。これでハミルトンは順位を落とし、アロンソ、ハイドフェルドの後で周回に復帰することとなります。
こうして順位を落としたハミルトンでしたが、タイヤトラブルの際、フロントウイングの翼端板を壊しており、思うようにタイムが伸びません。そのためハイドフェルドに追いつくどころか、後続のコバライネンにタイムを詰められる、厳しい展開となります。それでもからくもコバライネンの追撃をしのぎきりチェッカーを受けます。
こうして終盤を除き、やや盛り上がりに欠けたトルコGPは、マッサが今期3勝目を上げ、2位ライコネン、3位アロンソの表彰台となります。以下4位ハイドフェルド、5位ハミルトン、6位コバライネン、7位ロズベルグ、8位クビカ、9位フィジケラ、10位クルサードの結果となります。
なおスーパーアグリ・佐藤は18位、スパイカー・山本は20位の結果でした。
◇感想
出来過ぎとも思えるハミルトンの後退により、ドライバーズタイトルが、俄然面白くなってきました。数字的には、最終戦までフェラーリが1-2を続けていれば、ドライバーズタイトルは、フェラーリのどちらかになるのですから!
それにしても、通称「バーニー・ボタン」と言われる、アクシデント発生スイッチ。この存在を信じてしまうようなレース展開でした(笑)