Round.13 イタリアグランプリ
09.Sep.2007 : アウトードロモ・ナツィオナーレ・ディ・モンツァ
◇予選グリッド
予選フロントローを独占したのはマクラーレン。アロンソがポール、2位がハミルトンと、敵地モンツァにて、最高の結果を得ることとなります。3位はフェラーリ・マッサ、4位はBMWザウバー・ハイドフェルドとなります。5位は、フリー走行での大クラッシュで、一時出場が危ぶまれたフェラーリ・ライコネン。万全でないマシンセットアップのため、僅差でハイドフェルドに先行を許してしまいました。以下6位BMWザウバー・クビカ、7位ルノー・コバライネン、8位ウィリアムズ・ロズベルグ、9位トヨタ・トゥルーリ、10位ホンダ・バトンとなります。
なおスーパーアグリ・佐藤は17位、スパイカー・山本は22位の結果でした。
◇決勝
スタートでは、ポールのマクラーレン・アロンソ、2位の同ハミルトン、ともに順当なスタートを見せます。しかし3位フェラーリ・マッサのダッシュが素晴らしく、1コーナーの飛び込みで、ハミルトンの前に出ます。しかしハミルトンも踏ん張り、アウトからマッサを攻略、両者軽い接触を見せますが、アロンソ、ハミルトン、マッサのオーダーとなります。一方フェラーリ・ライコネンもBMWハイドフェルドを攻略し、4位に順位を上げました。
こうしてオープニングラップは、アロンソ、ハミルトン、マッサ、ライコネン、ハイドフェルド、BMWザウバー・クビカ、ルノー・コバライネン、ウィリアムズ・ロズベルグ、ホンダ・バトン、レッドブル・ウエーバーとなります。しかし2周目、レッドブル・クルサードのフロントウイングが破断、コントロールを失ったマシンは、コーナーを曲がりきれずウォールに激突してしまいます。幸いクルサードに怪我はなかったものの、マシン除去のため、セフティーカーが導入されます。
セフティーカーは6周目に退き、レースが再開されます。この時点では上位陣に順位の変化はありませんでしたが、8周目、カーブ・グランデでミスをしたロズベルグに対し、そのスリップに入ったバトンが短いストレートでオーバーテイク、そのままロッジアを先に駆け抜け、8位に順位を上げます。10周目、前周に緊急ピットインを行ったマッサが、マシントラブルから再度ピットに戻ります。しかしそのままガレージに入り、トップ4の一角が崩れます。
ピット作業で最初に動いたのはマクラーレン、18周目ハミルトン、20周目アロンソとピット作業を行います。その20周目、再びバトンとロズベルグの順位争いが激しくなります。19周目からテール・トゥ・ノーズ状態となった両者でしたが、20周目、今度はロズベルグがバトンにお返しとばかり、カーブ・グランデからサイド・バイ・サイドに持ち込み、ロッジアで前に出ます。
その後21周目ハイドフェルド、23周目クビカ、25周目ライコネンとピット作業を行い、この時点でのオーダーは、アロンソ、ハミルトン、ライコネン、ハイドフェルド、ロズベルグ、バトン、ウエーバー、ホンダ・バリチェロとなります。その後30周から1ストップ作戦を取った各チームの、37周目から2ストップ勢の2回目のピット作業が始まります。そして40周目、ハミルトンがピット作業を行います。しかしコースに復帰した時、僅差で前にいたのはライコネン。こうしてオーダーはアロンソ、ライコネン、ハミルトンとなります。ところがこのまま終わらないのがハミルトン。42周目の1コーナーの飛び込みでインを奪うや、そのままオーバーテイク。見事2位に順位を上げます。43周目、この2位争いを見届けるように、アロンソが2回目のピット作業を行い、悠々1位でコースに復帰します。この時点でオーダーは、アロンソ、ハミルトン、ライコネン、ハイドフェルド、ロズベルグ、クビカ、コバライネン、バトン、ウエーバー、バリチェロとなります。
レース終盤の45周目、1コーナーでクビカがロズベルグをオーバーテイク、5位に順位上げます。結局この順位変動が最後となり、53周のレースが終わります。
優勝はアロンソ、2位はハミルトンと、敵地モンツァでマクラーレンが、史上初の1-2フィニッシュを決めます。3位は、上位陣で唯一の1ストップ作戦を敢行したライコネンとなり、フェラーリはかろうじて面目を保ちます。以下4位ハイドフェルド、5位クビカ、6位ロズベルグ、7位コバライネン、8位バトン、9位ウエーバー、10位バリチェロの結果となります。
なおスーパーアグリ・佐藤は16位、スパイカー山本は20位の結果でした。
◇感想
ハミルトンとアロンソのポイント差は、2ポイント縮まり3ポイント差。一方フェラーリは、マッサのリタイヤで、痛いポイントを失いました。ライコネンが3位で、かろうじてタイトル争いに絡んでいるとはいえ、ほぼハミルトンとアロンソの戦いになった感があります。
こういうとき怖いのは、マシントラブルによるノーポイント。この不運がトップのドライバーに襲いかかるのか、残り4戦、熾烈な戦いが続く予感です。