Round.16 中国グランプリ
07.Oct.2007 : 上海インターナショナル・サーキット


◇予選グリッド

 予選ポールは、マクラーレン・ハミルトン。優勝すればタイトルが確定するというここ一番、最高のパフォーマンスを示します。2位はフェラーリ・ライコネン、3位に同マッサと続き、ライコネンの逆転タイトルにいちるの望みを賭けます。4位はマクラーレン・アロンソ。逆転タイトルに向けて、試練のポジションとなります。以下5位レッドブル・クルサード、6位トヨタ・シューマッハー、7位レッドブル・ウエーバー、8位BMWザウバー・ハイドフェルド、9位同クビカ、10位ホンダ・バトンとなります。
 なおスーパーアグリ・佐藤は20位、スパイカー・山本は22位からのスタートとなります。


◇決勝

 レースは小雨がぱらつくコンディション、各車スタンダードウエットを装着してのスタートとなります。ここでマクラーレン・ハミルトンが無難なスタートを決め、フェラーリ・ライコネンが続きます。好スターを切ったのは4位のマクラーレン・アロンソ。1コーナー外側からフェラーリ・マッサを攻略、3位に順位を上げます。しかし今度はマッサが逆襲、6コーナーでインを奪うや、アロンソを抜き返します。こうしてオープニングは、ハミルトンが制し、以下ライコネン、マッサ、アロンソ、レッドブル・クルサード、BMWザウバー・ハイドフェルド、トロロッソ・リウッツィ、レッドブル・ウエーバー、BMWザウバー・クビカ、ルノー・コバライネンのオーダーとなります。
 2周目、雨足が強くなり、これにより各所でオーバーテイク合戦が展開されます。得にバックストレートエンドからターン14の飛び込みでは、今期屈指のオーバーテイクショーが繰り広げられます。6周目にはクビカがウエーバーを、そしてトロロッソ・ベッテルがコバライネンをオーバーテイクします。7周目には、ターン3から4にかけての複合コーナーで、トヨタ・トゥルーリがコバライネンをパスします。そして12周目には、1周目にスピンを喫し最後位に落ちていたトヨタ・シューマッハーが、ターン14でウィリアムズ・ブルツをオーバーテイクします。14周目には同じ場所でウィリアムズ・ロズベルグがホンダ・バトンをパスする等、10位〜15位争いは非常に混沌としたものとなります。
 15周目、トップを快走していたハミルトンがピットイン、給油作業のみを行い、4位でレースに復帰します。上位陣のピット作業はここから続き、17周目にアロンソ、18周目にマッサ、19周目にライコネンと、それぞれ給油のみのピット作業を行います。
 レース中盤、存在感をアピールしたのはシューマッハーでした。17周目、1コーナーの飛び込みでコバライネンをパスし13位へ、21周目にはバックストレートエンドでロズベルグをパスし12位と、着実に順位を取り返していきます。そして続く22周目、勢いを維持したまま1コーナーでリウッツィに仕掛けます。ここではリウッツィがキープしたものの、続くターン3から4の複合コーナーで、ついにシューマッハーが横に並びサイド・バイ・サイドとなります。しかしやや強引にインに切り込んだシューマッハーはリウッツィと接触しスピンオフ、ここまで稼いだ順位を一気に放出してしまいます。そして26周目、最終コーナーで単独スピンを喫しリタイヤとなります。
 その直前の25周目、ターン14でアロンソがマッサに仕掛けます。コーナーの進入ではマッサが前を押さえますが、ここでアロンソがクロスラインを取り、15コーナー出口でマッサを下し3位に順位を上げます。直後、マッサはピットに向かいドライタイヤに履き替え、6位でコースに復帰します。一方のトップ争いは、急速にハミルトンとライコネンの差が縮まり、26周目にはその差が1秒を切るところまでになります。そうなると勢いはライコネンが上回り、27周目のターン3から4で両者がサイド・バイ・サイドとなります。ここではハミルトンがこらえたものの、ハミルトンは明らかにタイヤの摩耗が激しく、防戦一方となります。そして28周目のターン10でハミルトンがふくらんだ隙をついて、ライコネンがトップに躍り出ます。こうして2位にドロップしたハミルトンに、さらなる悲劇が襲います。31周目、タイヤ交換のためピットレーンに進んだハミルトンは、ここで曲がりきれずにコースオフ、なんとグラベルにつかまりマシンを止めてしまうのです。
 こうなるとレースは、ライコネンとアロンソの一騎打ちとなります。32周目、ライコネンとアロンソが相次いでピット作業を行い、両者ドライタイヤでコースに戻ります。この時点でのオーダーは、ライコネン、アロンソ、マッサ、ベッテル、バトン、リウッツィ、ブルツ、ルノー・フィジケラ、ハイドフェルド、クルサードとなります。ここからアロンソは、自己ベストを塗り替える猛追を開始ししますが、ライコネンもすかさずペースをアップ、両者8秒から10秒のタイム差で周回を続けることとなります。42周目、ベッテルを抜いて4位に順位を上げていたバトンがピットに入ったため、6位へ後退します。その後フィジケラの後退以外上位陣では順位の変動がなく、チェッカーを迎えます。こうしてライコネンが逆転で今期5勝目を上げ、2位アロンソ、3位マッサの表彰台となります。以下4位ベッテル、5位バトン、6位リウッツィ、7位ハイドフェルド、8位クルサード、9位コバライネン、10位ウエーバーの結果となります。なおスーパーアグリ・佐藤は14位、スパイカー・山本は17位でレースを終えました。


◇感想

「残り3戦、ハミルトンがリタイヤしない限り・・・」
 前回のコメントでこう書いていましたが、まさかそのリタイヤが起こるとは・・・。しかもライコネン優勝で、ポイント差はアロンソ4、ライコネン7。最終戦ブラジルに、チャンピオンシップは持ち越されました。とはいってもハミルトン優位は変わりません。なにせライコネン、アロンソ、ハミルトンの順でゴールしても、ハミルトンのチャンピオンが決まるのですから。そうなると勝負の行方を左右するのは、母国グランプリのマッサということになりそうです。マッサがハミルトンとアロンソ、どちらを抑えるか。これによりチャンピオンシップの行方が決まりそうです。




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