Round.17 ブラジルグランプリ
21.Oct.2007 : アウトードロモ・ホセ・カルロス・パーチェ


◇予選グリッド

 予選ポールは、母国グランプリでの2連勝を狙うフェラーリ・マッサ、2位にはマクラーレン・ハミルトンが入り、初タイトルへ向けほぼ万全のグリッドを得ます。3位はフェラーリ・ライコネン、4位はマクラーレン・アロンソとなり、逆転チャンピオンへの望みを託します。
 以下5位レッドブル・ウエーバー、6位BMWザウバー・ハイドフェルド、7位同クビカ、8位トヨタ・トゥルーリ、9位レッドブル・クルサード、10位ウィリアムズ・ロズベルグとなります。なおスパーアグリ・佐藤は18位、ブルツに代わりウィリアムズからスポット参戦した中嶋は19位、スパイカー・山本は22位の結果でした。


◇決勝

 スタートでは、前に出たフェラーリ・マッサが、マクラーレン・ハミルトンをブロック、その隙にフェラーリ・ライコネンが両者より一歩先んじます。しかし1コーナーでマッサがインを奪い、マッサ、ライコネンの順で、1コーナーを立ち上がります。一方その後では、ハミルトンとマクラーレン・アロンソがサイド・バイ・サイドを演じます。続く2コーナーで、アロンソがアウトから仕掛け、3コーナーで抜き去ります。しかしハミルトンはまだ粘ります。続くバックストレートで、ハミルトンがアロンソのスリップにぴたりと入り、アウトから抜きにかかります。ですがこれは明らかなオーバースピード。タイヤから白煙が上がるほどのブレーキでもスピードを殺すことができず、コースオフ。この結果、オープニングは、マッサ、ライコネン、アロンソ、レッドブル・ウエーバー、BMWザウバー・クビカ、同ハイドフェルド、トヨタ・トゥルーリ、ハミルトン、ウィリアムズ・ロズベルグ、レッドブル・クルーサードのオーダーとなります。
 2周目、ルノー・フィジケラが1コーナーでコースオフ、2コーナーでコースに復帰したところ、スパカー・山本が追突し、両者リタイヤとなります。一方8位まで順位を落としていたハミルトンでしたが、2周目にはトゥルーリ、6周目にはハイドフェルドをかわし、タイトル確定となる5位まであと一歩の6位まで順位を上げます。しかしここで突如スローダウン。一気に18位まで順位が下がります。幸い、しばらくすると再び走れるようになり、ここから挽回していくことになります。
 19周目、上位陣の先頭を切って、クビカがピット作業を行います。次いで20周目マッサ、21周目ライコネン、22周目アロンソがピット作業を行い。同じ周に、10位まで順位を戻していたハミルトンがピットに入ります。
 給油により14位に順位が下がったハミルトンでしたが、25周目にスーパーアグリ・佐藤がピット作業を行う間に13位へ、また28周目の1コーナーで、ホンダ・バリチェロをアウトから抜き去り12位へ順位を上げていきます。31周目、ピットインしたウィリアムズ・中嶋が、ピット手前で止まりきれず、メカニックをはねてしまうトラブルが発生します。幸いメカニックに大きな怪我はなかったものの、初めてのピット作業ならではのトラブルといえるでしょう。この中嶋のピットインにより、ハミルトンは11位に順位を上げます。33周目、バックストレート手前の3コーナーの飛び込みで、ハミルトンがトロロッソ・ベッテルをオーバーテイク、同じ周トヨタ。シューマッハーがピットインをしたため、9位に順位を回復します。そして36周目、ハミルトンも2回目のピットストップを行いますが、ここで順位の変動はなく、9位のまま周回に復帰します。
 37周目、ルノー・コバライネンが1コーナー出口でスピン、リアからウォールに接触しリタイヤとなります。42周目には母国グランプリであるホンダ・バリチェロがエンジンブロー。白煙を引きながらピットにたどり着きますが、リタイヤとなります。
 50周目、マッサがピットインをします。続いて51周目にハイドフェルド、52周目にアロンソ、そして53周目にライコネンがピットに入ります。ここでライコネンはマッサを逆転し、1位で周回に復帰します。その後54周目にロズベルグ、56周目にハミルトンとピット作業を行い、この時点でのオーダーは、ライコネン、マッサ、クビカ、アロンソ、ハイドフェルド、ロズベルグ、トゥルーリ、クルサード、ハミルトン、中嶋となります。
 レース終盤、注目はチャンピオンシップの行方となっていきます。アロンソが優勝するためには、2位のマッサをオーバーテイクする必要がありますが、今日のマクラーレンには、フェラーリに追いつくだけの速さがありません。となるとハミルトンが5位まで順位を戻せるかが焦点となります。そのはミルトン、58周目に1コーナーでクルサードをパスし8位、64周目にはトゥルーリのピットインにより7位に順位を上げていきます。しかし追い上げもここまで、69周目の1コーナー、ロズベルグがクビカをパスしたのを最後に順位が定まり、71周のレースが終わります。結果は優勝ライコネン、2位マッサ、3位アロンソ、4位ロズベルグ、5位クビカ、6位ハイドフェルド、7位ハミルトン、8位トゥルーリ、9位クルサード、10位中嶋となります。なお佐藤は12位でした。
 こうしてチャンピオンシップは、110ポイントを獲得したライコネンが、逆転で1位となり、2位ハミルトンと3位アロンソが1点差の109ポイントで並ぶという大混戦で幕を閉じました。


◇感想

 ライコネンが連勝によりポイント差を一気に逆転し、初のワールドチャンピオンとなりました。
 途中まではハミルトン中心に進んでいたチャンピオンシップでしたが、王手をかけた中国GPでのリタイヤから、運がハミルトンから遠のいたという感じでした。それだけ、プレッシャーが厳しかったと言うことでしょうか。
 さて来シーズンは、中嶋一貴がウィリアムズの正ドライバーに確定し、また小林可夢偉がトヨタのサードドライバーになるなど、日本人の活躍が期待されます。そしてホンダには、あのロス・ブラウンがレースマネジメントのトップに就任し、低迷からの脱却を図ります。
 トップチームでは、マクラーレンがハミルトンとコバライネン、ルノーがアロンソとピケJrのコンビになるなど、大きなシャッフルがあります。さて、どういうシーズンになるのでしょうか。開幕戦は3/16。オーストラリア。あと2ヶ月です。




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