Round.1 オーストラリアグランプリ
16.Mar.2008 : アルバートパーク・サーキット


◇予選グリッド

 予選トップはマクラーレン・ハミルトンが奪い、初のタイトル獲得に向け、絶好のスタートとなります。2位はBMWザウバー・クビカ。オフシーズンテストで不調を言われていたBMWでしたが、開幕に合わせ調子を上げてくるあたり、流石と言うべきでしょうか。以下3位マクラーレン・コバライネン、4位フェラーリ・マッサ、5位BMWザウバー・ハイドフェルド、6位トヨタ・トゥルーリ、7位ウィリアムズ・ロズベルグ、8位レッドブル・クルサード、9位トヨタ・グロック、10位トロロッソ・ベッテルとなります。
 なお9位のグロックは、ギアボックスの交換と、予選で他車の進路妨害のペナルティーとしてそれぞれ5グリッドの降格をうけ、19位スタートとなります。
 ウィリアムズ・中嶋は14位(スタートは13位)、スーパーアグリ・佐藤は20位(同19位)となります。また昨年の覇者フェラーリ・ライコネンは、トラブルから16位(同15位)に沈みます。


◇決勝

 各車順調に滑り出したスタートが一転、1コーナーで多重クラッシュが発生します。まずフェラーリ・マッサがスピン、その後方ではスーパーアグリ・デビッドソン、レッドブル・ウェーバー、ホンダ・バトン、フォースインディア・フィジケラ、ウィリアムズ・中嶋、ルノー・ピケ、トロロッソ・ベッテルらが多重クラッシュとなり、デビッドソン、フィジケラ、ウェーバー、バトン、ベッテルがリタイヤとなります。
 このクラッシュの処理のため、セフティーカーが入ります。セフティーカーが退いたのは2周目、この時点でのオーダーは、マクラーレン・ハミルトン、BMWザウバー・クビカ、マクラーレン・コバライネン、ウィリアムズ・ロズベルグ、BMWザウバー・ハイドフェルド、トヨタ・トゥルーリ、ホンダ・バリチェロ、フェラーリ・ライコネン、レッドブル・クルサード、10位ルノー・アロンソとなります。
 16周目からピット作業が始まります。16周目クビカ、18周目ハミルトンと続き、21周目コバライネンとハイドフェルドが同時ピットイン、ここでハイドフェルドが逆転します。この間、18周目にライコネンがバリチェロをパスし、20周目にはトゥルーリがピットに戻ったところでリタイヤしています。
 22周目コバライネンがピット作業を終え、しばし順位が落ち着きます。しかし25周目、1コーナーでマッサとクルサードが接触し、クルサードがリタイヤ。この処理のため2度目のセフティーカーが入ります。セフティーカー先導のレースは29周まで続き、30周目からリスタートとなります。この周回で、3位まで順位を上げていたフェラーリ・ライコネンが、3コーナーでコバライネンをパスした直後オーバーラン、最下位の14位にドロップしてしまいます。さらにマッサがストップと、フェラーリ勢は得点圏から脱落してしまいます。また31周目にはピケ、スーパーアグリ・佐藤もリタイヤし、これで半数の11台のマシンが、姿を消すこととなります。
 ここからしばらく、レースは再び落ち着きを迎えます。しかし45周目、今度はトヨタ・グロックがコースアウトしてしまいます。この時点では問題なかったものの、コースに復帰するその直前、マシンが大きくバウンドしてしまい、コースにたたきつけられてしまいます。この衝撃でマシンは大破、そのままコースを横切りウォールにヒットして止まります。この処理のため、3度目のセフティーカーが入ります。この直後、バリチェロがピットイン。こともあろうに給油リグを抜く前にロリーポップマンがポップを上げてしまい、給油クルーを引きずる羽目に。しかもこのとき、すでにセフティーカーが入っており、ピット出口は封鎖されていたのですが、バリチェロはそれを見逃しピットアウト。レース後失格処分となってしまいます。
 48周目、セフティーカーが退き、リスタート。しかしクビカに中嶋が追突、クビカはリタイヤとなります。その後もリタイヤは続き、54周目にはライコネン、55周目にはトロロッソ・ブルデーと相次いで戦列を去ります。
 こうして大荒れの開幕戦は58周を終え、コース上には6台のマシンしかいないという、まるで2005年のアメリカGP、もしくは96年のモナコGPのような惨状でチェッカーとなります。優勝は、トラブルと無縁だったハミルトン、2位はハイドフェルド、3位は初表彰台のロズベルグとなります。以下4位アロンソ、5位コバライネン、6位中嶋、7位ブルデー、8位ライコネンの結果となります。


◇感想

 荒れに荒れた開幕戦。この嵐の外に常にいた、ハミルトンが余裕の優勝。対して大嵐に翻弄されたのがフェラーリという状況でしょうか。こんな中、2台そろって完走かつポイントを獲得したウィリアムズは、下馬評通りの強さと言うべきでしょう。初ポイントおめでとう、中嶋!!



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