Round.5 トルコグランプリ
11.May.2008 : イスタンブールパーク


◇予選グリッド

 スーパーアグリF1チームの撤退会見で幕を開けたトルコGP。予選は20台のマシンで争われます。
 予選トップは、3年連続となるフェラーリ・マッサ。2位にはマクラーレン・コバライネンが入り、前戦スペインでの大クラッシュからの復帰を飾ります。以下3位マクラーレン・ハミルトン、4位フェラーリ・ライコネン、5位BMWザウバー・クビカ、6位レッドブル・ウェーバー、7位ルノー・アロンソ、8位トヨタ・トゥルーリ、9位BMWザウバー・ハイドフェルド、10位レッドブル・クルサードとなります。
 ホンダ勢は、今戦で257戦出場の新記録樹立となるバリチェロの12位が最高でした。またウィリアムズ・中嶋は16位となります。


◇決勝

 スタートでは、フェラーリ・マッサ、マクラーレン・ハミルトンがダッシュを決めたのに対し、マクラーレン・コバライネン、フェラーリ・ライコネンがやや出遅れ、マッサ、ハミルトン、BMWザウバー・クビカ、コバライネン、ルノー・アロンソ、ライコネンの順で、1コーナーに入ります。しかし後方ではウィリアムズ・中嶋に、フォースインディア・フィジケラが乗り上げるアクシデントが発生、フィジケラはその場でリタイヤとなります。一方の中嶋は、リアウイングを失いながらもピットまでたどり着きますが、メカニックのリペアもむなしくリタイヤとなってしまいます。
 このアクシデントでセフティーカーが入り、2周目にリスタートとなります。この時点でのオーダーは、マッサ、ハミルトン、クビカ、アロンソ、ライコネン、レッドブル・ウェーバー、コバライネン、BMWザウバー・ハイドフェルド。しかし直後、コバライネンがピットに戻りタイヤ交換。これによりコバライネンは、最後尾に順位を落としてしまいます。同じ周、バックストレートでライコネンがアロンソをオーバーテイク、4位に上がります。
 序盤は各所でバトルが繰り返され、得に中団において順位変動が激しくなります。一方トップでも、マッサとハミルトンが1秒前後の差で周回を続ける、白熱したレース展開となります。こうして15周目、上位陣ではアロンソが、ピット作業の口火を切ります。次いで16周目ハミルトン、18周目ウェーバー、19周目マッサ、クビカ、21周目ライコネンと、相次いでピット作業を終えます。この時点でのオーダーは、マッサ、ハミルトン、ライコネン、クビカ、ウィリアムズ・ロズベルグ、レッドブル・クルサード、ハイドフェルド、アロンソ、ウェーバーとなります。しかしマッサとハミルトンの差はみるみる縮まり、23周目、バックストレート入り口でマッサのスリップについたハミルトンは、ストレート半ばでマッサをオーバーテイク、その後みるみる差を広げていきます。そしてマッサとの差が8秒まで広がった32周目、ハミルトンは2回目のピット作業を行います。
 40周目、マッサとクビカが2回目のピット作業を行い、41周にアロンソ、43周目にライコネンとロズベルグと続き、45周目、ハミルトンが3回目のピット作業を行います。ただ一人、3回ストップの作戦を取ったハミルトンでしたが、マッサの前に出ることは叶わず、マッサ、ハミルトン、ライコネン、クビカ、ハイドフェルド、アロンソ、トヨタ・トゥルーリ、ウェーバー、ロズベルグ、クルサードのオーダーとなります。
 終盤、ハミルトンとライコネンのタイム差が縮まりますが、結局オーバーテイクに至ることはなく、58周のレースが幕を閉じます。こうしてマッサが、トルコGP3連覇を飾るともに、今期2勝目を挙げます。以下2位ハミルトン、3位ライコネン、4位クビカ、5位ハイドフェルド、6位アロンソ、7位ウェーバー、8位ロズベルグ、9位クルサード、10位トゥルーリの結果となります。


◇感想

 レビューでは書きませんでしたが、今レースでは中団グループで、素晴らしいバトルが多く見られました。得にコバライネン、34周目から35周目にかけてのトヨタ・グロックとのサイド・バイ・サイド合戦や、49周目のロズベルグのオーバーテイクなど、見ていて楽しかったです。実際、序盤のピットインがなければ、表彰台に乗っていたかもと思わせる大活躍でした。

 さてスーパーアグリの撤退については残念でしたが、これはFIAの開発費低減策が破綻したと言いたいです。2レース用エンジンやエンジンホモロゲート、スタンダードECUは、確かに効果があったでしょう。しかし最も有効であるカスタマーシャシーの使用がNGとなった時点で、スーパーアグリには撤退の道しかなかったのではないでしょうか。いうなれば、FIAの空手形に踊らされたもの、こういうのは言い過ぎでしょうか?
 カスタマーシャシーの使用が禁止となり、今度はレッドブルがトロロッソを手放す可能性が高くなっています。せめてチームには、スーパーアグリの二の舞にならぬよう、きっちとした処置(継続にしろ売却にしろ)が取られることを願います。



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