Round.6 モナコグランプリ
25.May.2008 : サーキット・デ・モナコ
周回数 : 76周(253.840km/2時間ルールにより78周から減周)


◇予選グリッド

 予選フロントローを独占したのはフェラーリ。1位マッサ、2位ライコネンとなります。対するマクラーレンはセカンドロー。3位ハミルトン、4位コバライネンとなりますが、フェラーリとの差は歴然、苦しいレースが予想されます。
 以下5位BMWザウバー・クビカ、6位ウィリアムズ・ロズベルグ、7位ルノー・アロンソ、8位トヨタ・トゥルーリ、9位レッドブル・ウェーバー、10位同クルサードとなります。またホンダは12位のバトンが最高位となり、日本人唯一のドライバーであるウィリアムズ・中嶋は14位でした。


◇決勝

 ウエットコンディションで始まった決勝。フォーメーション直前に、マクラーレン・コバライネンにトラブルが発生、ピットスタートになります。
 コバライネンを除いた19台によるスタートは、フェラーリ・ライコネンがややおくれ、1コーナー・サン・デボットにはフェラーリ・マッサ、マクラーレン・ハミルトン、ライコネンの順で飛び込みます。中団以降でもトラブルなく1コーナーをパスしていきますが、ローズヘアピンではルノー・アロンソにウィリアムズ・ロズベルグが追突するアクシデント。ホンダ・バトンもBMWザウバー・ハイドフェルドにヒットし、バトンは、早くもピットストップを強いられます。こうしてオープニングは、マッサ、ハミルトン、ライコネン、BMWザウバー・クビカ、アロンソ、ロズベルグ、トヨタ・トゥルーリ、同グロック、ハイドフェルド、レッドブル・ウェーバーのオーダーとなります。
 5周目、ハミルトンがタバココーナーでガードレールに右リアをヒット。この衝撃でタイヤはバーストし、ハミルトンはピットインを強いられます。7周目、今度はアロンソがカジノでガードレールの餌食になり、タイヤをバーストさせてしまいます。その直後、同じポイントでクルサードがスピン、これにトロロッソ・ブルデーが追突してしまいます。この処理のためセフティーカーが入り、9周目にリスタート。この時点での順位は、マッサ、ライコネン、クビカ、ハミルトン、ハイドフェルド、ウェーバー、アロンソ、ウィリアムズ・中嶋、ホンダ・バリチェロ、フォースインディア・スーティルとなります。11周目、ミラボーでアロンソがウェーバーをパス、6位に順位を上げます。13周目、ライコネンがドライブスルーペナルティー。これはスタート3分前からのマシン調整を禁止しているレギュレーションに反したためで、これにより4位に順位を落とします。
 13周目、ローズでアロンソがハイドフェルドのインを突くも接触、ハーフスピンしたハイドフェルドのサイドに、アロンソが突き刺さる形でヘアピンを塞いでしまいます。これにより後方は大渋滞に陥ります。原因を作ったアロンソはピットへ。これでほぼ上位進出が絶たれます。一方トップのマッサは、14周目にサン・デボットでオーバーランしてしまい、この間にクビカが先行します。このクビカは25周目にピットイン。同周ライコネンがサン・デボットでオーバーラン、ガードレールにヒットしてフロントウイングを破損してしまいます。この交換のために、翌周ピットへ。その後33周目にマッサもピットインし、この結果、ハミルトン、マッサ、クビカ、ウェーバー、スーティル、ライコネン、トゥルーリ、バリチェロ、中嶋、コバライネンのオーダーとなります。
 48周目、ウェーバーがピットイン、45周目にピットインしたアロンソに次いで、ドライタイヤでコースに戻ります。49周目、直前にドライタイヤに履き替えていたルノー・ピケがサン・デボットでオーバーラン、ガードレールの餌食となりリタイヤとなります。53周目、クビカ、スーティル、中嶋がピットイン、全車ドライタイヤを選択します。しかしここで中嶋に、左リアタイヤが外れないトラブルが発生し、大きく順位を落とすこととなります。この後、54周目ハミルトン、55周目バリチェロ、56周目マッサ、57周目ライコネンと、それぞれピット作業を行い、タイヤをドライに切り替えます。
 61周目、ロズベルグがプールサイドでクラッシュ。このため2回目のセフティーカーが入ります。リスタートは67周目。しかしこの直後トンネル出口でライコネンが挙動を乱します。ライコネンのマシンは左右に蛇行しながら、シケイン通過のため減速したスーティルのリアにヒット、これによりスーティルはピットでリタイヤとなります。
 2時間ルールのため、規定周回数の78周から2周減じた76周目にチェッカー。ハミルトンが2年目にして初のモナコウィナーとなり、クビカが殊勲の2位、雨に祟られたマッサが3位となりました。以下4位ウェーバー、5位トロロッソ・ベッテル、6位バリチェロ、7位中嶋、8位コバライネン、9位ライコネン、10位アロンソの結果となりました。


◇感想

 厳しいレースが予想され、現に厳しいレースとなったハミルトン。序盤のタイヤバーストで上位入賞は絶望か?と思われましたが、ピット回数を1回に減らし、またスタンダードウエット→スーパーソフトのタイヤ交換もあたり、大逆転の優勝でした。これでドライバーズもトップに躍り出ることとなり、今後の反撃が期待されます。しかし絶対的な速さでは、フェラーリが一歩リード。とはいえ、フェラーリは、マッサとライコネンがポイントを分け合っている状態なので、あるいはハミルトンが漁夫の利を得る可能性も高いです。
 次戦カナダは、どちらかというとフェラーリが苦手としているコース。ここでハミルトンが連勝すると、中盤戦にかけてマクラーレンが有利になりそうな気配です。



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