Round.7 カナダグランプリ
08.Jun.2008 : サーキット・ジル・ビルヌーブ
周回数 : 70周


◇予選グリッド

 予選トップは、開幕戦以来のポールとなるマクラーレン・ハミルトン。しかし2位以下は大きく順位が入れ替わります。その2位にはBMWザウバー・クビカが入り、3位はフェラーリ・ライコネンとなりまし。以下4位ルノー・アロンソ、5位ウィリアムズ・ロズベルグ、6位フェラーリ・マッサ、7位マクラーレン・コバライネン、8位BMWザウバー・ハイドフェルド、9位ホンダ・バリチェロ、10位レッドブル・ウェーバーとなります。
 なおトヨタは、グロックの11位が最高でした。またウィリアムズ・中嶋は12位からのスタートとなります。


◇決勝

 ホンダ・バトン、トロロッソ・ベッテルがピットスタートとなり、グリッド上には20台が並びます。スタートでは大きな混乱もなく、各車1〜2コーナーを立ち上がって行き、オープニングラップは、マクラーレン・ハミルトン、BMWザウバー・クビカ、フェラーリ・ライコネン、ウィリアムズ・ロズベルグ、ルノー・アロンソ、フェラーリ・マッサ、ホンダ・バリチェロ、マクラーレン・コバライネン、BMWザウバー・ハイドフェルド、ウィリアムズ・中嶋のオーダーとなります。
 6周目、ハイドフェルドがヘアピンで、バリチェロのインをつきオーバーテイク。これで8位に順位を上げます。その後レースは膠着状態となりますが、14周目、フォースインディア・スーティルが3コーナーでストップ。この処理のため、17周目にセフティーカーが入ってから、レースが大きく動きます。ピットレーンがオープンとなった18周目、ハミルトン、クビカ、ライコネン、ロズベルグ、アロンソら、トップ勢が一斉にピットインしたのです。いち早く給油を行ったクビカ、ライコネンがピット出口に向かった際、出口の信号はまだ赤。ここでライコネンに、後続のハミルトンが追突したのです! これにより両者リタイヤとなります。
 レースが再開された21周目、ハイドフェルド、バリチェロ、中嶋、レッドブル・ウェーバー、同クルサード、トヨタ・トゥルーリ、同グロック、フォースインディア・フィジケラ、トロロッソ・ベッテル、クビカのオーダーとなります。暫定トップのハイドフェルドは、29周目に1回目のピットストップとなり、8位クビカの前でレースに復帰します。しかし1ストップ分の燃料を積んだハイドフェルドは、明らかに後続のクビカのペースに劣り、翌30周目、1コーナーのブレーキングでクビカが前に出ます。ここから1ストップ勢がピット作業を開始し、ピット作業が落ち着いた42周目、クビカ、ハイドフェルド、アロンソ、クルサード、バリチェロ、コバライネン、マッサ、ホンダ・バトン、中嶋、ウェーバーのオーダーとなります。44周目、ターン7でアロンソが単独スピン、ウォールにヒットしレースを終えます。48周目、ヘアピンで中嶋がバトンに接触、フロントウィングを傷めピットへ向かいます。しかしピットレーンで脱落したフロントウイングがシャシー下に入り込み、コントロール不能になったマシンは、なすすべもなくウォールにぶつかり、リタイヤとなります。49周目、トップのクビカが2回目のピットイン、ハイドフェルドの前でコースに戻ります。51周目、マッサがヘアピンで、コバライネンとバリチェロをまとめてオーバーテイク、5位まで順位を戻し、53周目にピットに向かいます。61周目、マッサが最終シケインで、再びバリチェロをオーバーテイク、6位に順位を上げます。またマッサは終盤の67周目、4位のグロックがもたついたことで減速したトゥルーリを抜き、5位まで順位を戻します。
 こうしてクビカが初優勝を飾り、またハイドフェルドが2位に入り、BMWザウバーの初優勝は1-2フィニッシュの完全勝利となります。以下3位クルサード、4位グロック、5位マッサ、6位トゥルーリ、7位バリチェロ、8位ベッテル、9位コバライネン、10位ロズベルグの結果となります。


◇感想

 クビカ初優勝! ポーランド人として初の優勝であり、BMWザウバーとしても、前身であるザウバーが93年にF1参戦してから、15年目にして初優勝を飾りました。しかもハミルトン、ライコネンのランキングトップが共にリタイヤしたことで、望外のランキングトップまで引き込みました。しかしマッサが悪いなりに5位フィニッシュを遂げたことにより、コンストラクターズはフェラーリが僅差を保ちトップを保ちました。
 BMWザウバーの台頭により、ランキングはいよいよ面白くなってきました。



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