Round.13 ベルギーグランプリ
07.Sep.2008 : サーキット・デ・スパ−フランコルシャン
周回数 : 44周


◇予選グリッド

 予選ポールはマクラーレン・ハミルトン、2位はフェラーリ・マッサと、チャンピオンシップ上位2名の直接対決のフロント・ローとなります。3位はマクラーレン・コバライネン、4位はフェラーリ・ライコネンと、2強対決が見物となります。以下5位BMWザウバー・ハイドフェルド、6位ルノー・アロンソ、7位レッドブル・ウェーバー、8位BMWザウバー・クビカ、9位トロロッソ・ブルデー、10位同ベッテルとなります。
 トヨタ勢はトゥルーリの11位が最高、ホンダ勢はバリチェロの16位が最高でした。またウィリアムズ・中嶋は19位に沈んでいます。


◇決勝

 マクラーレン・ハミルトン、フェラーリ・マッサとも無難にスタートを切りますが、フェラーリ・ライコネンの滑り出しが素晴らしく、1コーナーでアウトからマッサに並びかけます。しかしここでは曲がりきれずにエスケープゾーンへ。しかしこれが功を奏したのか、オー・ルージュで加速の悪いマッサのスリップに入り込み、そのままケメルストレートでオーバーテイク、2位に上がります。後方ではトヨタ・トゥルーリがロケットスタートを決め、11位から一気に4位!までジャンプアップしますが、1コーナーでトロロッソ・ブルデーに追突撃墜され後退。こうしてオープニングは、ハミルトン、ライコネン、マッサ、ルノー・アロンソ、ブルデー、レッドブル・ウェーバー、ルノー・ピケ、BMWザウバー・クビカ、同ハイドフェルド、トヨタ・グロックとなります。
 2周目、1コーナーでハミルトンがハーフスピン。幸いコースオフは免れたためすぐに再走できますが、ストレートでは速度に乗れません。そこをライコネンがつき、見事ストレートエンド、レ・コームでオーバーテイク。その後トップのライコネンと追うハミルトンが、ファステストを交代で出しつつリード、3位マッサ以下がやや引き離される展開となります。
 スタート直後のスピンから、11位まで順位を落としたマクラーレン・コバライネンでしたが、2周目にはグロック、3周目にはBMWザウバー・ハイドフェルド、8周目にはクビカと次々にかわし、7位まで順位を回復します。しかし10周目、バスストップ・シケインでウェーバーのインを突くも、これは強引に過ぎ両者接触。この間にクビカが先行します。しかもこの行為が危険であるとの裁定で、コバライネンにはピットスルーペナルティーが科せられ、ポイント圏内から脱落します。
 11周目、ハミルトンがピットインを行い、12周目ライコネン、13周目マッサと続きます。この間、ファーニャでピケがスピン、ノーズからバリヤにヒットしリタイヤとなります。
 1回目のピット作業がほぼ終わった19周目、ライコネン、ハミルトン、マッサ、アロンソ、ブルデー、クビカ、ベッテル、ハイドフェルド、グロック、ウィリアムズ・ロズベルグのオーダーとなります。
 その後レースは小康状態となり、25周目のライコネンのピットインを皮切りに、上位陣の2回目のピット作業が始まります。ライコネンに続いて、同周にハミルトン、ロズベルグ、27周目にアロンソ、28周目にマッサ、33周目にクビカとコバライネン、ベッテルがピット作業を終え、この結果、ライコネン、ハミルトン、マッサ、アロンソ、ブルデー、ベッテル、ハイドフェルド、クビカ、コバライネン、グロックのオーダーとなります。
 しかし終盤、35周目あたりから、コースを霧雨が覆い始めます。37周目には雨足が強まり、40周目にはホームストレートが、目に見えて濡れていくのが判る状態になります。
 41周目、バスストップ・シケインの入り口で、ハミルトンがライコネンのインをつき、サイドバイサイドになります。しかしライコネンは自分のラインを守り、ハミルトンはコースオフ。これがシケインショートカットなってしまいます。メインストレートに入ったところでハミルトンは一旦ライコネンに先を譲りますが、それもつかの間、雨に濡れたストレートで加速が悪いライコネンを、間髪入れずに抜き返します。しかし雨足はどんどん強くなり、ハミルトンとライコネンが、お互いスピンを喫する始末。そしてブランシモンで再びスピンしたライコネンは、コースに復帰する際、完全にコントロールを失いコースを縦断、そのままウォールに突っ込みリタイヤ。ラスト2周の悲劇でした。
 こうしてハミルトンが5勝目を上げ、2位にはマッサ、3位には雨のタイミングでいち早くウエットタイヤに履き替えたハイドフェルドが、ケメルストレートで驚異の4人抜きを演じ、ポイント圏外から一気に表彰台を奪いました。以下4位アロンソ、5位ベッテル、6位クビカ、7位ブルデー、8位グロック、9位ウェーバー、10位コバライネンの結果となります。
 なおレース後、ハミルトンに対し、1周目のシケインショートカットによるペナルティーとして、25秒のタイム加算が、またグロックに対し、黄旗区間での追い越しから、同じく25秒のタイム加算が科せられました。この結果、優勝マッサ、2位ハイドフェルド、3位ハミルトン、4位アロンソ、5位ベッテル、6位クビカ、7位ブルデー、8位ウェーバー、9位グロック、10位コバライネンの結果に訂正されました。


◇感想

 終盤の雨により、スリリングな展開となったスパ。しかしレース後の裁定、あれは何でしょう?グロックの黄旗追い越しは仕方がないとしても、ハミルトンのあれは、FIAの政治的判断がちらつきます。終盤までタイトル争いを長引かせるため、わざとハミルトンに厳しい裁決をした、こうとも受け取れます。まあハミルトンがライコネンをオーバーテイクした際、あまりに見事に、まるでバックマーカーを処理する如きに抜いていったってのが、仇になったとも言えますが。
次戦はイタリア。地元グランプリでフェラーリには、政治的ではなく実力で勝利をもぎ取っていただきたいと思います。つか、イタリアの予選、凄いことになっているんですけど(笑)。



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