Round.17 中国グランプリ
19.Oct.2008 : 上海インターナショナル・サーキット
周回数 : 56周


◇予選グリッド

 予選ポールはマクラーレン・ハミルトン。チャンピオンシップに向けて負けられない一戦、見事ポールを獲得します。チャンピオンシップを追いかけるフェラーリ・マッサは、同僚ライコネンを挟んで3位。スタートでの逆転に望みをかけます。以下4位ルノー・アロンソ、5位マクラーレン・コバライネン、6位レッドブル・ウェーバー、7位BMWザウバー・ハイドフェルド、8位トロロッソ・ベッテル、9位トヨタ・トゥルーリ、10位トロロッソ・ブルデーとなります。チャンピオンシップの可能性が僅かに残る、BMWザウバー・クビカは12位に沈みます。
 ホンダ勢は14位のバリチェロが最高、ウィリアムズ・中嶋は17位スタートとなります。
 なお6位のウェーバーはエンジン交換による10グリッド降格の16位、7位のハイドフェルドは走路妨害により3グリッド降格の9位スタートとなります。

◇決勝

 スタートでは大きな混乱・順位変動もなく、各車1コーナーに飛び込んでいきます。しかし後方ではトヨタ・トゥルーリにトロロッソ・ブルデーが追突、トゥルーリはスピンして大きく順位を下げてしまいます。このアクシデントでトゥルーリはピットインを余儀なくされ、いったんはレースに復帰したものの、翌3周目にはガレージに車を戻し、リタイヤとなります。上位陣では2〜3コーナーでマクラーレン・コバライネンがルノー・アロンソをオーバーテイク、しかしアロンソもしぶとく粘り、バックストレート・エンドのブレーキングで、コバライネンを抜き返します。こうしてオープニングは、マクラーレン・ハミルトン、フェラーリ・ライコネン、同マッサ、アロンソ、コバライネン、BMWザウバー・ハイドフェルド、トロロッソ・ベッテル、BMWザウバー・クビカ、ルノー・ピケ、ホンダ・バリチェロのオーダーとなります。
 序盤はハミルトンが順調に逃げ、ライコネン、マッサはやや離される状態となります。ハミルトンとライコネンの差が4秒強、ライコネンとマッサの差が5秒弱に開いた15周目、マッサがピットイン、アロンソもこれに続きます。16周目にはハミルトンとライコネンがピットインを行い、17周目にコバライネンとベッテルと続きます。上位陣のピット作業が完了した26周目、順位はハミルトン、ライコネン、マッサ、アロンソ、コバライネン、ハイドフェルド、トヨタ・グロック、レッドブル・クルサード、クビカ、ピケとなります。
 33周目、ここまで引っ張ったグロックが、1回目のそして最後のピットイン、10位で周回に復帰します。35周目、5位を走行していたコバライネンにアクシデントが発生します。ターン7で縁石を乗り越えた直後、右フロントタイヤがバーストしたのです。これで17位まで順位を下げたコバライネンは、51周目にガレージに戻りリタイヤとなります。
 37周目、アロンソが2回目のピットインを行い、38周目にマッサ、39周目にハミルトンとライコネンが続きます。上位陣の2回目のピット作業が終わった43周目、オーダーは、ハミルトン、ライコネン、マッサ、アロンソ、ハイドフェルド、クビカ、グロック、ピケ、ベッテル、クルサードとなります。
 終盤になってもフェラーリの2台はペースが上がらず、トップのハミルトンに追いつくことが出来ません。このままではポイント差が9に広がってしまうマッサに対し、ここでライコネンがサポートに回ります。49周目あたりからペースを2秒ほど落としたライコネンは、50周目のバックストレートで、マッサを先行させます。結局これが最後の順位変動となり、ハミルトンがポール・トゥー・ウィンで今期5勝目を上げます。2位にはマッサが滑り込み、3位はチームプレイに徹したライコネンが入ります。以下4位アロンソ、5位ハイドフェルド、6位クビカ、7位グロック、8位ピケ、9位ベッテル、10位クルサードの結果となります。
 なおホンダはバリチェロの11位が最高、ウィリアムズ・中嶋は12位でレースを終えます。


◇感想

 ハミルトンの圧勝で、マッサとのポイント差は7。最終戦ブラジルへ、タイトルの行方は持ち越されました。しかしブラジルはマッサが得意としているサーキットとはいえ、ハミルトンの盤石の走りに比すると、フェラーリには絶対的な速さが足りていないように思えます。
 上海でのレースを見る限りでは、マッサの逆転タイトルの可能性は、限りなく低いように思えます。ここ数戦の鬱憤を晴らす、マッサの切れた走りを期待したいところです。



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