Round.2 マレーシアグランプリ
05.Apr.2009 : セパンF1サーキット
周回数 : 58周
◇予選グリッド
予選トップはブラウンGP・バトン。これで2連続ポールとなり、BGP001の速さが本物であることを証明します。2位はトヨタ・トゥルーリ、3位はレッドブル・ベッテルが続きます。
以下4位ブラウンGP・バリチェロ、5位トヨタ・グロック、6位ウィリアムズ・ロズベルグ、7位レッドブル・ウェーバー、8位BMWザウバー・クビカ、9位フェラーリ・ライコネン、10位ルノー・アロンソとなります。
一方昨年の主役たるマクラーレン・ハミルトンは13位、フェラーリ・マッサに至っては16位と、大きく後方に沈んでしまいます。またウィリアムズ・中嶋は12位となります。
なお3位ベッテルは、前戦オーストラリアでの3輪走行が危険行為と見なされたため、10グリッド降格のペナルティー、13位スタートとなり、これによりBMWザウバー・ハイドフェルドが10位に繰り上がっています。
◇決勝
ウィリアムズ・ロズベルグが素晴らしいスタートを決め、1コーナーでポールのブラウンGP・バトンに並びます。インを突いたルズベルグに対し、アウトに振られたバトンは、そのままコーナーでふくらんでしまい失速、トヨタ・トゥルーリ、ルノー・アロンソらにも抜かれ、4位にドロップしてしまいます。しかし好調バトンは、バックストレートでアロンソをかわし、3位に浮上します。こうしてオープニングは、ロズベルグ、トゥルーリ、バトン、アロンソ、ブラウンGP・バリチェロ、フェラーリ・ライコネン、レッドブル・ウェバー、トヨタ・グロック、BMWザウバー・ハイドフェルド、マクラーレン・ハミルトンのオーダーとなります。3周目、BMWザウバー・クビカのエンジンが出火、スタートでの立ち往生に加え、エンジンブローと、僅か3周でレースを終えることとなります。
4周目、バックストレートでバリチェロがアロンソに仕掛けます。ここで一旦アロンソを抜いたバリチェロでしたが、ヘアピン出口でクロスラインをとったアロンソが再び前に出、その後ストレートをKERSを使って逃げます。しかしバリチェロも引き離される事なく1コーナーへ。ここのブレーキング勝負ではバリチェロが粘り、見事アロンソをオーバーテイクします。この後もアロンソは、スピードに勝る他車を、抜群のマシンコントロールでブロックし続け、後続のライコネンがアロンソを抜いたのは11周目、ウェバーも抜きつ抜かれつの激しいバトルの末、ようやく13周目にオーバーテイクに成功します。
14周目、レッドブル・ベッテルがトップを切ってピットイン、これを皮切りに、各車1回目のピットストップを行います。ここでギャンブルに出たのがライコネン、19周目にピットインするや、雨の予報にレインタイヤに履き替えてコースインしたのです。しかしこれは結果的に失敗でした。実際に雨が来たのが22周目、この3周の間にライコネンのタイヤは異常加熱によりグリップを失っていたのです。こうして23周目、各車続々とピットに戻ります。この結果、バトン、ロズベルグ、トゥルーリ、バリチェロ、ハイドフェルド、ウェバー、ハミルトン、マッサ、ルノー・ピケ、グロックのオーダーとなります。しかし雨足はさほど強まらず、レインタイヤを履いた各車は思ったよりラップタイムが上がりません。その中唯一インターミディエイトを履いたグロックが猛チャージを見せ、28周目には2位に順位を上げます。一方トップのバトンは29周目にピットイン、タイヤをインターミディエイトに交換します。これに各車続き、ウェバー、マッサ、ピケ、ライコネンがタイヤ交換を行います。しかし直後、バケツをひっくり返したような雨が、コースをあっという間に川に変えてしまいます。こうなるとインターミディエイトでの周回は無理。こうして30周目、グロック、ウェーバー、ロズベルグ、ハミルトン、アロンソ等がピットに戻り、レインタイヤに戻してコースに戻ります。しかしコースは、もはやレインタイヤでの走行も無理なほど雨量が増しており、32周目にセフティーカーが入ります。しかし雨はとどまることを知らず、ついには33周目にセフティーカー先導でもコース周回は無理となり、赤旗中断となります。
こうしてレース続行が不可能と判断され、レースは31周の周回をもって成立します。なお規定周回(ラップの75%)を達成していないため、与えられるポイントは1/2となります。赤旗中断によるレース成立は2003年ブラジルGP以来、1/2ポイントとなるのは1991年オーストラリアGP以来の珍事となります。
そしてバトンが2連勝を収め、2位にはハイドフェルド、3位にはグロックの結果となります。以下4位トゥルーリ、5位バリチェロ、6位ウェバー、7位ハミルトン、8位ロズベルグ、9位フェラーリ・マッサ、10位トロロッソ・ブルデーとなります。なおウィリアムズ・中嶋は12位でした。
◇感想
雨でも速いバトン。これはブラウンGPの実力と言うしかないでしょう。さて他チームというと、対抗馬となっているクビカはエンジントラブル、ベッテルはペナルティーでレース前からハンデを背負うなど、雨がなければバトンの楽勝だった可能性が高いです。フェラーリとマクラーレンに至っては、何処走っているのかという状況。
一方雨で気を吐いたのがグロック。タイヤ交換の妙で中断時点で2位に上がるも、中断レース成立の場合2ラップ前の順位が適用されるというルールのため、3位に終わりました。しかしながら雨が降ってから、一番速かったのはグロック。トヨタが一番優勝に近づいたレースだったと言えるでしょう。
最後に・・・・わざわざスコールが来るタイミングで、レースをスケジュールするんじゃないよ>FIA