Round.3 中国グランプリ
19.Apr.2009 : 上海インターナショナル・サーキット
周回数 : 56周
◇予選グリッド
予選では、時間ぎりぎりに最初で最後のアタックを実行、このワンチャンスをものにしたレッドブル・ベッテルがポールを奪います。また僚友ウェーバーも3位に入り、レッドブルの初ポールに花を添えます。
レッドブル勢に割り込んだのは、軽いタンクで渾身のアタックを行ったルノー・アロンソ。これで奇しくもルノーエンジンが上位3台を占めることとなります。以下4位ブラウンGP・バリチェロ、5位同バトン、6位トヨタ・トゥルーリ、7位ウィリアムズ・ロズベルグ、8位フェラーリ・ライコネン、9位マクラーレン・ハミルトン、10位トロロッソ・ブエミとなります。
なおウィリアムズ・中嶋は14位でした。
◇決勝
スタート前から降り出した雨により、前戦マレーシアに続くフルウェットレースとなった上海、スタート時刻になっても雨は弱まらず、今期初のセフティーカー先導で幕を開けます。
セフティーカー先導でレースは続き、8周目、2位のルノー・アロンソが給油のためピットに戻ります。しかしレース再開は翌9周目、アロンソにとって最悪のタイミングでのピット作業となり、アロンソは最下位に沈んでしまいます。
レース再開の9周目、この時点でのオーダーは、レッドブル・ベッテル、同ウェーバー、ブラウンGP・バリチェロ、同バトン、トヨタ・トゥルーリ、フェラーリ・ライコネン、マクラーレン・ハミルトン、トロロッソ・ブエミ、BMWザウバー・ハイドフェルド、マクラーレン・コバライネンとなります。
レース再開からベッテルは快調に飛ばし、2位ウェーバーとの差をどんどん広げていきます。しかしウェーバーも、3位以下を引き離しにかかっており、レッドブル1-2体勢を築いていきます。後方では5位トゥルーリのペースが上がりません。11周目の6コーナーでハミルトンにパスされます。12周目にハミルトンが単独スピン、再度5位に上がりますが、それもつかの間、今度は13周目にブエミに、14周目にはマッサにもパスされ、次々と順位を落としていきます。そして18周目の最終コーナー、ブレーキングでBMWザウバー・クビカが追突、トゥルーリはリアウイングを失い、またクビカはタイヤに乗り上げた拍子に大きく上に跳ね上げられてしまいます。この事故で、トゥルーリはピットに戻ったところでリタイヤ、クビカは走行を続けますが、入賞圏から大きく後退してしまいます。またこの処理のため、2回目のセフティーカーが入ります。
このセフティーカーラン中、20周目になんとトップのベッテルにブエミが追突するアクシデントが発生します。幸いベッテルには目立ったダメージはなく、そのまま周回を続けるとができましたが、ブエミはフロントウイングを破損してピットへ。暫定2位の座から転げ落ちてしまいます。またこの時点で3位に上がっていたフェラーリ・マッサは、電気系統のトラブルからストップ、3戦連続ノーポイントとなってしまいます。
レース再開は22周目、この時点でのオーダーは、ベッテル、バトン、ウェバー、ライコネン、ハミルトン、バリチェロ、マクラーレン・コバライネン、ブエミ、トヨタ・グロック、ウィリアムズ・中嶋。23周目、ハミルトンが8コーナーアウトからライコネンをパス、4位に順位を上げます。30周目、バトンが14コーナーでオーバーラン、この間にウェバーが2位に返り咲き、これでレッドブルが再び1-2体勢となります。
38周目にベッテルが2回目のピットインを行い、40周目ウェバー、43周目バトン、44周目バリチェロと続きます。一方45周目、中嶋がピットイン、そのままガレージに入りリタイヤとなります。こうして各車2回目のピット作業を終えた時点の順位は、ベッテル、ウェバー、バトン、バリチェロ、ハミルトン、コバライネン、フォースインディア・スーティル、ハイドフェルド、グロック、ブエミとなります。
レースは終盤になっても波乱含みとなります。まず48周目、ハミルトンがコースオフ、この間にコバライネンが先行します。続く49周目、またしてもハミルトンがスピン、今度はスーティルに抜かれてしまいます。しかしこのスーティルも、51周目の6コーナーでスピン、前輪を失い自身初のポイントを逃します。
こうした後方のアクシデントを横目に、ほぼノーミスで走りきったベッテルが、自身2度目の優勝を飾ります。またウェーバーも自身最高位となる2位を獲得、こうしてレッドブルの初優勝は、1-2フィニッシュの完全勝利となりました。
以下3位バトン、4位バリチェロ、5位コバライネン、6位ハミルトン、7位グロック、8位ブエミ、9位アロンソ、10位ライコネンの結果となりました。
◇感想
雨で強いベッテル! 昨年のイタリアGPの初優勝を彷彿とさせる、見事な走りで優勝を飾りました。一方、開幕2連勝のブラウンGPは、確かに速いのですが、レッドブルに一歩二歩、及びませんでした。ただし5位以下のマシンとは、別次元の速さであることには変わりなく、最悪のコンディションでも表彰台という、ある意味強さを見せつけたレースでもありました。
一方のフェラーリは、またしてもノーポイント。マクラーレンが5-6位でポイントを獲得しただけに、一層不振が際だちます。同様に厳しいのがBMWザウバー。昨年あれだけマシンを乗りこなしていたクビカが、スランプとも思える低空飛行です。初戦オーストラリアでベッテルとの接触で2位を失ってから、次戦マレーシアではエンジントラブル、そして上海でまたアクシデント。どうも悪い循環に入っているように思えます。