Round.5 スペイングランプリ
10.May.2009 : サーキット・デ・カタルニア
周回数 : 66周


◇予選グリッド

 予選ポールはブラウンGP・バトン。しかし2位にはより重い燃料を積んでいるレッドブル・ベッテルが0.1秒差に詰めており、油断できない状況となります。3位はブラウンGP・バリチェロ、4位には大幅なアップデートを実施してきたフェラーリ・マッサがつけます。以下5位レッドブル・ウェバー、6位トヨタ・グロック、7位同トゥルーリ、8位ルノー・アロンソ、9位ウィリアムズ・ロズベルグ、10位BMWザウバー・クビカとなります。
 なおウィリアムズ・中嶋は11位でした。



◇決勝

 スタートでは、ブラウンGP・バトンがやや遅れた一方、フェラーリ・マッサが好スタートを決めます。この結果、ブラウンGP・バリチェロ、バトン、マッサ、レッドブル・ベッテル、同ウェバー、ルノー・アロンソの順で1コーナーを立ち上がっていきます。しかし後方では、3コーナーで多重クラッシュが発生してしまいます。ウィリアムズ・ロズベルグとトヨタ・トゥルーリがニアミス、このためトゥルーリは2コーナーでコース外に押し出されてしまいます。このトゥルーリが3コーナーアウトからコースに戻ったところに、同じく2コーナーでコースオフし、3コーナーインから復帰したフォースインディア・スーティルが激突したのです。これによりトゥルーリ、スーティル、トロロッソ・ブエミ、同ブルデーがリタイヤ、ウィリアムズ・中嶋も巻き込まれ、ノーズを破損しピットインを余儀なくされます。
 このクラッシュの処理のため、セフティーカーが入ります。セフティーカー先導のレースは5周まで続き、6周目リスタートとなります。この時点でのオーダーは、バリチェロ、バトン、マッサ、ベッテル、ウェーバー、アロンソ、ロズベルグ、トヨタ・グロック、BMWザウバー・ハイドフェルド、フェラーリ・ライコネンとなります。
 ここからしばらくレースは単調に進み、18周目、グロックのピットインを皮切りに、19周目バトン、20周目バリチェロ、21周目マッサとベッテル、26周目ロズベルグ等、各車1回目のピットストップを行います。
 32周目、トップのバリチェロが早くも2回目のピット作業を行い、3ピット作戦を採ることが判明します。またBMWザウバー・ハイドフェルド、マクラーレン・ハミルトンも1回目のピット作業を行います。この時点でのオーダーは、バトン、マッサ、ベッテル、バリチェロ、ウェーバー、アロンソ、ロズベルグ、ハイドフェルド、ハミルトン、グロックとなります。
 ここから再びレースは単調となり、44周目から51周目にかけて、各車2回目(バリチェロのみ3回)のピット作業となります。44周目マッサとベッテルが再び同時にピットインを行い、45周目アロンソ、49周目バトン、50周目ロズベルグ、51周目バリチェロとウェーバー、ハイドフェルドと続きます。この結果、バトン、バリチェロ、ウェーバー、マッサ、ベッテル、アロンソ、ハイドフェルド、ロズベルグ、ハミルトン、グロックのオーダーとなります。
 レース終盤、マッサに異変が生じます。明らかにトップスピードが落ち、63周目のストレートでベッテルにオーバーテイクされてしまいます。この原因はガス欠で、トップスピードをセーブした省燃費走行を余儀なくされていたのです。結局マッサは、最終ラップの66周目にアロンソにも抜かれ、今季初ポイントを挙げたものの6位に終わります。
 こうしてバトンが今季4勝目を挙げ、2位バリチェロ、3位ウェーバーの表彰台となります。以下4位ベッテル、5位アロンソ、6位マッサ、7位ハイドフェルド、8位ロズベルグ、9位ハミルトン、10位グロックの結果となりました。なお中嶋は13位でした。


◇感想

 フェラーリがここでまた、大きなミスです。燃料装置のトラブルで、マッサに十分な燃料を入れることができず終盤失速、4位が可能なところ6位にとどまってしまいました。マクラーレンも再びノーポイントに戻ってしまい、旧2強の復活はまだまだの模様です。
 一方バリチェロは、惜しいチャンスを逃したと言えそうです。スタートでバトンの前に出ることに成功し、このままチェッカーも可能だったのですが、ショートスティントとなった第2スティントで、十分なマージンを稼げなかったのが敗因と言えそうです。とはいえアウトラップから1分23秒前半〜中半でまとめたのはさすがですが(バリチェロはこのスティントで、全体のファステストをマークしています)。
 旧2強の復活が遠い今、バリチェロの2004年中国GP以来の優勝が待たれます。



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