Round.6 モナコグランプリ
24.May.2009 : サーキット・デ・モナコ
周回数 : 78周
◇予選グリッド
予選ポールはブラウンGP・バトン。バーレーンから3戦連続、今季早くも5度目のポールを獲得します。2位にはなんとフェラーリ・ライコネンが入ります。また5位に同マッサも入り、ヨーロッパラウンド2戦目にして、フェラーリの復活を印象付けました。以下3位ブラウンGP・バリチェロ、4位レッドブル・ベッテル、5位マッサ、6位ウィリアムズ・ロズベルグ、7位マクラーレン・コバライネン、8位レッドブル・ウェーバー、9位ルノー・アロンソ、10位ウィリアムズ・中嶋となります。
開幕から好調を維持していたトヨタでしたが、モナコでは失速、トゥルーリ19位、グロック20位と今季ワーストとなりました。
なお決勝では、マクラーレン・ハミルトンがギアボックス交換により予選16位から5グリッド降格、最後尾スタートとなります。またグロックはピットスタートを選択します。
◇決勝
スタートでは、ややフェラーリ・ライコネンが遅れ、1コーナー、サン・デボーテの飛び込みは、ブラウンGP・バトン、同バリチェロ、ライコネン、レッドブル・ベッテル、フェラーリ・マッサ、ウィリアムズ・ロズベルグ、マクラーレン・コバライネン、レッドブル・ウェーバー、ルノー・アロンソ、ウィリアムズ・中嶋の順となります。
序盤、バトンが逃げ、やや遅れてとバリチェロとライコネンが追走、そしてベッテル以下が数珠つなぎという状況になります。7周目、早くもベッテルのタイヤにグレイニングが発生し、そのペースが大きく落ちます。しかしここはモナコ。多少のラップ差では後続も追い抜くことができません。ここで焦ったのがマッサ。トンネルでスリップに入り、続くヌーベルシケインでオーバーテイクを仕掛けます。しかしベッテルが絶妙なブロックを見せ、マッサはアウトから仕掛けるも、シケインをショートカットしてしまいます。マッサはいったんベッテルの前に出ますが、このままではペナルティーの対象となるため、速度を緩めベッテルに先行させます。この隙をついて、ロズベルグもマッサの前に出ることに成功します。しかしベッテルのリアタイヤは、すでに限界でした。11周目、大きくペースダウンしたベッテルは、ロズベルグ、マッサ、コバライネンと、相次いで抜かれてしまいます。そしてこの周の終わり、ピットに入りタイヤ交換を行います。しかし直後の16周目、サン・デボーテでアウト側のタイヤバリアにリアタイヤをヒットさせてしまいクラッシュ、レースを終えます。
16周目、バリチェロに抑えつづけられていたライコネンがピットに入ります。しかしバリチェロも予定を早め、翌17周目にピットに入り、また18周目にバトンもピットに入ります。
29周目、上位陣で最後まで粘っていたアロンソがピットに入り、各車1回目のピットストップが完了します。この時点でのオーダーは、バトン、バリチェロ、ライコネン、マッサ、ウェバー、ロズベルグ、コバライネン、中嶋、トロロッソ・ブルデー、フォースインディア・フィジケラとなります。
31周目、BMWザウバー・クビカがピットにもどりリタイヤとなります。これでクビカは開幕から6戦連続ノーポイントと、深刻な不振が続きます。
一方レースは淡々と周回を重ね、51周目のバリチェロのピットインから、各車2回目のピット作業を行います。この間、53周目にコバライネンがプールサイドシケインで単独クラッシュした以外、大きな順位変動がなく、上位陣で最後となるアロンソのピット作業が終わった67周目のオーダーは、バトン、バリチェロ、ライコネン、マッサ、ウェバー、ロズベルグ、アロンソ、ブルデー、フィジケラ、中嶋となります。結局その後10周にわたり大きな順位変動は発生せず、バトンが今季5勝目を上げます。2位にはバリチェロが入り、2戦連続、今季3回目のブラウンGPの1-2となります。3位にはライコネン、4位にはマッサが入り、フェラーリ復活の兆しを印象付けます。以下5位ウェーバー、6位ロズベルグ、7位アロンソ、8位ブルデー、9位フィジケラ、10位トヨタ・グロックの結果となります。
なお中嶋は、10位走行中の最終周に単独クラッシュを喫し、完走扱いの15位でレースを終えました。
◇感想
うーん、ブラウンGP強し! そんなレースでした。結局バトンは、52周目のピットイン直後に2位に落ちただけで、翌53周目のライコネンのピットインでトップに返り咲き、文句なしのポールtoウィンを達成してしまいました。
ブラウンGP以外に目を移すと、今回はフェラーリの復活がポイントでしょうか。ライコネンは3位表彰台でしたが、2回目のピット作業でのもたつきがなければ、ひょっとしたら2位もあったかもしれません。またマッサも、序盤ベッテルに抑えられながら、レース後半はファステストラップを記録するなど、ロングスティントでの速さも戻ってきていると言えそうです。
超低速コースのモナコだけに、これだけで復活の判断をするのは難しいところですが、フライアウェイの4戦に比べると、ずいぶんとマシになっている感じです。