Round.12 ベルギーグランプリ
30.Aug.2009 : スパ・フランコルシャ
周回数 : 44周
◇予選グリッド
予選結果は大サプライズ。なんとフォースインディア・フィジケラが、自身06年マレーシア以来約3年ぶりの、そしてフォースインディア初のポールポジションを獲得したのです。2位につけたのはトヨタ・トゥルーリ。燃料搭載量はフィジケラよりも多いので、逆転優勝に期待が持てるポジションです。以下3位BMWザウバー・ハイドフェルド、4位ブラウンGP・バリチェロ、5位フェラーリ・ライコネン、6位BMWザウバー・クビカ、7位トヨタ・グロック、8位レッドブル・ベッテル、9位同・ウェバー、10位ウィリアムズ・ロズベルグとなります。
なおウィリアムズ・中嶋は18位、またポイントリーダーのブラウンGP・バトンは14位からのスタートとなります。
◇決勝
スタートではブラウンGP・バリチェロがストップするトラブル、程なく動き出すことには成功しますが、大きく順位を下げてしまいます。一方上位は、ポールのフォースインディア・フィジケラが無難なスタートを決め、トップで1コーナーに入ります。しかし2位以下は順位のシャッフルが起きます。ややスタートで出遅れたトヨタ・トゥルーリに対し、BMWザウバー・ハイドフェルドが先行、1コーナーでインを奪います。しかしややオーバースピードだったのが災いし、出口での加速が鈍ります。これにつられてトゥルーリもペースダウン、その横をフェラーリ・ライコネンが駆け抜けていきます。しかしライコネンもオーバースピード、1コーナーのエスケープに大きくはみ出してタイムをロスします。こうして漁夫の利を得たBMWザウバー・クビカが、フィジケラに次いでオー・ルージュを駆け上がって行きます。しかしクビカの2位もつかの間でした。オー・ルージュ出口でクビカのスリップに入ったライコネンが、続くケメルストレートでオーバーテイク、ストレートエンドのレ・コンブでクビカと接触しながらも、2位を奪い取ったのです。
しかしこの直後、ここレ・コンブで、多重クラッシュが発生します。ここでルノー・グロージャン、マクラーレン・ハミルトン、ブラウンGP・バトン、トロロッソ・アルグエルスアリがストップ、この処理のためセフティーカーが導入されます。
レースが再開されたのは5周目。この時点での順位は、フィジケラ、ライコネン、クビカ、トヨタ・グロック、レッドブル・ウェバー、ハイドフェルド、ウィリアムズ・ロズベルグ、レッドブル・ベッテル、ルノー・アロンソ、マクラーレン・コバライネン。しかしリスタート直後のケメルストレートで、ライコネンがフィジケラをあっという間に抜き去り、トップへ。後方でもベッテルがロズベルグをオーバーテイクします。
13周目、上位陣のトップを切って、クビカがピットインします。次いでグロックもピットに入りますが、ここで給油リグが入らないトラブルが発生し、得点圏外に脱落します。
14周目、ライコネンとフィジケラが同時にピットイン、フィジケラは右フロントタイヤの交換に若干手間取ったものの、ほぼピットイン前のタイム差をキープしてコースに復帰します。15周目、今度はウェバーとハイドフェルドが同時ピットイン、わずかにハイドフェルドの動き出しが早かったものの、ウェバーは強引にピットレーンに入り、一時ウェバーとハイドフェルドがピットレーンを併走する事態となります。案の定、ウェバーにはドライブスルーペナルティーが課せられ、ウェバーは得点圏外に脱落します。
18周目にロズベルグがピットに入り、上位陣の1回目のピット作業が終わります。この時点でのオーダーは、ライコネン、フィジケラ、アロンソ、クビカ、コバライネン、ベッテル、ハイドフェルド、バリチェロ、フォースインディア・スーティルとなります。
24周目、ピットインを遅らせていたアロンソが、1回目のピット作業を行います。しかしここで左フロントタイヤの装着に手間取り大きくタイムロスしてしまいます。これは1周目の接触により、ホイールカバーが曲がってしまったためであり、結局この時のダメージが予想以上に深刻で、26周目にガレージに戻ってリタイヤとなります。
31周目、1秒差で周回を続けていたライコネンとフィジケラが、またしても同時にピットイン、順位をキープしたままコースに戻ります。35周目、セカンドスティントを引っ張ったベッテルがピットイン、クビカを逆転し3位で周回に戻ります。
この時点での順位は、ライコネン、フィジケラ、ベッテル、クビカ、ハイドフェルド、コバライネン、バリチェロ、ロズベルグ、ウェバー、グロックとなります。このままチェッカーを迎えるのかと思われた42周目、7位バリチェロのリアから白煙が上がります。一瞬エンジンブローの前兆かと思われましたが、バリチェロは慎重にペースを落として後続との差をコントロール。そのままチェッカまで走りきる作戦に出ます。結局バリチェロのエンジンは44周を走りきり、ピットにマシンを止めたところで出火、ギリギリのところでポイントを獲得することに成功しました。
こうしてライコネンが今期初優勝を遂げ、フィジケラが2位に入り、フォースインディアにチーム初のポイントと表彰台をもたらします。3位はロングスティントで逆転したベッテル、以下4位クビカ、5位ハイドフェルド、6位コバライネン、7位バリチェロ、8位ロズベルグ、9位ウェバー、10位グロックの結果となります。
◇感想
前戦のバリチェロ優に引き続き、スパではフィジコが2位! セカンドクラブ大躍進です(笑)
冗談はさておき、今回のフィジケラは、すごかった。2ndスティントや3rdスティントでもライコネンに離されることなく、1〜2秒差で周回を続けたのですから。この結果、療養中のマッサ、そしてその代役のバドエルに代わり、フェラーリのシートを射止めました。次戦はフェラーリの聖地・モンツァ。モンツァでフェラーリが、イタリア人ドライバーによる優勝を遂げたのは、遙か昔1963年のルドヴィコ・スカルフィオッティ以来皆無。いやがうえにも期待が高まります。
もっともそのプレッシャーに潰されないで欲しいところですが(笑)