Round.14 シンガポールグランプリ
27.Sep.2009 : マリーナベイ・ストリート・サーキット
周回数 : 61周


◇予選グリッド

 予選Q3の終了間際、各車最後のタイムアタックに入った瞬間に、ブラウンGP・バリチェロがクラッシュを喫し、赤旗中断で予選が終了するというハプニングが発生します。これにより暫定ポールのマクラーレン・ハミルトンがそのままポールを獲得し、2位にはレッドブル・ベッテル、3位にはウィリアムズ・ロズベルグと、赤旗により最後のアタックを中断させられたドライバーが続きます。
 以下4位レッドブル・ウェバー、5位バリチェロ、6位ルノー・アロンソ、7位トヨタ・グロック、8位BMWザウバー・ハイドフェルド、9位同クビカ、10位マクラーレン・コバライネンとなります。またウィリアムズ・中嶋は11位、ポイントリーダーのブラウンGP・バトンは12位の結果でした。
 なおバリチェロはギアボックス交換のため5グリッド降格、ハイドフェルドはピットスタートとなります。


◇決勝

 スタートではマクラーレン・ハミルトンがホールショットを決め、次いでウィリアムズ・ロズベルグがレッドブル・ベッテルを交わして2位にあがります。その後ろではレッドブル・ウェバーとルノー・アロンソが並んで1コーナーに入ります。ここではアロンソが前に出たものの、ターン7でウェバーがシケインをショートカット気味に横切りながら、アロンソを抜き返します。またこの混乱の中、トヨタ・グロックもアロンソの前に出ることに成功します。
 こうしてオープニングラップは、ハミルトン、ロズベルグ、ベッテル、ウェバー、グロック、アロンソ、ブラウンGP・バリチェロ、BMWザウバー・クビカ、マクラーレン・コバライネン、ブラウンGP・バトンとなります。
 7周目、オープニングラップのシケインショートカットによるペナルティーを避けるため、ウェバーがアロンソを前に出します。ここで隙を突いたグロックも、ウェバーの前に出ることに成功します。
 17周目、ベッテルが上位陣の先頭を切ってピットに入ります。その後18周目にロズベルグ、20周目にハミルトンがピット作業を行いますが、ここでは順位変動はありません。しかし21周目、トロロッソ・アルグエルスアリに仕掛けたフォースインディア・スーティルが、ラインを外し単独スピン。コースに戻るところで後続のBMWザウバー・ハイドフェルドにヒット、ハイドフェルドはその場でリタイヤ、スーティルもフロントノーズ交換の後、数周でリタイヤとなります。またこの事故の処理のため、セフティーカーが入ります。
 25周目、セフティーカーが退き、リスタートとなります。この時点での順位は、ハミルトン、ロズベルグ、ベッテル、グロック、アロンソ、バリチェロ、コバライネン、バトン、ウェバー、クビカとなります。しかし28周目、ピットアウト時に白線をまたいだため、ロズベルグにピットスルーペナルティーが課せられます。セフティーカー退去後さほど時間が空いていなかったことが災いし、大きく順位を下げることとなり、ロズベルグは入賞圏内から脱落します。
 39周目、ベッテルが2回目のピットストップを行います。しかしここでピットレーンで速度超過、43周目にピットスルーペナルティーを受けます。46周目、ウェバーがブレーキダクトから黒煙を噴き上げスピン・クラッシュ、ブレーキトラブルで戦列を去ります。
 52周目、セカンドスティントを長くとったバトンがピットイン、上位陣では最後となる給油をすませコースに戻ります。ここでバトンは、バリチェロ、コバライネンを逆転し、5位で周回に復帰します。
 このピットでの逆転劇を最後に、各車残り10周を走りきりチェッカー。ハミルトンが今期2勝目を上げ、グロックが2位、アロンソが3位となります。以下4位ベッテル、5位バトン、6位バリチェロ、7位コバライネン、8位クビカ、9位ウィリアムズ・中嶋、10位フェラーリ・ライコネンの結果となりました。


◇感想

 ベッテルが自爆ともいえるスピード違反で表彰台を逃し、バトンとの差をたった1ポイントしか詰めることができませんでした。残り3戦、バトンが5ポイント以上獲得してしまうと、ベッテルが残り全勝してもチャンピオンには届きません。タイトルは非常に厳しくなったと言わざるを得ないでしょう。
 そしてこのレースで、地味な記録が終了となりました。スーティルのもらい事故でリタイヤしたハイドフェルド。実は41戦連続完走中で、もちろんこれはF1記録。それまでの記録はシューマッハーの25戦連続だから、大幅に更新していたことになります。ご苦労様、ニック君 ※掲示板でシューマッハーの記録を43戦連続と書いてしまいましたが、間違いでした。スミマセン。



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