Round.17 アブダビグランプリ
01.Nov.2009 : ヤス・マリーナ・サーキット
周回数 : 55周


◇予選グリッド

 予選ポールは、一人1分40秒台をたたき出したマクラーレン・ハミルトン、2位にはレッドブル・ベッテル、3位には同ウェバーが続きます。その後に続いたのが今期のチャンピオンチームたるブラウンGP勢。4位バリチェロ、5位バトンとなります。以下6位トヨタ・トゥルーリ、7位BMWザウバー・クビカ、8位同ハイドフェルド、9位ウィリアムズ・ロズベルグ、10位トロロッソ・ブエミとなります。
 日本勢は、トヨタ・小林が12位、ウィリアムズ・中嶋が14位でした。
 なお13位のマクラーレン・コバライネンは、ギアボックス交換のため5グリッド降格となります。


◇決勝

 スタートでは、マクラーレン・ハミルトンが他車を大きく引きなはして、悠々1コーナーへのホールショットを決めます。次いでレッドブル・ベッテル、同ウェバーが続き、ブラウンGP・バリチェロ、同バトン、トヨタ・トゥルーリ、BMWザウバー・クビカ、同ハイドフェルド、ウィリアムズ・ロズベルグ、トロロッソ・ブエミの順で1コーナーを立ち上がります。
 ここでウェバーとバリチェロが軽く接触、ここでバリチェロの翼端板が破損し、立ち上がりの速度が鈍ります。ここをすかさずバトンが突いて、順位交代となります。またグランプリ最長を誇るストレートでは、クビカがトゥルーリとサイド・バイ・サイドを演じます。ここではトゥルーリが辛くも順位をキープしたものの、続く高速カーブ区間でクビカがトゥルーリのスリップに入り込み、ターン11でトゥルーリをかわし5位に順位を上げます。
 こうしてオープニングラップはハミルトンが制し、以下ベッテル、ウェバー、バトン、バリチェロ、クビカ、トゥルーリ、ハイドフェルド、ロズベルグ、ブルデーの順となります。なおトヨタ小林は、1コーナーでフェラーリ・ライコネンを抜き、11位に順位を上げています。
 トップのハミルトンは、スタート直後こそベッテルとの差を大きく広げますが、その後は3秒程度の差を守るものの、大きく引き離すに至りません。それどころか9周目にオーバーランをしてしまい、その差を大きく縮められてしまいます。しかしそれ以降は、差を保ちつつ、周回を重ねていくことになります。そうして大きな順位変動がないまま、1回目のピット作業が始まります。真っ先に動いたのはバリチェロとクビカ、16周目にピット作業を行います。次いで17周目にハミルトンとバトンが入ります。このバトンがピットアウトする際、小林とサイド・バイ・サイドとなります。いったんはバトンが順位を守ったものの、続くストレートで小林にスリップに入られ苦しい状態になります。そして給油直後でタイヤが暖まっていないこと、そして車重が重くなっていたことが災いし、ストレートエンドでふくらんでしまいます。ここを小林が突き、クロスラインでオーバーテイク、ルーキーがワールドチャンピオンを抜き去った瞬間でした。
 その後もピット作業は続き、18周目ウェバー、19周目ベッテルがピットに入ります。しかし20周目、ハミルトンが17周目に続きピットイン、ブレーキトラブルでリタイヤとなります。
 こうして1回目のピットストップが終わり、順位はベッテル、ウェバー、小林、バトン、バリチェロ、ライコネン、マクラーレン・コバライネン、ハイドフェルド、トゥルーリ、クビカとなります。
 29周目から31周目にかけて、ライコネン、小林、コバライネンがピット作業を行い、これで上位陣の1回目のピット作業が終わります。この結果順位は、ベッテル、ウェバー、バトン、バリチェロ、ハイドフェルド、トゥルーリ、クビカ、ウィリアムズ・ロズベルグ、ブエミ、小林の順となります。
 39周目から上位陣の2回目のピット作業が始まり、39周目クビカ、40周目ウェバー、41周目バリチェロ、ハイドフェルド、ライコネン、42周目ベッテル、バトン、トゥルーリが作業を行います。この結果、ベッテル、ウェバー、バトン、バリチェロ、ハイドフェルド、小林、トゥルーリ、ブエミ、ロズベルグ、クビカのオーダーとなります。その後10周に渡り、順位の変動がないままチェッカーを迎え、ベッテルが今期4勝目を挙げ、初代アブダビ・ウィナーとなりました。
 なおウィリアムズ・中嶋は13位完走でした。


◇感想

 小林が、新人らしからぬ冷静な、そして抜きどころでの勝負強さを見せ、参戦2戦目にして入賞を果たしました。これで来期のレギュラードライバー昇格へ向けて、大きなアピールをしたと思ったところ、11月4日に、トヨタが今期限りでF1を撤退すると発表しました。
 ブリヂストンも2010年で切れるタイヤ供給の契約について、2011年以降は更新しないと発表しており、日本企業がF1の舞台から完全にいなくなることになりそうです。
 時代の流れと言いながら、かなり寂しいものがありますね・・・。
 また中嶋もウィリアムズのシートを失っており、2010年シーズンは、2004年以来となる、日本人レギュラードライバーのいないシーズンになるかもしれませんね・・・(スポット参戦もない場合、2001年ぶりになります)

 あー、陰鬱な締めとなってしまいましたが、2010年シーズンにむけて、少しでも光があることを祈りつつ、今期の総括とさせていただきます。



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