Round.4 中国グランプリ
18.Apr.2010 : 上海・インターナショナル・サーキット
周回数 : 56周
◇予選
予選ポールは、レッドブル・ベッテル、2位には同ウェバーがつけ、これでレッドブルが開幕4戦連続ポール、うち3回がフロントロー独占という圧倒的な強さを見せつけます。以下3位フェラーリ・アロンソ、4位メルセデス・ロズベルグ、5位マクラーレン・バトン、6位同ハミルトン、7位フェラーリ・マッサ、8位ルノー・クビカ、9位メルセデス・シューマッハー、10位フォースインディア・スーティルとなります。なおザウバー・小林は15位からのスタートとなります。
◇決勝
小雨がぱらつくコンディションで始まったフォーメーションラップ、ここでヴァージン・グロックが、スタートできないトラブルに見舞われ早々に戦列を去り、23台による決勝レースが始まります(HRT・チャンドックとヴァージン・ディ・グラッシはピットスタート)。
好スタートを決めたのはフェラーリ・アロンソ。一方ポールのレッドブル・ベッテルは大きく出遅れ、1コーナー出口での順位は、アロンソ、レッドブル・ウェバー、ベッテル、メルセデス・ロズベルグ、マクラーレン・バトン、同ハミルトンとなります。しかし6コーナーでは、フォースインディア・リウッツィが単独スピン、後ろ向きにコースを横切り後続のザウバー・小林、トロロッソ・ブエミと接触、ここで3台がリタイヤとなります。この処理のため、セフティーカーが入ります。ここでアロンソ、ウェバー、ベッテル、フェラーリ・マッサ、ハミルトン、メルセデス・シューマッハーらがピットイン、各車ソフトタイヤから、インターミディエイトに交換します。しかしウェバーはタイヤの交換で手間取り、後ろで待たされたベッテルは、さらに大きく順位を落とすこととなります。
こうして4周目のレース再開時のオーダーは、アロンソがジャンプスタートによるピットスルーペナルティーで順位を落としたことから、トップはロズベルグに交代し、以下バトン、ルノー・クビカ、同ペトロフ、ザウバー・デ・ラ・ロサ、アロンソ、ロータス・コバライネン、フォースインディア・スーティル、ウィリアムズ・バリチェロ、トロロッソ・アルグエルスアリとなります。レース再開直後、ドライタイヤで走行を続けるデ・ラ・ロサ、ペトロフ、コバライネンが次々と後続に抜かれ、順位を落としてしまいます。しかし雨足はここで途絶え、結局インターミディエイトに交換した車は、すぐにドライへのタイヤ交換を強いられます。6周目、たまらずピットに向かったのは、ベッテルとハミルトン。ここでハミルトンは、ピットレーン入り口でリヤをスライドさせつつベッテルの前に割り込みます。そしてほぼ同時にレーンに戻ったベッテルとハミルトンは、レーン出口まで併走する事態となりますが、一瞬早くレーンに戻っていたベッテルに軍配があがり、ここで順位が逆転します。なおこの危険行為に対し、レース後両者に譴責処分がおります。
こうしてピット作業が一段落した8周目、オーダーはロズベルグ、バトン、クビカ、デ・ラ・ロサ、ペトロフ、アルグエルスアリ、シューマッハー、コバライネン、スーティル、ベッテルとなります。一方のハミルトンは、9周目のデ・ラ・ロサのエンジントラブルによる脱落で11位に順位を上げ、翌10にはウェバーをバックストレートでオーバーテイク、さらに11周目には、スーティル、ベッテルに相次いで抜かれ、順位を9位まで落としていたコバライネンを攻略、9位に順位を上げます。圧巻はその直後、インフィールドの終わりのショートストレートから13コーナーまでのバトルでした。ストレートで速度に乗ったベッテル、ハミルトンは、前走のスーティルに対し、ベッテルがアウト側から、ハミルトンがイン側から抜きにかかります。ここでスーティルはアウト側にふくらむことでベッテルを抑えます。しかしがら空きになったインを突くハミルトンは防ぎようもなく、ここで順位は、ハミルトン、スーティル、ベッテルとなります。ハミルトンのオーバーテイクショーはまだ続き、16周目、今度はかつてのチャンピオン、シューマッハーに襲いかかります。アウト側かからしかけたハミルトンに対し、シューマッハーは前にかぶせるような形でブロック、なんとか順位をキープします。しかしトップスピードが明らかに速いハミルトンは、翌17周目、今度はバックストレート半ばでシューマッハーの前に出ることに成功します。抜かれたシューマッハーもすぐにハミルトンのスリップに入り込み、バックストレートエンドで再度ハミルトンの前に出ることに成功します。ですがハミルトンもクロスラインで再度抜き返し、これで勝負ありとなります。なおこの後シューマッハーは、18周目にベッテルにも抜かれ、7位まで順位を落とします。
一方のトップ争いは、順調にリードを築いていたロズベルグが、19周目に濡れた路面に足を取られまさかのコースオフ、この間に一気に間を詰めたバトンは、バックストーレートで一気にロズベルグを抜き去ります。これにより順位は、バトン、ロズベルグ、クビカ、ペトロフ、ハミルトン、ベッテル、シューマッハー、ウェバー、アルグエルスアリ、スーティルとなります。しかしここで雨足が強まり、各車一斉にピットイン、タイヤをインターミディエイトに交換することとなります。その直後の22周目、アルグエルスアリがフロントウイングを破損・脱落、このウイングをコース上から撤去するために、2回目のセフティーカーの導入となります。
リスタートは26周目、この時点でのオーダーは、バトン、ロズベルグ、クビカ、ペトロフ、シューマッハー、ウェバー、ハミルトン、ベッテル、スーティル、アロンソとなります。しかしリスタート直後にハミルトンとウェバーが接触、ウェバーはグリーンに押し出され、大きく順位を下げてしまいます。一方のハミルトンは、再びシューマッハーを抜き去り、翌27周目にはペトロフを攻略、29周目にはクビカも抜き去り、3位まで順位を上げます。そして35周目、2位を走行しているロズベルグとの差がほとんどなくなり、36周目の2〜3コーナーにてアウトから仕掛けます。しかしここはロズベルグも踏ん張り、コーナー出口でクロスにラインをとり、ハミルトンに先行を許しません。その後2周に渡りロズベルグの後塵を拝したハミルトンでしたが、38周目にいち早くピットに入ります。一方のロズベルグは翌39周目にピットに入りますが、速さに勝るハミルトンに逆転され、ここにバトン、ハミルトン、ロズベルグ、アロンソ、クビカ、ベッテル、ウェバー、シューマッハー、アルグエルスアリ、ペトロフのオーダーとなります。
レース終盤の46周目、ストレートでペトロフがアルグエルスアリをオーバーテイク、これにマッサも続きます。その後アルグエルスアリは、スーティル、バリチェロらにも抜かれ、得点圏から脱落します。52周目、バックストレートでペトロフがシューマッハーをオーバーテイク、続く55周目には、シケインでミスをしたウェバーを抜き去り、7位に順位を上げます。
55周目、マッサがシューマッハーをパスし、これが今レース最後の順位変動となります。
こうして2戦目と同様、ウエットコンディションにおけるタイヤ交換の妙でトップに立ったバトンが今期2勝目を挙げ、今レースのオーバーテイクキング・ハミルトンが2位に、雨に足下をすくわれ、初優勝を逃したロズベルグが3位となります。以下4位アロンソ、5位クビカ、6位ベッテル、7位ペトロフ、8位ウェバー、9位マッサ、10位シューマッハーの結果となります。
◇感想
うわ、レビュー長いっ(笑) もう少し、字数に気をつけて書かないとだめですね(汗)
とはいえ、それほど見応えがあるレースだったということで、お許しください。
さて今レースでもっとも画面に映っていたのはハミルトン。レース序盤のタイヤのミスチョイスがなければ、おそらく優勝は彼だったでしょう。
一方のバトンは、、アロンソのジャンプスタート、ロズベルグのミスに助けられたとはいえ、コース状況と天候の予測をズバリ的中させ、ルーチンのタイヤ交換2回でレースを走りきったのは見事としかいいようがありません。ハミルトンに比してあるいは速さでは劣るかもしれませんが、レースを勝ち抜く強さがあるように思えます。
さて今回、あまりに見事なやられ役を演じたのはシューマッハー。ハミルトン、ベッテル、ペトロフ、マッサに相次いで抜かれ、正直ここまで凋落したとは・・・いや、これ以上は申すまい。