Round.7 トルコグランプリ
30.May.2010 : イスタンブールパーク・サーキット
周回数 : 58周


◇予選

 予選では、レッドブル・ウェバーが3戦連続となるポールポジションを獲得します。2位はマクラーレン・ハミルトン、3位はレッドブル・ベッテル、4位はマクラーレン・バトンと、2強が0.5秒内でがっぷり組み合うこととなります。以下5位メルセデス・シューマッハー、6位同ロズベルグ、7位ルノー・クビカ、8位フェラーリ・マッサ、9位ルノー・ペトロフ、10位ザウバー・小林の結果となります。



◇決勝

 スタートでは、レッドブル・ベッテル、メルセデス・シューマッハーが、それぞれマクラーレン・ハミルトン、同バトンを抜き順位を上げます。しかし抜かれた方も黙ってはおらず、ハミルトンは直後の3-4コーナーで、バックストレートでそれぞれ抜き返し、オープニングラップのオーダーは、レッドブル・ウェバー、ハミルトン、ベッテル、バトン、シューマッハー、メルセデス・ロズベルグ、ルノー・クビカ、フェラーリ・マッサ、ルノー・ペトロフ、ザウバー・小林となります。
 2周目、1コーナーでフォースインディア・スーティルが小林を抜き、10位に順位を上げます。その後、スーティルと小林、その後ろにつけたフェラーリ・アロンソはほぼ等間隔で周回を続け、6位ロズベルグから12位アロンソまで、数珠つなぎとなります。この集団で最初に動いたのは小林で、11周目に早くもピットに入り、タイヤ交換義務を果たします。小林のピットインを皮切りに、12周目にアロンソ、13周目にペトロフとスーティル、14周目にマッサ、15周目にベッテルとシューマッハー、16周目にウェバーとハミルトン、18周目にバトンと、ピット作業を行います。一連の作業で、ベッテルとアロンソが順位を上げ、18周目のオーダーは、ウェバー、ベッテル、ハミルトン、バトン、シューマッハー、ロズベルグ、クビカ、マッサ、ペトロフ、アロンソの順となります。この18周目、バックストレートエンドでハミルトンがベッテルに仕掛け、コーナーで並びます。しかしオーバースピードによりブレーキが深くなり、クロスラインでベッテルが順位をキープします。この後20周に渡り、上位4人が次々にファステストを書き換える、拮抗したレース展開となります。
 レースが大きく動いたのは40周目、バックストレートでベッテルがウェバーに仕掛け、わずかな差ながら先にコーナーに飛び込みます。しかしウェバーも譲らずサイド・バイ・サイドでコーナーに飛び込みます。しかし両者引かずにこともあろうか同士討ちを演じてしまいます。結果、ベッテルのタイヤがバーストしスピン、リタイヤとなります。一方のウェバーもフロントウイングを破損し、翌周ピットへ戻る羽目となり、この間にハミルトン、バトンのマクラーレン勢がトップに躍り出ます。
 そのマクラーレン勢も、48周目のバックストレートでバトンがハミルトンをオーバーテイクするや、続く1コーナーでハミルトンがバトンを抜き返すというバトルを演じます。両者軽く接触する事態となるも、レッドブルのようにダメージを負うこともなく、その後はハミルトン−バトンのオーダーで周回を続けます。
 レース終盤、アロンソとペトロフの8位争いが激しさを増します。テール・トゥー・ノーズの状況が続く中、54周目の3コーナーでインをついたアロンソは、ペトロフと接触しながらもオーバーテイク、8位に順位を上げます。一方のペトロフはアロンソとの接触で、フロントタイヤをバーストしてしまい、タイヤ交換のためピットに入り、順位を大きく落としてしまいます。
 このペトロフのトラブルを最後に、レースはチェッカーを迎えます。こうしてハミルトンが今季初勝利を挙げ、バトンが2位、3位は後味の悪さが尾を引いたウェバーとなります。以下4位シューマッハー、5位ロズベルグ、6位クビカ、7位マッサ、8位アロンソ、9位スーティルとなり、10位には小林が入り、今季初ポイントを獲得します。
 なおタイヤバーストによりポイントを失ったペトロフでしたが、最終ラップで自身初となるファステストラップを記録し、一矢報います。


◇感想

 来た来た、内紛の予感。2連勝で調子を上げていたウェバーを撃墜したのは、チームメイトのベッテルでした。ベッテルは、トラブル続きでポイントを逃がすレースが続いた上、ここトルコではマクラーレンの追い上げが激しく、それ故の焦りがあったのでしょうか。
 当初ベッテルをかばい、ウェバーを非難していたチームでしたが、結局レースアクシデントとして事態の沈静化を図る模様です。まあ確かにベッテルはインを取り、鼻差でコーナーに入りましたが、自分の目にはその後のライン取りに問題があったように見えました。その点、マクラーレンのチーム内バトルは、バトンが一歩引いた大人の対応であったように見えました。まあだからバトンには、覇気が足りないと感じてしまうのですけどね・・・(笑)



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