Round.11 ドイツグランプリ
31.Jul.2010 : ホッケンハイムリンク
周回数 : 67周
◇予選
予選トップは3戦連続今期6度目のポールとなるレドッブル・ベッテル。2位、3位にはアロンソ、マッサとフェラーリ勢が続きます。4位はレッドブル・ウェバー、以下5位マクラーレン・バトン、6位同ハミルトン、7位ルノー・クビカ、8位ウィリアムズ・バリチェロ、9位メルセデス・ロズベルグ、10位ウィリアムズ・ヒュルケンベルグとなります。
なおザウバー・小林は12位、HRT・チャンドックに代わり、2戦連続出場の山本は、22位の結果でした。
◇決勝
好スタートを決めたフェラーリ・アロンソとマッサに対し、レッドブル・ベッテルはスタートを失敗し出遅れます。そのためベッテルは、イン側に並んだアロンソを牽制するため、大きく進路を右にとります。しかしアロンソは、壁際まで追い込まれつつもベッテルの前に出ることに成功します。一方大きく開いたアウト側からは、マッサが誰にも邪魔させることなく直進し、1コーナーにいち早く飛び込みます。こうしてマッサ、アロンソ、ベッテルの順で1コーナーを立ち上がります。これにレッドブル・ウェバーが続きますが、パラボリカにおいて、直線速度に勝るマクラーレン・ハミルトンにオーバーテイクされ、5位に転落します。 こうしてオープニングラップでは、マッサがトップ、以下アロンソ、ベッテル、ハミルトン、ウェバー、マクラーレン・バトン、ルノー・クビカ、メルセデス・シューマッハー、同ロズベルグ、ザウバー・小林のオーダーとなります。
序盤のレースは、上位陣がほぼプライムタイヤを装着したことにより、タイヤを温存する作戦に出ます。そのためほとんどバトルは起こらず、10周を過ぎて各車1回目のピットインをするまで、レースに動きはありません。上位陣で最初に動いたのはベッテルで、13周目にタイヤ交換を行います。次いで14周目アロンソ、ウェバー、15周目マッサ、ハミルトン、シューマッハー、16周目小林とピット作業を行います。タイヤ交換を引っ張ったのはバトンとロズベルグ、それとルノー・ペトロフで、バトン23周目、ペトロフ・24周目、ロズベルグ25周目にタイヤ交換を行います。この結果、バトンはウェバーを、ロズベルグはシューマッハーを、それぞれ逆転することに成功し、ペトロフは小林の直後でコースに復帰した後、小林をオーバーテイクすることに成功します。こうして27周目のオーダーは、マッサ、アロンソ、ベッテル、ハミルトン、バトン、ウェバー、ウィリアムズ・ヒュルケンベルグ、ザウバー・デ・ラ・ロサ、クビカ、ロズベルグとなります。なおヒュルケンベルグのタイヤ交換は35周目、オプションタイヤでスタートしたデ・ラ・ロサは、52周目までタイヤ交換を伸ばします。
レースも半ばを過ぎると、先頭を走るマッサのペースが鈍りだし、アロンソ、ベッテルが追い上げる展開となります。ここで後ほど物議を醸し出す事件が発生します。フェラーリのピットからマッサに対し、不自然に一語一語区切っりつつ、アロンソの方が速いと無線連絡があったのです。この直後、49周目のヘアピンの立ち上がりで、加速を鈍らせたマッサの横を、アロンソが駆け上がりトップが交代します。
結局この後、上位陣の順位変動はなく、アロンソが開幕戦のバーレーン以来となる2勝目を上げ、2位マッサ、3位ベッテルの表彰台となります。以下4位ハミルトン、5位バトン、6位ウェバー、7位クビカ、8位ロズベルグ、9位シューマッハー、10位ペトロフの結果となります。
なお小林は11位完走、山本は19周目にマシントラブルからリタイヤの結果でした。
◇感想
うーむ、ここで、やっぱり、出すか。
というのが正直な感想。チームオーダー同然の指示を出したフェラーリは、やっぱりフェラーリでした。むろんあからさまなトップ交代劇に、FIAはフェラーリに対し罰金を科しましたが、チームオーダー禁止というルールがナンセンスだと、自分は思います。まあフェラーリはマクラーレンのように、もう少し上手くやっても良いようには思いましたが(笑)。いや、実はあからさまに抜かせたということが、マッサのせめてもの抵抗だったのかもしれません。1年前のハンガロリンクの事故により、長らく優勝から遠ざかっていたマッサだけに、本当はこの1勝が欲しかったでしょうから。