Round.12 ハンガリーグランプリ
01.Aug.2010 : ハンガロリンク
周回数 : 70周
◇予選
予選ではレドッブル・ベッテルが、コースレコードを0.4秒近く更新するスーパータイムを刻み、4戦連続今期7度目のポールを獲得します。2位には同僚ウェバーが入り、今期5度目のレッドブルのフロントロー独占となります。セカンドローにはフェラーリ勢が続き、3位アロンソ、4位マッサとなります。以下5位マクラーレン・ハミルトン、6位メルセデス・ロズベルグ、7位ルノー・ペトロフ、8位同・クビカ、9位ザウバー・デ・ラ・ロサ、10位ウィリアムズ・ヒュルケンベルグとなります。
なおザウバー小林は18位でしたが、ピット信号を無視したため5グリッド降格のペナルティーを受けてしまいます。またHRT・山本は24位でした。
◇決勝
スタートではフェラーリ・アロンソが鋭い加速を見せ、1コーナー手前でレッドブル・ウェバーをパス、1コーナー入り口では、アウトからレドッブル・ベッテルに並びかけます。しかしここはベッテルがラインを譲らずトップをキープ。こうしてオープニングラップはベッテル、アロンソ、ウェバー、フェラーリ・マッサ、ルノー・ペトロフ、マクラーレン・ハミルトン、メルセデス・ロズベルグ、ルノー・クビカ、ウィリアムズ・バリチェロ、同ヒュルケンベルグとなります。なお23位スタートのザウバー・小林は7台をゴボウ抜き、16位でコントロールラインを通過します。
2周目、ハミルトンがペトロフをパスし、スタートで失った順位を取り戻します。その後レースは大きな順位変動を見せることなく進みますが、16周目にコース上の異物(フォースインディア・リウッツィの落とした、フロントウイングの翼端板)を回収するため、セフティーカーが入ります。これを受け先頭のベッテルが、コースとピットとを隔てる縁石を乗り越えるようにして強引にピットイン、各車もこれに続くこととなります。このピット作業でハミルトンがアロンソの前に出ることに成功します。一方クビカは、ピットアウトの際に、ピットに入ってきたフォースインディア・スーティルと交錯、クビカはいったんはレースに戻りますが、26周目にダメージからリタイヤとなります。またロズベルグもピットアウトの際に、右リアタイヤが外れるトラブルでリタイヤとなります。この外れたタイヤは、大きく弾んで飛んでウィリアムズのピットクルーを直撃しましたが、幸い怪我をするには至りませんでした。
こうして、ピットに入らなかったウェバーがトップ、以下ベッテル、ハミルトン、アロンソ、マッサ、バリチェロ、ペトロフ、ウィリアムズ・ヒュルケンベルグ、ザウバー・デ・ラ・ロサ、マクラーレン・バトンのオーダーとなります。
18周目のレース再開と同時に、小林がメルセデス・シューマッハーをパス、11位に順位を上げます。また24周目にハミルトンがマシントラブルトラブルでリタイヤしたことで、10位に順位を上げることとなります。
32周目、ドライブスルーペナルティーが課せられたベッテルが、ピットに入ります。これはセフティーカーが入る周において、先行車との車間を規定以上に開けたためとのことで、これによりウェバー、アロンソ、ベッテル、マッサのトップ4となり、44周目にウェバーがピットインしても、このオーダーは変わることがありませんでした。
56周目、レースの1/3をプライムタイヤで走りきったバリチェロが、今レース最後のピットインを行い、11位でレースに復帰します。しかしオプションをはいたバリチェロのペースはすさまじく、10位シューマッハーに対し、毎周1〜2秒ものハイペースでタイム差を削っていきます。そうして66周目、メインストレートでシューマッハーのインを突いて並びかけます。しかしここでシューマッハーは、異常とも思える厳しいブロックを見せ、バリチェロをピットウォールへ押しつけます。間一髪、ピットウォールがとぎれたことでバリチェロはクラッシュを免れ、ピット出口のダートにタイヤを落としつつもシューマッハーをパス、9位に順位を上げます。もちろんこの行為にバリチェロは怒り心頭、スチュワードも危険行為と見なし、次戦シューマッハーは10グリッド降格のペナルティーを受けることとなります。
こうしてウェバーが今期4勝目を上げ、ランキングでもハミルトンを抜き、トップに躍り出ます。2位は終盤ベッテルのう猛追を受けながらも順位をキープしたアロンソが入り、ベッテルは3位に終わりました。以下4位マッサ、5位ペトロフ、6位ヒュルケンベルグ、7位デ・ラ・ロサ、8位バトン、9位小林、10位バリチェロの結果となりました。なおHRT山本は、19位完走の結果でした。
◇感想
ウェバー4勝目! そしてランキングトップにっ!!
実のところ、ウェバーはあんまり好きなドライバーじゃなかったけど、俄然応援したくなります(比較論でベッテルよりは好き)。というか、ウェバーを始め、デイモン・ヒル、ミカ・ハッキネン、ジェンソン・バトン等々、いわゆる「苦労人ドライバー」が好きなんですよ、自分(笑)。
そんなわけで、シューマッハーは好きじゃない。なのでバリチェロに対する危険行為は、本当に腹が立った訳です。彼が相手にぶつけたのは、94年のオーストラリアGP(ヒル)、97年のヨーロッパGP(ビルヌーブ)が有名ですが、今回のはそれに匹敵する「愚行」であると思います。