Round.14 イタリアグランプリ
12.Sep.2010 : アウトードロモ・ナツィオナーレ・ディ・モンツァ
周回数 : 53周
◇予選
予選トップは、フェラーリ・アロンソ、マクラーレン・バトンを挟んで、同僚のマッサが3位につけ、ティフォシを歓喜に沸かせます。一方のレッドブル勢は、ウェバー4位、マクラーレン・ハミルトンを挟んでベッテル6位と、今期はじめてフロントローから脱落します。以下7位メルセデス・ロズベルグ、8位ウィリアムズ・ヒュルケンベルグ、9位ルノー・クビカ、10位ウィリアムズ・バリチェロとなります。
なおザウバー・小林は13位と、ポイント獲得に向け好位置につけます。またHRT・山本は24位でした。
◇決勝
スタートでは、マクラーレン・バトンが好スタートを決め、右に寄せて牽制するフェラーリ・アロンソをかわし、トップで1コーナーに飛び込みます。その後アロンソは、同僚マッサに追いつかれ、サイド・バイ・サイドで1コーナーを立ち上がります。しかしここはアロンソが勝り、2コーナーを立ち上がっていきます。ここでアロンソにつかえ加速鈍ったマッサに、今度はマクラーレン・ハミルトンが襲いかかります。しかしこれは強引に過ぎ、ハミルトンはマッサのサイドポンツーンにタイヤを接触させ、右フロントサスペンションを破断するダメージを負い、ここでリタイヤとなります。こうしてオープニングラップは、バトン、アロンソ、マッサ、メルセデス・ロズベルグ、ルノー・クビカ、ウィリアムズ・ヒュルケンベルグ、レッドブル・ベッテル、メルセデス・シューマッハー、レッドブル・ウェバー、トロロッソ・ブエミのトップ10となります。
6周目、ウェバーが1コーナーで、シューマッハーをオーバーテイク、8位に順位を上げます。その後しばらく順位変動はなく、バトンとアロンソが逃げ、やや遅れてマッサが追走、間を開けてロズベルグ以下後続が続くという展開になります。21周目、ベッテルの加速が急に鈍り、その間にウェバーが前に出ます。しかし幸いなことにベッテルのトラブルは一時的だった模様で、数周でラップタイムを戻します。
しばらく単調なレースが続き、迎えた34周目、上位で先陣を切ってクビカがピットに入り、レースが動きを見せます。36周目にロズベルグとウェバー、37周目にバトンとヒュルケンベルグとピットに入ります。ここでヒュルケンベルグはクビカの目前でコースに戻り、順位を上げることに成功します。一方のクビカは、ヒュルケンベルグに一瞬頭を抑えられたことから加速が鈍り、後続のウェバーにも抜かれてしまいます。翌38周目、アロンソがピットに入り、バトンを鼻差で抑えコースに戻ります。こうして順位は、アロンソ、バトン、マッサ、ベッテル、ロズベルグ、ヒュルケンベルグ、ウェバー、クビカ、シューマッハー、ルノー・ペトロフとなります。
レース終盤の50周目、ヒュルケンベルグを抜きあぐねていたウェバーが、ようやくヒュルケンベルグの前に出ることに成功します。そして53周目、ファイナルラップまでタイヤ交換を引き延ばしていたベッテルがピットイン、このロングスティントが功を奏し、4位の順位をキープして周回に復帰します。
こうしてアロンソが3勝目を上げ、2位にバトン、3位にマッサと、聖地モンツァでフェラーリが1-3を達成しレースが終了します。以下4位ベッテル、5位ロズベルグ、6位ウェバー、7位ヒュルケンベルグ、8位クビカ、9位シューマッハー、10位ウィリアムズ・バリチェロの結果となります。
なおザウバー・小林は、ギアボックストラブルからピットスタートを選択するも、1周保たずしてリタイヤとなります。またHRT山本は、19位完走の結果でした。
◇感想
アロンソがモンツァで優勝という、なにかドラマの筋書きのような結果となりました。ウェバーはしぶとく走って6位。これで0ポイントに終わったハミルトンに5点の差をつけ、再びチャンピオンシップのトップに立ちました。しかし5位ベッテルまでの差は、わずかに24ポイント。残りは5戦もあるわけで、誰がチャンピオンになるのか、全く判らない状況です。マシンの速さだけで言うならレッドブルですが、マクラーレンのチームとしての総合力も侮りがたく、またマシンの速さでは半歩譲るものの、明確なドライバー戦略をとっているフェラーリは、ポイントが分散する他チームに比べ有利です。そういう意味では、今回のハミルトンのリタイヤは、選手権の行方を大きくかき乱したと言えるでしょう。