Round.15 シンガポールグランプリ
26.Sep.2010 : マリーナベイ・ストリート・サーキット
周回数 : 44周


◇予選

 予選トップは、2戦連続ポールとなったフェラーリ・アロンソ、2位にはレッドブル・ベッテルがつけます。また3位にマクラーレン・ハミルトン、4位に同バトン、5位にレッドブル・ウェバーと並び、タイトル争いをしている5名が上位に名を連ねます。以下6位ウィリアムズ・バリチェロ、7位メルセデス・ロズベルグ、8位ルノー・クビカ、9位メルセデス・シューマッハー、10位ザウバー・小林となります。
 なおHRT・山本は、体調不良により欠場、代わりにクリエンが出場しています。


◇決勝

 大きな混乱なくスタートが切られ、フェラーリ・アロンソ、レッドブル・ベッテル、マクラーレン・ハミルトン、同バトン、レッドブル・ウェバー、メルセデス・ロズベルグ、ルノー・クビカ、ウィリアムズ・バリチェロ、メルセデス・シューマッハー、ルノー・ペトロフの順で1コーナーを駆け抜けていきます。しかし中団ではザウバー・ハイドフェルドとフォースインディア・リウッツィが接触、ハイドフェルドはノーズ交換を行いレースに復帰しますが、リウッツィはしばらく走行の後、マシンを止めます。このマシンを除去するために、4周目にセフティーカーが入ります。ここで各車、一斉にピットに向かいますが、上位4台はウェバーを除きステイを選択します。
 6周目、レースが再開され、この時点での順位は、アロンソ、ベッテル、ハミルトン、バトン、ロズベルグ、クビカ、バリチェロ、シューマッハー、ザウバー・小林、ヴァージン・グロック、ウェバーとなります。ピットストップにより10位まで順位を落としたウェバーでしたが、6周目にグロック、7周目に小林、11周目にシューマッハーと、次々にオーバーテイクを敢行し、失った順位を取り返していきます。しかしバリチェロの攻略に手間取り、トップ2からは離される結果となり、3位ハミルトンとのスプリント勝負になります。そのハミルトンは29周目にピットインしますが、僅差でウェバーに先行を許します。
 30周目、アロンソとベッテルが同時ピットイン、順位が変わることなく周回に復帰します。また同周にバトンもピットインを行い、31周目ロズベルグ、シューマッハーもピット作業を行います。しかし32周目、小林がターン18で単独クラッシュ、これにHRTのセナが追突する事故が発生、この処理のため今レース2回目となるセフティーカーが入ります。リスタートは36周目、この時点での順位は、アロンソ、ベッテル、ウェバー、ハミルトン、バトン、ロズベルグ、クビカ、バリチェロ、フォースインディア・スーティル、ウィリアムズ・ヒュルケンベルグとなります。ところがレース再開まもなく、目を違う事態が発生します。前走の周回遅れのマシンに詰まったウェバーに対し、ハミルトンがオーバーテイクを仕掛けたそのとき、ウェバーとハミルトンが接触したのです。この接触でウェバーはレースを続けることができましたが、ハミルトンはコース外にマシンを止め、2戦連続のアクシデントからのリタイヤとなります。
 このあたりからレースは荒れ模様となり、38周目にはハイドフェルドとシューマッハーが接触、ハイドフェルドがリタイヤします。また46周目、6位を走行していたクビカがスローパンクチャーに見舞われピットイン、12位まで順位を落としてしまいます。しかしここからクビカの猛チャージが始まります。翌47周目にトロロッソ・ブエミを抜いたのを皮切りに、53周目にペトロフ、54周目にフェラーリ・マッサ、55周目にヒュルケンベルグ、56周目にスーティルを次々に抜き去り、7位まで順位を回復します。
 60周目、ロータス・コバライネンの車が火災を起こし、メインストレート横でストップします。大きくなった炎に対し、コバライネンはピットからもらった消火器で応戦、鎮火に成功します。このトラブルを最後にレースはチェッカーを迎えます。結果、アロンソが2連勝を挙げ、ベッテル、ウェバーのレッドブル勢が2-3位を占めます。以下4位バトン、5位ロズベルグ、6位バリチェロ、7位クビカ、8位スーティル、9位ヒュルケンベルグ、10位マッサとなりました。


◇感想

 アロンソが2連勝でランキング2位に躍進、しぶとく3位をもぎ取ったウェバーが、ランキングトップを守り抜いたものの、2戦連続ノーポイントのハミルトンが3位に後退してしまいました。一方ベッテル、バトンもポイントを重ね、1-5位のポイント差は未だ25ポイントと、タイトル争いは益々の混沌の様相を強める結果となります。
 次戦鈴鹿はレッドブルが強いという予想ですが、ここで順当にウェバーが勝つことができれば、初タイトルにむけ大きく前進できるでしょう。一方ベッテルが勝てば、おそらくレッドブルは今年もタイトルが取れないと思います。この場合、漁夫の利を得るのは、おそらくアロンソとなるでしょう。


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