Round.16 日本グランプリ
10.Oct.2010 : 鈴鹿サーキット
周回数 : 53周
◇予選
大雨のため日曜日に延期された予選では、レッドブル・ベッテルが4戦ぶりとなるポールポジションを獲得、2位には同ウェバーが入り、同じく4戦ぶりのフロント・ロー独占となります。3位はマクラーレン・ハミルトン、4位にルノー・クビカが入ります。以下5位フェラーリ・アロンソ、6位マクラーレン・バトン、7位メルセデス・ロズベルグ、8位ウィリアムズ・バリチェロ、9位ザウバー・ハイドフェルド、10位メルセデス・シューマッハーとなります。
なおザウバー・小林は14位、HRT・山本は24位の結果でした。またギアボックス交換のペナルティーにより、ハミルトンが5グリッド降格、8位からのスタートとなります。
◇決勝
スタートにおいて、ルノー・ペトロフがウィリアムズ・ヒュルケンベルグと交錯、ペトロフは大きくリヤを滑らせハーフスピン、そのままピット前のウォールに激突してしまいます。また1コーナーでは、外側にふくらんだフェラーリ・マッサがコースに戻る際に、フォースインディア・リウッツィに接触し、両者リタイヤとなります。この事故の処理のため、セフティーカーが入ります。この間に、メルセデス・ロズベルグが早くもタイヤ交換を行います。また3周目に、ルノー・クビカがスローダウンしリタイヤとなります。
7周目、セフティーカーが退き、レースが再開されます。この時点でのオーダーは、レッドブル・ベッテル、同ウェバー、フェラーリ・アロンソ、マクラーレン・バトン、同ハミルトン、ウィリアムズ・バリチェロ、メルセデス・シューマッハー、ザウバー・ハイドフェルド、フォースインディア・スーティル、トロロッソ・アルグエルスアリとなります。
8周目、シケインの飛び込みで、シューマッハーがバリチェロをオーバーテイク、6位に順位を上げます。13周目、ザウバー・小林がヘアピンで、アルグエルスアリをインから抜き去り10位入賞圏内に順位を上げます。また小林は、18周目にも同じヘアピンのインから、今度はスーティルをオーバーテイクし、9位に順位を上げます。
19周目、ハイドフェルドとスーティルがタイヤ交換を行い、各車ルーティンのピット作業が始まります。上位では、ハミルトンが23周目、シューマッハーが24周目、ベッテルとアロンソが25周目、ウェバーが26周目、バトンと小林が39周目に、それぞれピット作業を行います。
こうして上位のピット作業が終わった39周目のオーダーは、ベッテル、ウェバー、アロンソ、ハミルトン、バトン、ロズベルグ、シューマッハー、ハイドフェルド、バリチェロ、スーティルとなります。しかし40周目、ハミルトンにトラブルが発生、なんと3速ギアを失ってしまうのです。こうなるとペースが大きく落ち込み、そのため44周目のヘアピンで、バトンを前に出す決断となります。
終盤、レースを盛り上げたのは小林でした。ピット作業により12位に順位を落とした小林は、45周目のヘアピンで、今度はアウトからアルグエルスアリに仕掛けます。ここでアルグエルスアリと小林が接触、アルグエルスアリはフロントウイングを破損しピットへ向かいます。一方の小林は、サイドポットの整流板を失いますが、そのまま走行を続けます。直後、小林の前を走るスーティルのエンジンがブロー。こうして10位入賞圏内に返り咲きます。48周目、6位を走行していたロズベルグの単独クラッシュにより9位、同周ヘアピンでバリチェロをオーバーテイクし8位、50周目には、僚友のハイドフェルドが道を譲る形で小林を前に出し、7位まで順位を戻します。しかし残り3周ではシューマッハーには届かず、ここでチェッカーを迎えます。
こうしてベッテルが、ポール・トゥ・フィニッシュで、7戦ぶりの優勝を挙げ、2位ウェバー、3位アロンソのポディウムとなります。以下4位バトン、5位ハミルトン、6位シューマッハー、7位小林、8位ハイドフェルド、9位バリチェロ、10位トロロッソ・ブエミの結果となります。
なおHRT・山本は、16位でした。
◇感想
ベッテルが優勝したことにより、ポイントは206点で、アロンソと同ポイントになりました。一方のウェバーは、手堅くポイントを伸ばし、220点でトップを守りました。しかしその差はわずか14点と、タイトル争いが再び判らなくなってきました。
ウェバー有利には変わりがありませんが、次戦韓国でベッテルが連勝するようなことがあれば、流れは一気にベッテルになる可能性が高いですね。
とはいえ、フェラーリも黙ってはないでしょう。特に新コースでの不類の強さを発揮するアロンソですから、まだ一波乱がありそうです。